曲がった左手の親指 完結

前話: 曲がった左手の親指 その4

後悔しない為に

自分の気持ちを誤魔化せない事に、ハッキリと気付いてからの、

会社を辞めて、新しいしい仕事(生き方)を目指そう、という方向

への行動は早かった。


11月の怪我から退職申し出の2月末までの、数ヶ月で次の仕事を

決めた。目指す先に必要な経験を積む為に、失敗する事を含めて、

避けてはいけない道として、その仕事を選んだ。無謀な選択。

それまでの30年以上のサラリーマン的な生き方からの方向転換は、

周囲から見て理解に苦しむ決断、として映った。

安定した収入を捨てて、どうなるか分からない生き方を選択する男。


フェイスブックでよく目にする、"自由な生き方を実践、幸せ実感"

みたいな若い世代から見れば、何と遅々とした行動なんだろう、

そう映るものかも知れない。

でも、家族を養う立場、息子の大学費用や住宅ローンもある中で、

安定を捨て未知の分野に挑戦する、自分勝手な生き方を選択する。

これは若い独身の方々には言い訳に聞こえるかも知れないけど、

この行動を選択する事は、家族や周囲の方々に対する"責任放棄"

を選択する事になりかねない。

同時に以前にも増して、今後に起こる事象に対して自分で全ての

責任を負う事の覚悟を持つ、という決断。

30年の重みを捨てる事は、そう簡単にはいかない。

だから今まで続けていた、そしてそれなりに安定していた


でも、今回は決断して行動した。

自分の人生を肯定して生きて行く事が、結果として家族も周囲も

幸せに出来る人間になる為には必要。

周囲に責任転換しない強さを身につける事、自分自身の価値向上が、

結果として大切な家族を守る事に繋がる。


準備は既にしていた

とはいえ、何の展望もなく動いた訳でない事は言っておく。

働きながら独学で勉強して、33歳の時に行政書士試験に合格し、

さらに社会保険労務士の勉強…結局合格せず今に至る…もした。

おかげで50歳でファイナンシャルプランナー(AFP)取得出来た。

一般の人よりは法律関係、社会保障関係、労働関係についての

知識は身につけていた。そして失敗もあったけど管理職経験で

労務管理についても勉強と実践経験もしてきた。

経済関係の知識も身につけた。まだまだ未熟であるが、、。

だから、今の仕事に就けた。未経験者であったけど。


子供が産まれる頃から、自分なりに将来への展望からリスクを

考え、これからの時代に重要になると思った分野を勉強してきた。

物流現場で働く事が、社会情勢の変化や怪我などで出来なくなる

リスクに対して、違う仕事が出来るようにしておく準備をしてた。

物流という物を扱う仕事しながら、心の中では、いつかは直接に

人と接する仕事を意識して、自分自身が商品になる仕事をいつか

する可能性を感じながら、カメのように遅々としたものであった

けども、紆余曲折あったけども、少しづつ進めていた。


だから今、こうしてストーリーを書いている自分がいる。

次のステップを目指すスタート位置につけたと思っている。


親指が教えてくれた事

左手の曲がった親指を見ながら思う事がある。

この親指が身代わりになってくれたのかも、、、。

あのまま居たら、心が曲がったいたかもしれない。

一旦曲がったら、戻すのは容易ではない。

健康を害した経験から、その困難さは身に染みている。

ましてや年齢を重ねた心身の治癒力が落ちて行く中では

そのリスクの大きさは計り知れない。

心の中は簡単には見えないから、気がついた時には既に

手遅れかも。曲がった事自体に気がつかないままかも。


けども、曲がった親指は自分も周りの人にも分かる。

そして、曲がった親指が気づかせてくれる。

今の自分は、目指してる方向に向かっているのか?

今の自分は、ブレていないか?

今の自分にこだわり過ぎていないか?

こだわり過ぎて、目の前の課題から逃げていないか?

軌道修正する勇気を持っているか?


好きな歌手leccaさんの歌に好きな歌詞があります


何が正解なんて分からない

どれか一つだけって事もない

自分の物差しで歩いて行こう


そして別の歌詞にある


ある朝 夢が色褪せたなら

いっそ手放す事も時には

必要な事かも知れないよ

しがみつくのは昔の夢じゃなくて

今 この先の道を乗り越えるための

ハンドル、、、


この曲がった親指が、私のハンドルかも。

このハンドルを離さないように生きよう。

そして私の車に乗った家族を、いつか、

素晴らしい景色の場所に連れて行こう。


 



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