僕が精神科に入院するまでのほんとうのこと~入院顛末記~(6)

朝早くおきて誰も起きていなかった
しばらくしてコーヒーを入れにいく
順番が大事だ
妄想はこう告げた
朝から晩までの言葉の順番は大事だ
コーヒーを飲みしばらく静かにして
布団に戻った
誰から起きてくるのだろう
ゆっくりボ~ッと布団の中でまった
母が起きてきて朝の用意をして
父がしばらくして起きる
間のいいころにいま起きたように
ふたりのところに行く
朝食をとりしばらくまた
丸い模様が監視しているように感じる
父と母が何かをしているとき
突然大きな音が鼓膜に入ってくる
あまりの大音量に叫びそうになるが
父も母も無反応だ
おいらはその音をこらえて意識を失いそうになる
タバコに火をつけてタバコを吸う
おいらはまだ船が来るのかを気にしている
しばらくしておいらはまた眠ったのだろうか
記憶がないのである
気がついたときには布団に横になり
姉妹がいる状態だった
起きたときに姉妹と父がおり
おいらを見ている
おいらは何世紀も時がすぎたような感じになった
おいらの目の覚ます瞬間が何年かに一度あり
その瞬間だけ
姉妹に似た人物と父がいると感じた
おいらはまた意識を失った
眠っていたのであろうか
しばらくしてまた目を覚ます
また姉妹に似た人物と父がいる
おいらは母に心臓を暖めるために
ホッカイロをもらった
おいらはロボットなのだ
そしてハートがないのだ
ハートを暖めないといけない
そしてまた眠りについた
起きたときまた姉妹と父と母がいる
おいらは思わず泣いた
泣いた瞬間に壁に文字が浮かび上がってきた
幻覚なのだろう
亡くなった人たちの名前が
映画のエンドロールのように流れる
おいらは壁に手をやり泣いていた
地震のときに亡くなった
人の名前だったのだろうか
しばらくして入院しに向かったのだろうか
その瞬間は父が決めた
変な小さな音が鳴っていた
おいらはこの音がいけないと感じていた
変な小さな音だ
この世界には変な小さな音があるのだ
この音を解明しなくては・・・
入院の準備に私の自宅に向かった
おいらの自宅について
意識が戻ったときにはおいらは風呂に入っていた
よほど体がくさかったのだ
家族は入院の準備をしていると思っていたらしく
びっくりしていたが
入院の準備はなくなった
風呂から上がり
独りになった瞬間
ここが戦場でおいらは多くを殺したと思い
哀しい気持ちになった
おいらは何人の人を殺したのだろう
妄想はおいらを殺人者にした
おいらは苦しみのあまり怖くなった
恐怖で体が震えた
おいらは何人の人を殺めたのだろう
苦しみに耐えている
そして車に載りこんだのだろう
入院先に向かうがまた車の中で意識を失う
後ろの席に姉妹に挟まれて座って寝ている
ときおり意識を戻すが
おいらは戦場にまた借り出されると妄想する
スマホを渡されるが
それが指令するのだろう
そして命を落とすのだろう
また意識を失う
父は病院の場所がわからなく迷っていたようだ
意識を戻したときにはもう夜になっていた
池の上に秀吉の映像が見える
光が車の中に入ってくるという妄想が起きる
みんな迷っているのだ
車という空間には限界がある
入れる数は限られている
限られた空間なのだ
そのとき誰かが言う
限られた空間を無限のものにしたらええねん
限られてると思うから限られとんねん
病院に夜になって到着した
診察が始まった
おいらは入院を否定しなかった
しかし医療保護入院なのだ
閉鎖病棟に案内される
病棟の入り口で持ち物検査や探知機が使われる
何か飲みたくなったらお金が要るだろうと
1000円預かった
しばらく出かけてくるというから待っていた
両親も誰も待っていたけど戻ってこない
だんだんとわき腹が痛くなってくる
痛くて仕方なくなってくる
肋間神経痛が強烈に起きる
妄想が起きる
私の名前を誰かが読んでいる
戦わないといけないのか
また苦しくなる
わき腹の痛みが治まらない
意識を失って
気がついたとき
看護師に頭を踏みつけられて
後ろ手にされていた
なにをするんやといったきり
また意識を失い
気がついたときには隔離室で
ベッドに拘束されていた
誰も来ない
意識を戻したが誰も来ない
私は忘れられた存在なのか
誰も来ない
意識を戻しても誰も来ない
私の存在を忘れているのか
誰も来ない
私はまた意識を失う
ひとり放置されて忘れられている
すごく長い時間のように感じられた
しばらくして看護師が4人くらいくる
縛られている体に何かする
尿道に管を通される
管を通されたおいらは
それから尿意がまったくなくなる
縛られたからだをどうにかしようとする
妄想が始まる
日本がいかに優れているかを
なんか知らないが放送している
そしていま何かを始めないといけないという
妄想はおいらを追い立てる
何かを始めないといけない
からだは縛られている
何をはじめようにも何もできない
縛られているのを解こうとして
ちからまかせに引っ張る
ボタンが取れて片方外れる
しばらくその様子を放置していると
看護師があわてて縛りなおしに来る
妄想がパーッと膨らんだあとに
意識を失うというパターンが襲ってくる
隔離室で拘束されている自分の状況が
飲み込めないでいる
縛られたままどうしようもなくなり
大声で歌を唄いはじめる
唄っていると気分がよくなる
しばらくして看護師がきて
おいらも唄えるでと笑っている
なんとなく隔離室が飲み込めてきたころ
拘束している拘束帯をはずす
拘束帯はマジックテープで止めてあり
うまい具合にすると取れることがわかる
ボタンの留めているところは
ある意味フェークだ
ボタンの部分も強力に引っ張ると
取れるようになっている
拘束帯をはずしたころには
尿道の管ははずされていたから
それで室内にある便器に腰を下ろして
休憩しているところに看護師が来る
女性看護師ではずしたらアカンやんというから
外れるもんやねんやろうという
室内には大きなカメラがあり
それでみているはずなのである
そうして隔離室から開放される
その病院の隔離室は3畳ほどの空間で
トイレとベッドが配置されており
狭すぎるあまりに
おかしくなるだろうなぁと感じる
それを拘束されていると
確実におかしくなるだろうな 
模様が面白いからとか
そこで楽しむなんて事は
いきなり隔離室に放り込まれて
拘束して縛られる状況では不可能だろう
隔離室は鍵は外からかけられており
中からは開けることはできない
そして外は見えず
入り口のほうの窓も
狭いとおりだから景色なんてものはない
人が通るか通らないかぐらいだ
そして人が通ってもほとんどが素通りで
放置されて自分の部屋に来ることは少ない
狂わすだけ狂わすという感じだ
患者がどんな心理状態でそこでいようが
平気なのだろう
保護室もどきの個室へ移動となるが
そこからは何の動きもない
薬も一定のまま
患者同士のなんかがあり
落ち着いて着たら退院となるが
医者は退院を3ヶ月間延ばしたいのか
状態がましになっても退院を勧めないのが通例だ
ココでは父親を説得して
1ヶ月で退院することとなるが
半年後のゴスペルコンサートでまたしても
入院することになる
そしてまたしても薬を強引に
減らそうとしてのことであった

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