次に向かった先は・・・パワースポット?いや心霊スポット。

那須動物王国を出たのは15時過ぎであった。まだ時間があったので、向かった先は近くのパワースポット。


殺生石であった。

九尾狐の伝説のある、奇怪な石が奉ってある場所であった。


まわりには千体地蔵が赤い帽子をかぶり、こちらを拝んでいた。その横には恐山のように、石も積んであった。


まるで心霊スポットであった。


那須動物王国から来たカピバラほんわかモードであった私の頭の中は、変な緊張感でいっぱいになった。



どこをどう歩いても千体の地蔵がこちらを拝んでいた。


そして問題の殺生石に到着した。

殺生石は、近づいた者をみんな殺してしまうという言い伝えがあるようだ。


とんでもない場所に迷いこんできてしまった。足早に石の前を通りすぎた。


そして、階段の上の温泉神社へ向かった。今度は、矢が刺さった馬の石碑があった。


気分が悪くなってきた。初デートで来るところではなかった。


御参りをし、来た階段を下って、ぬかるんだ砂利道を歩いていたその時。



「ジャリッ!」



警察官が砂利に足を滑らせ、すっ転んでいた。


私は、起き上がらせようと、とっさに手を出した。


警察官は、照れ笑いをしながら私の手を掴んだ。


そして、私達は車が停めてある場所に向かって歩き出した。




手は繋いだままであった。










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