インドでアーユルヴェーダ 1か月体験記(2)


(このストーリーは2010年にブログにアップしたものから抜粋したものです。

アーユルヴェーダとは、インドの伝承医学。南インドのケララ州が有名です。)



トリートメント4日目


6:30 朝起きて 頭頂にクリームを塗り、葉っぱを乗せて30分。薬草のドリンクを飲み、朝食後、また別の薬草ドリンクを飲む。これは日課になっています。面白いことに、昨日もそうだったのですが、頭頂クリームをつけて30分ちょうど経ったころに、トイレに駆け込みたくなります。このトリートメントは30分置くことと指示されていますが、まさに30分経つと、毒素が押し出されていく感じです。今日から、新しく、付け加えられたトリートメント。それは、鼻の中に、クシーラバラ・オイルを2滴ずつ垂らすこと。仰向けで、オイルを鼻孔の中に流し込み、あごを上に向けてしばらく、オイルが流れ込んでいくのを待ちます。だんだん、鼻の奥がつーんとしてきて、辛い感じです。辛い感じは時間と共に強くなりました。数回うがいをして、下に降りて人と話していたのですが、喉の奥がイライラして、不快感が広がってきたので、部屋に戻り、また数回うがいをしました。粘液がどんどん吐き出されてきます。隠れていた不純物が体の奥から押し出されていく感覚です。オイルが不純物を抽出してくれたんですね。不快感がなくなるまで何度もうがいをすると、鼻の通りがスムーズになりました。毒素の出し方にいろんな方法があって、とても興味深いですね。


13:00 大先生によるマッサージ。先生が、助手の女性と笑いながら何か話しているので、「ん?何ですか?」と聞いたところ、「あなたは赤ちゃんみたいな顔をしていますね、と言っていたんですよ」とのこと。光栄です。ヨガのおかげで、どんどん赤ちゃん顔になっていくようです。4年ほど前のビデオがあって、たまたま今日、スタッフに見せていたところ、自分の顔がずいぶん違うので、自分でも驚きました。まだ日本社会向けの顔をしているというか、なんだか仮面をかぶっているような顔でした。


「ここではとても瞑想に集中できます。とてもいいプラーナが流れていますね」と私は先生に伝えると、「たくさんの人が来ていますからね。いい人達が来ていますから」と謙遜しておっしゃるので「それもあるかもしれませんが、先生と先生のお父様の力が全体に満ちているからでしょう」と言うと、かわいらしく笑っていらっしゃいました。大先生のお父様は亡くなっていらっしゃいますが、入口には大きな写真が飾られています。きっと先生のグルとして今も尊敬されているんだろうなと想像しています。私が言ったのはお世辞ではなく、実際、今回、ここに戻ってきて瞑想をしていると、確かに強い気を感じるのです。


治療が終わると、先生は、「この部屋では、みんなが同等です」とおっしゃいました。自分なりに解釈すると、ドクター、補佐、患者という違いはなく、みんな平等で、みんながひとつだという意味かなと捉えました。 シャワーを浴びたら、頭をよく乾かしてください。頭から、首や肩の炎症が起こり、痛みが起こります、というようなことをおっしゃいました。(と解釈している)そんなことが関係するのか~、とても不思議だなと思いました。 息子さんにも、「ここはいいプラーナが流れていますね」と話すと、「きっと隣にあるお寺のおかげでしょう」とこれまた違ったご意見。「古いお寺ですからね。そして、うちは、誠実さを大切に施術していますから、お寺とここが、お互いによい気を保ち合ってるのでしょう。きっと違うビジネスがここにあったら、違う風になっていると思います」「日本では、クリニックに行くと、ネガティブな気を受けて具合が悪くなったりしていたんですよ。ここもたくさん病気の人が来るのに、なぜそうならないのでしょう?私は、お父様とおじい様の力のおかげじゃないかと思っていたんですが」と聞くと、「そうかもしれませんが。でも、分析しても、しなくても、結果は同じですから、誠実に施術することに専念するのが一番大切なことのです」「なるほど」やはり、実践主義の方ですね。たくさん学ばせてもらっています。


