忘れられたタイムカプセル

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無くした物が数年経って見つかる事有りませんか?実家に帰った時、親父に「要らない物を片付けろ!」と言われた村上豊彦。心身を癒す目的で帰ってきたので、ふて腐れながら部屋の物置を漁り要らない物を仕分け、整理していました。埃まみれのUFOキャッチャーで取ったぬいぐるみや友人と悪のりして買った変な骸骨のキーホルダーとか懐かしい物が沢山出てきました。


子供の頃に偶にしか食べられなかったクッキーセットの缶を見つけました。見つけた当初は「なんだっけ、この缶?」と思い出せませんでした。ですが、フタを頑丈にガムテープで固定されている缶を見て僕は思い出した。


小学4、5年生位だと思う。きっかけは僕等仲良しグループの一人が引っ越すという事から始まった。僕だったと思うけど「タイムカプセルを作ろうよ!」と企画した。大人になれば遠くへ引っ越しても難なく集合できると思っていた当時の僕等はタイムカプセルを大人になったら皆揃って開けようと約束をした。僕はその時にそのクッキーセットの丸い缶を持ってきて各々中に入れてガムテープで封印した。


皆で埋めれば良かったのだけど理由は忘れてしまったが話の流れで僕が責任を持って埋める事になった。けれども悪天候が続き、天気が良くなると他の遊びに夢中で埋める事をすっかり忘れてしまい、いつの間に僕の物置の隅に置かれていた。蓋の凹みは僕が自転車のかごから落とした凹みを思い出させてくれます。


残念ながらもう小学時代の仲良しグループは殆ど連絡を取っていない。というか小学生の時に仲良かった友達の連絡先や住所(うる覚え)すら分からない。僕はこのタイムカプセルをどうするか迷った。高校まで連絡を取っていた小学時代の友人(タイムカプセルとは関係無し)の連絡先が存在していたのでダメ元で電話を掛けてみた。するとその友人の父親が電話に出てビックリしましたが、なんとか本人に繋がりタイムカプセル関係の友人の名前を上げて誰か知らないか聞いてみますが「ごめん、分からないけど。○○は近所のスーパーでバイトしていたよ」と聞きだし翌日バイト先まで行ってみたら偶然にも再開を果たす。


向こうはバイト中なので邪魔しないように連絡先を聞き出し、後日予定を経てて「タイムカプセルを開けてみよう」と話になった。当日、結局僕とその友人の二人だけでタイムカプセルを開ける事になった。これが本当に酷い封印の仕方でした。ガムテープで周りを封だけでなくフタに接着剤をつけている為に、大人二人の力でも全く開きません。仕方ないので缶切りで底をくり抜きます。


するとゴチャゴチャと色んな物が出てきます。エヴァンゲリオンの人形やキラカードとか謎の絵とか当時好きだった女子の名前を書いた紙とか沢山入っていました。僕と友人は「懐かしい!!」と感動しながら振り返り話します。

僕は「○○のエヴァじゃないこれ?」友人「○○かぁ~・・・アイツ、高校中退して、すっかり姿とか変わってたな~。声かけられなかった」とか、僕が「引っ越した○○、中2位から年賀はがき届かなくなって、そのまま音信不通になったよな・・・」と楽しかった思い出と共に離れてしまった最後の思い出も語りました。


タイムカプセルの中に大事に置かれていた封筒を手にした。友人は知らないが僕はこれが何かを知っている。仲良しグループ5人がカメラに向かってピースしている写真です。そこには確かに5人は仲良く友達だった過去が存在していた。友人も「この時、楽しかったよな~」と振り返り僕も頷く。そして写真の裏を見ると見覚えが無い汚い字で『ずっとともだち』と緑の細マジックで記載されていた。僕は「みんながここに居たら良かったね」と呟くが友人は「しょうがないよ。多分僕等と同じで、このタイムカプセルと同じ。お互いにあの時の事、存在すら忘れてしまっていると思うから」僕は「接着剤なんて使うからダメだったのかもね。絶対に開けない感じだったもんね」と冗談を言って友人と別れました。


その後、村上豊彦は新しい箱にタイムカプセルを移して再度物置へしまいました。今度はみんな揃って開けるかもしれない。今度は接着剤で封をしないで、また開ける為に・・

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村上 豊彦

村上豊彦(むらかみとよひこ)です。猫好きとして周りに知れ渡っているただの学生です。

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村上 豊彦

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