子連れでオーストラリアに留学してみた~歯の治療編~

前話: 子連れでオーストラリアに留学してみた~キャンティーン編~
次話: 子連れでオーストラリアに留学してみた~モズリム編~

「うちじゃぁ、無理だね」


と歯医者は言った。

それは渡豪後3,4か月たった夜10時ころ。

寝かしつけてから勉強しようと思って早く寝てくれないかな~と一緒にベッドでゴロゴロしていた。下の子が泣き始めた。ゆっくりと、めそめそと、そして徐々に鳴き声を大きくしていった。

上の子は眠くて寝てしまったようだ。

「どうした?眠れないの?」

と聞いてみた。

はじめは理由を言わなかった。

言ってはいけないと幼子ごころにも思っていたのだろう。

母子3人で知らないところでこんな風に暮らしている。

母は勉強まっしぐらで風呂にも入れず(自分でシャワーを浴びさせていた)、歯も磨かず(5歳くらいまでは磨きのこしがあるるので仕上げに磨いてあげてくださいね~と歯医者はいうが、)自分で磨かせていた。

なにか面倒な思い、心配な思いを母にさせてはいけない、と思ったかどうか、今では推測することしかできないが(本人に聞いてみれば覚えているかもしれない)。

何度かやり取りするうちに歯が痛い

ことが判明。「どれ、見せて」

たしかに、黒い。

黒い部分がきちんと見える。

渡豪まえに歯医者でチェックしてもらったんだけど。

歯医者は保険効かないから(保険によりけりですが)2年間歯医者だけは避けたかった。

が、そうはいっていられない事態らしい。

翌日近くの歯医者に予約をいれ何とか見てもらう。

で、冒頭のセリフに戻るのです。

「小児歯科を紹介しますから、そちらへ行ってください」

はあ、200ドル払って紹介状をもらいその日は終了。

後日、その小児歯科を探しあて行ってみた。

車で40分くらいのところにあった。

小児専門なので、雰囲気はとても良い。

受付のおばさんはアジア系でいろいろ話を聞いてくれた。

次に歯科助手?の人との面談。

そしてやっと先生による診察。

先生は中国系の女医さんだった。

若くてきれいで丁寧に説明をしてくれた。

その説明によると、

8本の虫歯あり

通院治療をすると何度も通うことになる

全身麻酔で手術すれば一度で終わる

治療費はどちらでもだいたい同じ

ということだった。

日本に戻って治療したところで通院だから1か月以上はかかるだろう。

治療費はタダでも飛行機代を考えたらどうだ?

いろいろ考えたけっっか

全身麻酔による手術

を選択。

予約は2か月待ち。これでも早いほう。運よく空いている日に入れてもらえた。

手術はこの場所ではやらない。別な場所。

さらに40分ほど遠いところ。他の子供は連れてきてはならない。

などいろいろ説明をうけた。


手術当日、手術後は物を食べられないので朝兼昼ごはんを食べさせ、

上の子をリンダ(インドネシア人の友達)に預け

手術場所へ向かう(これも地図とにらめっこしながら探し当てた。地図とマニュアル運転はつらい、、)。

いろいろな用紙を読まされサインをし、いざ手術。

「麻酔しま~す」

ということで、ベッドに寝かされた我が息子の手を握る。

「ママ、、、」

という言葉を最後にくたっとなって眠った。。。

大丈夫なのか?起きるんだろうね、終わったら。

不安を誰にも言えず、見送ってから何時間がたったのか。。

2時間はかかったと記憶している。雑誌とか読み物も

あまりなく、やることなく苦痛だったことだけは覚えている。

他の患者や付き添いのひともいたが、会話せず。

「北原さん、中へどうぞ~」(英語だからこういったかどうか覚えていない)

で、処置室へ(大部屋というか、広い場所)

うわ~ん、うわ~ん」

という鳴き声が響き渡っていた。

「すごく泣いていて泣き止まないのよ。どうにかしてくれる?」

みたいなことを言われたと記憶している。

「ROYくん、ROYくん、ママだよ、大丈夫だよ」

と何度いっても無理だった。

のたうち回って泣き続けた。

看護師さんがあいしーぽーる(がりが○君みたいなアイス)

をもってきて食べさせた。

手術後すぐにそんなもの食べさせていいのか?

虫歯になるぞ、治療したばっかりなのに?

てか、傷口大丈夫なのか?

冷却効果があるから食べさせるらしい。

一本食べ終わり、食べている間は泣かなかったがまた泣き始まった。。

本当は一本なんだろうが、しかたなく看護師さんがもう一本持ってきた。

おいしそうに食べるROY。

食べ終わるとまた泣き始まった。

先生がやってきて説明してくれて、抜いた歯2本をくれた。

レントゲンでみると大人の歯が埋まっていないところがあるから、

そこは子供の歯を大切に使うために銀歯にしたという。

とにかく8本の虫歯治療が終わった。

手術代は日本円にしたらおよそ50万円。

その後も何度かチェックに行ったりしたので、治療費は70万円くらいか。。

日本の保険で5万円ほど戻ってきたが、痛い出費となった。

オーストラリアにきたんだからエアーズロックには行ってみたい、

と思ってとっておいた貯金をなくなく使った。

でも振り返ると初めての体験をいろいろできた。

あの女医さん、すごいな~と思った。

ありがとう。

の続きがある。

帰国後歯の矯正をさせることになり、歯医者に通っている。

これこれこうで、「銀歯かぶさっているところは大人の歯がな、い、、、、」

というと、

「ありますよ」

という答え。

その後、銀歯かぶせてある歯が抜けた。

大人の歯があるから、自然に抜けた。

どういうこと?

銀歯かぶせた歯は大人まで使って、その後インプラントしたほうがいいですよ~

ってあの女医さん言ってたけど?

その時はなかったけど成長して出てきた?

謎は謎のまま。。










ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

続きのストーリーはこちら!

子連れでオーストラリアに留学してみた~モズリム編~

著者のKitahara Rieさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。