めんへらおとこ その9

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家の選択では失敗したが、通勤環境は素晴らしかった。 

自宅からます最寄りのバス停まで緑の多い住宅地を歩いて5分。そこからニュートラル・ベイというフェリー乗り場まで5分ほど。そこから公設のステート・フェリーに乗船して、オペラハウスを眼前に見ながらサーキュラ・キーまで10分ほどの船旅である。 
サーキュラ・キーはステート・フェリー乗り場だけでなく世界各国から来る国際船舶のターミナルも併せ持つ埠頭である。豪華客船「クイーン・エリザベス」が数日間サーキュラー・キーに停泊していたことがあったが、まるで海に浮かぶ10階建てのマンションのような威容であった。日本の豪華客船「飛鳥」が停泊したときは閲覧式に参加して内部を見せてもらったが、印象としては船というよりは娯楽施設の完備したリゾート・マンションといった感じであった。 
サーキュラー・キーはオペラハウスやロックスといった国際的な観光名所にも近いため、週末は地元の人のみならず世界中から集まる観光客で大変混雑する。埠頭の至る所で大道芸人や音楽家の卵たちが芸を演じたり、音楽を奏でている。アジア系の貧乏音楽家風情が多く、大抵は眉唾ものと思われたが、時々思わず聞き惚れてしまうような弦の名手も混じっていた。そのような名手には必ず大勢の人だかりが出来て、皆黙って曲を聴いているのだった。そして曲が弾き終わると、音楽家の前に置いてある空の楽器入れに小銭を投げ入れて散っていくのであった。 
余談であるが、国際オリンピック委員会が2002年のオリンピック開催の地をシドニーに決定した瞬間(たしか朝4時位だったと記憶しているが)、シドニーっ子が大喜びし、お祭り騒ぎになったのもここサーキュラー・キーである。 私は眠くて行かなかったが、日本人の同僚は、このお祭り騒ぎの渦中に身を置いた。                              
さて通勤の話に戻す。サーキュラ・キーからは歩いて10分ほどで事務所の入居しているビルに着く。トーキョーで生活しているときは、「オペラハウスを目の前に見ながら、毎日フェリー通勤」なんて生活は想像もできなかった。 
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Tadao Kawashima

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