待つ貴女

夜勤明けで眠い目をこすりながら電車に乗り、座ると同時に堕ちる。


目が醒めると横浜。


実はこれ、狙ってやりました。瞬間移動です。


1.23〜24の2DAYSでパシフィコ横浜にて、今や映像文章音楽と様々な分野で大人気のアーティスト、星野源くんのライブが行われる。


チケット一般販売争奪戦の開始早々2分で敗れたわたしは、それならば冷やかしにと、「夜勤明けじゃけど会場だけでも見届けてやるワイナイナ!」と勇ましく、いざ、みなとみらい駅へ。


クイーンズスクエア横浜という暖房ガンガンの馬鹿デカいシャレオツな駅ビルから一歩外へ出た瞬間、ここに来たことをものすごーく後悔した。


外気に触れると同時に、全身の毛穴という毛穴が、あまりの寒さに驚き、萎縮した。


こ、これが、濱の風か。寒いぞ、いや、痛いぞ。


空は雲ひとつない快晴で太陽が燦々と眩しいのに、ちーーーっとも暖かくない。さすが「みなとみらい」というだけあって、最新鋭のLEDライトかなんかですか?


もう帰ろうかと一瞬思ったものの、交通費375円(往復750円 目的→来ただけ)を思うと、このまま引き返してしまうのはかなり惜しい。


改めて決意を固めて、濱の風を全身に受けながら、前のめりに進んだ。


2、3分でパシフィコ横浜に着いたものの誰もいないので、それならば会場を一周して眺めてみるかと裏手の海側に回ってみると、物販販売の待機列ができていた。


列に並ぶ女子、女子、時々男子。


ヒェー。マジっすか。


数十歩ほど歩けばそこは海ですよ。景観はなかなか良い。でも、それをも上回る風と気温の過酷な環境下のなかで、ただひたすら待つ貴女たち。


星野源くん(じゃないんだろうけど)、あまりにも厳しくむご過ぎやしませんかい。


友達同士で来たんであろう人は、互いに手を取り身を寄せ合っている。大きめのブランケットを頭から覆っている人もいれば、負けてなるかと勇ましく目を閉じて仁王立ちの男子もいたり。


その光景を見届けたわたしは、身を震わせて感動した(寒かった)。


みなさんに心の底からエールを贈ります。


がんばってくださーーーーーい!!


お目当のグッズが手に入るといいですねーーーーー!!


というわけで、星野源くんの“何かしら”が飛び散っているであろうパシフィコ横浜を見届けたわたしは、眠気も完全に覚めたので、銭湯へ行きやす。


All You Need Is Bath

ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

著者のみよし けんたろうさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。