毒母に育てられて6

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ある日、みんな去った。私の人生第2章の始まりが、その少し先にあった。

中学生の時、家庭脱退した。

再婚相手の男が出て行き三カ月程経っていた。

母親が、その間はバイト情報誌などを見たり家にゴロゴロして居る時が増えて心なしか嬉しかった。

それまでの人生の中で1番、ゆったりできた束の間の時間だったのかもしれない。

ファッション雑誌を一緒に見たり.少しばかり、その時間には幸せを感じていたけれど、突然、母親と弟、妹が家を出て行った。

男はアパートをかりて一人暮らしを始めており、そこへ皆んな引っ越して行った。

私だけが残り、おじいちゃんと2人暮らしになった。

中3の春休みから蕎麦屋で手伝いをさせて貰い夜ご飯は賄いを食べて生き延びた。

私は飲食店で働き生き延びるって知恵を、そこで覚えた。

それから、仕事は途絶えた事がなく、当時は堪える力も弱くて転々としていたが、それでも繋いでいた。

蕎麦屋で暫くの間、働かせて貰った後に、工場の中の仕分け作業、冷凍庫の中で作業、パン屋のオープニングスタッフとして働き、化粧品の部品の検品作業、サッカーの試合のビールの売り子、居酒屋、家電量販店でチラシ配り…様々な職を体験した。

その時期、芸能界に憧れてモデル事務所に所属していてエキストラしたり、バラエティ番組に出たり、雑誌に載ったり、ホリプロスカウトキャラバンに出たり、何かと活動はしていたけれど、これと言って何かが自分にある訳でもない不安定な状態だった。

その頃、悪そうな人が周りに近付いて来たり、良くない環境に身を置きそうな危うい状態だった。

自分が汚らわしい存在であると思い発狂した。

どんどん堕ちていく気がした。

もう何もない…

その時、私は高校一年生になっていた。

そんな時に運命の出会いがあった。

正直、夢への道は果てしなく遠くに見えて現実は汚い事ばかりだった。

夢を見た矢先に落とし穴が仕掛けられていて転落しかけた事もあった。

怖い世界だなぁと思ったし、難しい世界であると感じた。

私は一体、何をしたいんだろう?

目的は何だったっけ?

そんなフワフワした感覚で足元が歪んで上手く立っていられない。

あの日、あなたに出会わなかったら、どんな自分になっていたんだろう?

私は、拾われた雨ざらしの中の捨て猫のようだった。

噛みつき、引っ掻いて、大分あなたを傷つけてしまったかもしれない。

優しい人に拾われて懐に入るも束の間、幸せの中の恐怖が襲って来た。

受け入れられない…

どうしても拒否反応が出てしまう。

蕁麻疹が出た。

トラウマのせいなのか…

素直に感情表現も出来なくて、もどかしかった。

好きだと思うと嫌いだ!って突っぱねる。

寂しいと怒る。

あまのじゃくになって行ったしワガママになって余計に生きづらくなった様な気がして、何だか辛い気持ちになって泣いた。

その頃、愛情に初めて触れた時で情緒不安定になって居た。

疑う気持ちが強すぎて信じる事が出来なかった。

やはり、母親を見て育ったから悪影響が出たのだと思う…

毎日のようにケンカしたり、怒鳴り声、泣き叫ぶ声、不倫相手との修羅場に立ち会わされた事もあったし、ストーカーに狙われて居た時に遭遇してしまったり…

夜中に車が家の前に停まっているのを見た時は震えた。

盗聴もされていたんじゃないのかと思う…その頃、無言電話がかかって来ていて、ナンバーディスプレイの電話機に買い換えて録音機能のついたものにしていた。

私には幸せな恋愛だとか、幸せな家庭なんて夢物語だなぁと感じていたし、幸せになる事が悪みたいな感覚もあり、中々、そういうものを受け入れられないでいた。

自分を大切に出来ないと人を大切になんて出来ないと思った。

茨の道を蛇に絡まれながらも歩いていたから、鋭い目つきで敵視をするしか出来ず近づくものを傷つけた。

あの頃の私は鎧を着て、盾を持ち劔を振りかざしながら歩いていたようだ。








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