貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第27回)

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『靴』

高校入学の準備のため、妹は母とふたりで靴を買いに行った。まいくばあは、娘のサイズより二センチくらい大きいのを買った。ガバガバだった。妹が「かあちゃん、大きすぎるよ、これ」と言えば母はこう答えた。「じきに足が大きいなる。ちょーどいい」
・・・歩けたもんじゃねえよ。
しかし恐るべし、その裏にはある作戦が隠されていた。妹が大事に手入れしながら三年間履いたその靴は卒業と同時に母に譲られたが、なんとまいくばあの幅広の足にぴったりのサイズだった。はじめからそれを見込んででかい靴を買ったのか。恐るべし。



『オープンすぎるぜ!(一)私的雀荘』

七才下の弟がいる。彼は生まれながらにしてのギャンブラーだ。なんせ小学生のころから観音様のお祭りになると大人の車座の中に入って花札をやっていたくらいの筋金入り。村のおじさんたちにも人気者だった。
長じて高校生になった。友達が多く毎日のように家に遊びにくる。
勉強?それはあり得ん。マージャンです。
ある夜実家に立ち寄ってみると、まいくばあがおにぎりを持って二階に上がっていくところだった。
「おっ、○○(弟)の夜食か?」
「そうなんじゃ、今ツレらとマージャンしとるからな」
まいくばあは高校生である末っ子のマージャン仲間に、にぎりめしの差し入れをしていた・・・雀荘か!
そんなやつなので弟の友達にも人気があった。
「おばさーん、これ」ある時弟の友達のM君が長い食パンをくれた。
「おっ、Mちゃんパンくれるんか」喜んだまいくばあがそのパンを見てみると、中をそっくりくりぬいて食ってしまった後の、殻だけの食パンだった。
「こら!おまえは!」パンをたたきつけた母の顔は笑っていた。
「ごめーん、おばさん」素直にあやまるM君でありました。

●まいくばあの「末っ子」
あれは友だちが多かった。えらい財産じゃよ。

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前沢 しんじ

人生を渡っていく最強最高の友が言葉です。人生に起きる色々なことを「どう考えるか」、「何を選んで生きていくか」が自分の人生を決めます。メルマガではそんな考え方のヒントをお届けしています。エッセイスト前沢しんじが、よりよく生きるヒントをあなたに・・・

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