30年以上続く初恋の話です。vol.3

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運良く同じ高校進学(昭和61年)


ボクが受験した高校の定員は、確か450人。

受験したのは451人。

1人だけ落ちます。

運が悪いことなく、ボクもイオンさんも無事合格。

あと3年は同じ学校に通うことが決まりました。

祈りは通じず、イオンさんと同じクラスにはなれず。

小5のクラス替え以来、これで6年連続の違うクラス=会話なしが決まりました。


小3以来、変わらずイオンさんのことが好きでした。

イオンさんの恋の噂を聞くことはありませんでした。

ただ、そろそろ、状況的に、これは叶わない恋だということも感じつつはありました。

ただただ、修学旅行のときの、階段の踊り場ではにかむイオンさんの写真を見るだけだったと思います。


高1が終わった春休み。

東京の大学に進学すると決めていたボクは、勉強に専念するためのキッカケが欲しくて、いろいろ考えていました。

イオンさんにフラれることをきっかけにしようと決めました。

フラれることを前提に、ラブレターを書きました。

文面は今でも覚えています。

たった一言だけ、紙の真ん中に「ずっと好きでした」

もう1つ伝えたいことがあったので、一番下に「修学旅行の時は写真撮らせてくれてありがとう」と加えて。


たしか、1週間もたたないうちに、可愛らしい手紙が届きました。

返事は一言ではなく、まあまあの文だったと思います。

ちゃんと覚えていませんが、要約すると「友達でいようね」という内容だったと思います。

友達ですらありませんでしたが…


より勉強に専念するため、イオンさんからもらった手紙と、階段ではにかむイオンさんの写真を、気分転換のランニングの途中に、橋の上から投げました。

想い出は残しておいたほうがいいと後悔しています。


フラれてすぐの高2のクラス替え。

久しぶりに祈ることはなかったのですが、イオンさんと7年ぶりに同じクラスに…

ただ、フラれた事実は変わらないので、高2からは、ほどよく勉強を頑張れました。


高校の時も、同級生と「好きな子」の話をすることがありましたが、たぶん、この失恋話は、話したことがないと思います。

その頃は「ハチヤさんが好き」と言うようにしてました。そんなに好きではなかったけど…


高3の夏。

ボクは、指定校推薦で東京の大学に合格。

早々と受験が終わったので、高3の残りの時間は、まあまあ楽しく過ごしました。


文化祭は、暇してるボクに「クラスの出し物を仕切る」という大役が自然にまわってきました。

みんなの投票で、なぜか?「ピーターパンの劇」に決まったので、脚本と演出をやらせててもらいました。

受験中の悪友に協力してもらって台本を書き、キャスティングをしました。

高3も一緒のクラスになったイオンさんは、悪友が演じたピーターパンの奥さん役のウェンディにキャスティングしました。

なぜそうしたのかは、全く覚えていません…


イオンさんの進学先は、おそらく「もう終わったこと」とあまり気にしていなかったと思います。

なんとなく予想していた通り、地元の「小学校の先生になるための国立大学」になりました。

そのことを聞いても、なんとも思いませんでした。


高校の卒業式のことも全く覚えていません。


ただ、これで、イオンさんと同じ学校に通った12年間が終了しました。




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