パン屋ボーイ ~三角巾にエプロンつけて男子がパンを売ていますがなにか~

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「志望動機を聞かせてもらえますか?」




「パンが...好きだからです。」






この一言が全ての始まりだった。パン屋さんでのアルバイトを始めて気づけば半年が経つ。




ちなみに言っておくが、僕の仕事はサービスやレジなど、いわゆる売る方である。パンを製造する方ではない。




日々、女の子に囲まれて奥様方にパンを売っている。


女の子に囲まれて...






そう、この職場には男がいないのだ。







厳密には、製造に一人、サービスに一人男子がいるので計3人だが、


わが店舗では約20人が働いているので、




3/20=15%




たったの一割しか男子がいないのだ。


しかも、他の店舗では1か所でしかサービスで男子が働いていない。しかも一人らしい。




はっきり言って天然記念物です






ここからは、そんなパン屋を通じて考えたことをつづるとしよう









初日出勤の恐怖





今日は初めての出勤日、ちなみに人生初バイト、超緊張。


実は面接前に一度行ったきりお店には来たことがなかったので、行っておけばよかったとかなり後悔した。




僕の中ではパン屋さんはのんびりと働けるイメージがあったが、実際はそんなことはない。


混雑する時間帯には長蛇の列ができ、たった一つのレジで対処しなければいけないのでなかなか大変である。


しかも、なぜか事前研修みたいなものはなかった、いきなり着のみ着のままジャングルに放り込まれた気分である。




さすがに、その日はレジの横でパンを袋詰めする仕事に終始した。


あれほどただパンを袋に詰めることはもうないと思いたい。




初日ということもあり、周りのスタッフがたくさん話しかけてくれた。


優しい人たちだ、と思っていたが...




「吉田くんは○○大学なんですよね?」




「高校の時バレー部のキャプテンだったって本当ですか?」




「大阪出身なのに全然方言でないんだね」







え、え、えぇぇ……………………。

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