【第22話】離れて暮らしていた父の介護のこと、死んだときのこと、そしてお金のこと。

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81歳の誕生日と「胃ろう」


先生が言った通り、父は数日で退院し、また同じ老健に入所することができた。

やっぱりカテーテルは嫌そうだったけど、父の尿の状態がすぐに分かる(排泄された尿はバッグに溜まるから目視できる)ので、家族の私達は安心した。

最初の頃は膿やらで濁って茶色だった尿が、日に日に色が薄く、濁りなくなってくる。なんとキレイな黄金色のオシッコよ。素晴らしきかな、オシッコ!!!!


容体が安定したことに一安心したが、父の身体機能が低下しているのは確かだ。

最近、咳き込むことがおおくなった。飲み物を口に入れたまま飲み込めず、ずっとリスのように頬を膨らましていることもあった。

それでも、食べ物はしっかり食べられたし、甘い飲み物だと積極的に飲もうという心意気(?)が見られていたので、まだ大丈夫だ、と私達は思っていた。思い込もうとしていた。


8月になり、父は歳をひとつ重ねて81歳になった。

この頃、父は食事を食べないことが増え、病院に診察してもらうことが増えた。

そしてその度に、嚥下能力の低下や、認知症で「食べる方法」を忘れてしまったのかもしれない、等々の話を聞き、施設の方や病院の先生から、それとなく選択を迫られることになる。

「胃ろう」をするかどうか。


胃ろうとは、ざっくり言うと、お腹に穴を開けて、直接栄養を胃に流し込む方法だ。

患者本人へのメリットやデメリットはググればたくさん出てくるので、そちらには言及しない。

ただ、胃ろうをしてもしなくても、今までより入所できる施設が物凄く少なくなるのだ。

胃ろうをすれば、受け入れ可能な特養は全体の半分程度、老健は基本NGが大半で、個室のみOKといった感覚値(実際に数えたわけでも全部に問い合わせしたわけでもないのでご注意を)。

しなければしないで、食べられなければ死んでしまうし、かといってヘルパーさんがつきっきりというわけにもいかない。つまりは病院へ管理入院することになる。それでも点滴でしか栄養を取れないから、その先は言わずもがな。

どちらを選んでも、父を苦しめるかもしれない、でも選択はしなければいけない。

私と姉は、何度も話し合い、迷い、そして決めた。


つづく

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ヨシザワ ハル

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