理想のパートナーはしんどいパートナー

 「理想のパートナー」と、みんなよく言いますが、この言葉、変だと思ったことはありませんか? 洋服を探すように、カタログで自分の理想に近い人を見つけようということなのでしょうか。「理想」というのは、自分が思い描くものですよね。例えば、理想のお付き合いは、週末映画に行って、夜景のきれいなレストランで食事をして・・・? それは、あなたが求める幸せですか? もし、出会った相手が理想の相手でなかったら、相手を変えるか、その人を教育して変えるか・・・ これ、しんどくありませんか? あなたにとっても相手にとっても。
 
 もし、あなたが相手に何も求めなければ、相手もあなたに、何も求めないでしょう。何も求めない者同士がパートナーになったら、楽でしょうね。何も求めないから、あなたも相手も、ありのままでいて、「へぇ、この人、こんなやさしいところがあったんだ!」「あら、こんな可愛いところも・・・」、そんなすてきな発見が何年経っても、あるでしょう。
 
 何も決めない。これも楽です。結婚して家庭を築くには、もちろんある程度の計画がいるでしょうが、もし、それが叶わなかったとしても、予想していたのとはぜんぜん違った、すてきな人生が待っているかも知れません。
 
 私たちが不必要なモノにしがみついていなければ、未来は、私たちの小さな頭が思い描くより、ずっとずっと素晴らしいものになります。
 
 私は重度の心の病にかかり、多くを失いました。でも、それをはるかに超える、宝物をたくさんもらいました。心から愛情を注ぎ合うことの出来る友人たちとの出会いです。失ったものを、「コレいるか?」と目の前に出されたら、今の私は、「いらない」と言うでしょう。
 
 理想を手放すことは、こだわりを手放すこと。偏見を手放すこと。欲望を手放すこと。本当は欲しくもないのに欲しいと思っているものを、手放すことです。あなたが本当に求めているものは、あなた自身より、あなたの運命、あなたの毎日の一歩一歩を導いてくれている、目に見えない力、それを「神さま」と呼ぶ人もいるかも知れませんが、そんな存在の方がよく知っているようです。

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