毒母に育てられて

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物心ついた頃には既に父親は居なかった。

おじいちゃんと母親と3人暮らし。

それが普通の日常だった。

小学1年生の終わり頃に再婚する日までは…

結婚する少し前から母親と電車とバスに乗り、知らない男の人のアパートへ通うようになった。

それが何か分からないけれど、とても嫌な感じがした。

ある日突然、母「この人がパパになるよ!」

男「パパになっても良いかな?宜しく!」って軽いノリで言ってきた。

私には何が何だか、さっぱり分からず、ただ困惑した。

そして、小学1年生の終わりに再婚。

再婚なのに白いウェディングドレスを着た母と仕立てたピンクのドレスを着せられて結婚式場に私は押し込められて居た。

余興で、おどるポンポコリンを相手側の上司の息子と娘と3人で歌わせられる事になって居たけれど、初対面だし、何この状況…って感じで、何だか凄くイライラして歌えなかった。

私が歌わなかったせいで、上司の息子が、ヤケになり声を荒げて「ピーヒャラピーヒャラ」って歌ってる側で、真っ赤になって俯く私…

司会の男の人が「おや?緊張しちゃったのかなぁ?アハハ…」って調子で囃し立てる、そして、もう一度、イントロから始まったけど、とてもじゃないけれど私にはムリ!絶対にムリ!何が無理って結婚自体、悲しいから、笑えないから、どうすれば良いのか全く分からなかった。

食事には手をつけられず、唯一の私の味方でいてくれてる、祖父と祖母の妹、その娘に挟まれて、なだめられていた。

その3人が唯一、この結婚に最後まで反対して私を守ろうとしてくれていたのだから…

祖父は、感動とは違う涙を流していた。

悲しかった、とても。

その側で母親は、男の演奏で気持ち良さげに「今すぐKiss me」を熱唱していた。

行き所のない気持ちを初めて知った小学1年の終わりだった。



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