少し腹痛があったので、息子さんに薬を処方してもらいました。「西を向いて飲んでください」「え?」「その方がいいのです」「昼の12時以降は、西を向いて、午前は、東を向いて飲みます」「う~ん、たくさん神秘的なことがありますね~」ここにいると、「え?どうして?なぜ?なんのために?」とたくさん理由を聞きたくなる場面があるのですが、マインドにエサを一気に与えるのは、ほどほどにしたい気分なので、この質問はなるべくしないようにしています。先生たちもお忙しそうなので、あまり「なんで、なんで」と聞いてご迷惑をおかけしたくないし・・・。時期がきたら、少しずつ質問したいなと思います。 ベッドにたくさんアリが集まってきていました。オイルをたくさん染み込ませたガーゼを全身に巻いて、翌朝まで過ごすので、きっとこのオイルに寄ってきているのでしょう。なかなか大変な環境ですが、この環境もなんとか克服しようと思うくらいのものを体験している感じがするので、もう少し続けたいと思います。


トリートメント 5日目


トリートメントはいつも通りの内容で、特筆すべきことは特になし・・・


スタッフのお昼休みに、みんなで写真を撮り合いました。日本人同様、インド人も、写真を摂るのが大好きな民族なので、私が写真を見せていると、みんなも携帯のカメラを持ちより撮り合ったり、私のパソコンの写真さえも、携帯カメラで撮っていました。写真を撮り合っていると、一気にスタッフとの距離も縮まり、仲良しになれ、とても嬉しかったです。お昼休みは、スタッフのお茶の場所に「ゲスト」として仲間入りさせてもらい、インド風のお菓子をいただきながら、とってもあま~いブラックティーを飲みました。


「結婚は?」とインドではおなじみの質問。インドはほとんどが、お見合い婚で、いつ頃結婚するのか、何歳の年の差で結婚するのか(男性が女性の3歳以上は離れていないといけないそうです)、同じカーストから相手を選ぶこと、などいろいろ決まりがあります。「今年、結婚相手を探して結婚するのよ。今、両親が探してくれているの」このように、親が決めた見知らぬ相手と結婚し、結婚後に愛が始まる、というのがインド式結婚なのです。私の年齢で結婚していないとなると、みんな真剣に心配してくれて、こちらも返答に困ってしまいます。インドの田舎に行くと、インド式結婚の価値観でもって、こんな風にいつも同じパターンの会話が繰り広げられます。なので最近は「インドと日本は文化が違うんですよ。日本では、お見合い婚ではなく、恋愛結婚なんですよ。年齢の制限もなく、私の年でも結婚していない人はたくさんいますよ。とても自由なんですよ」と伝えると、心配そうだったオジさんも、急に納得したり「全部、恋愛婚なの?僕も日本に行きたい!」と若い男の子が言いだしたり・・・。


デリーなどの都会でしばらく働いていた、元キャリアウーマンの女友達や、アメリカに数年、留学していた知り合いなどは、結婚観について、かなり自由な考え方を持っていて、日本や欧米の人たちとあまり変わりありません。結婚したくないと言って、インドの伝統的な考え方を持つご両親を困らせているようですが・・・。


昨日のお昼休みは、カラリパヤットを3年やっているというスタッフの男の子がヨガのコースを2カ月受けたとのことで、私のヨガ講座に使っているアーサナ写真のアルバムを見ながら、アーサナ名を当てる遊びをしてました。「このアーサナ名は何でしょう?」「パスチモッタアーサナ!」「正解!」「じゃ、これは?」「う~ん・・・」「ハヌマーンアーサナだよ」偶然生まれた遊びですが、こんなふうにすればアーサナ名を遊びながら覚えられていい方法だなと思いました。生徒さんたちからよく、サンスクリット語のアーサナ名が覚えられないと聞くので。


私も度忘れした名前があって、「あれ・・これなんだったけ・・」と言っていたら、次の日、「昨日言っていたポーズは、セトゥバンダアーサナでしたよ」「あれ?調べてくれたんですか?」「本を見てきました」誠実で勉強熱心な方だな~と感心!また、カラリパヤットの練習でも、ヨガアーサナに似たポーズをするらしく、時々、これはカラリパヤットでもやりますよ、写真を指さし教えてくれました。  

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