酒もたばこもギャンブルも興味がない、40歳を過ぎたおっさんが生まれてはじめてキャバクラに行った時の話

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はじめに


僕は当時、あの事件が起きる日の40歳までは酒も飲まず、タバコも吸わず、ギャンブルも興味がなかった普通のおっさんでした。そんな僕がキャバクラに行った時の話をしてみます。


きっかけ


あの日、冬のススキノは透き通るような空気の良さで、街のネオンがキラキラしていました。僕はとあるソフトウェアに関する懇親会で久しぶりに大勢の人と交流をしながら食事をしていたのです。



<すすきの交差点>


久しぶりに大勢の人、と書いたのは理由があります。
昔は酔っぱらって仲間とワイワイするのが好きだったのに、30歳になった頃に大病で酒やタバコを辞めて気が付けば遠のいていた事情がありました。いや、避けていました。


今回は僕的にとても興味のある集まりだったのと、地元で少ない友人を作りたかった事への期待もあったのかもしれません。


集まると、ほとんどが知り合いだったようでした。私は隅っこで話を聞く程度です、たまに気を遣って振っていただく会話に時々答える程度であっという間に時間が過ぎました。


そして二次会に続き、そこでも会話は続きます。僕は目的のない集まりと会話は苦手です。目的があるとペラペラ喋るんですが、困ったもんです。酔っぱらえればいいのですが、そのアルコールは一滴も入っていません。そして魔の、あの時間が近づいてきました。

そして三次会へ


男性(A)
「よし、次いこう、次!」
女性(A)
「またオトコのあれ?」
男性(A)
そう、行ってくるよウヒヒヒ


そんな会話が聞こえてきたので、女性は居ない方が気軽に溶け込めるかと思い切って


「いきます!」


と返事したのです。


(・・・でもどこに行くのだろう)


当時も今も、私にはまともに付き合っている女性はいません。まぁ、流れに任せようと思っていた中で連れていかれた場所、そこは。


キャバクラ


でした。


後から友人から聞かされて知ったのですが、札幌のキャバクラというのは若干サービスが本州と違うようで過激な部分があるそうです。具体的にはわからないのですが。


店内へ


この時点で逃げ出したくなるのを我慢していました。


母親が幼少期に飲み屋(スナック)で働いていたのと、そこに群がる男の汚い部分を散々見てきたからです。しかし来ちゃったものはしょうがない。(詳細は別のストーリーにて)


場所はすすきのの外れ、小さな雑居ビルの中にありました。

オトコ5人が乗ると窮屈なエレベーターに乗り、エレベーターを出るとすぐに店内でした。

オトコ組リーダーを先頭に店内へ入っていくと、薄暗い店内、思ったより静かなBGMの流れる場所へと入ります。椅子が2個+テーブルになっていて、それらが複数薄いカーテンで区切られて座るようになっていました。


オンナ
「こんばんは、いらっしゃいませ。隣いいですか?」

さっそ女の子が半径10センチを切って近づいてくる。

近い、近いよあんた。

(うわー、なんか面倒臭そうな派手なのが来たよ)

と心の中でつぶやきながら、おしぼりを受け取り飲み物を聞かれます。
メニューはありません。ないのにどうしろっていうんだ!?


「アルコールが入ってなければなんでもいいんだけど」

と答えると、それじゃウーロン茶を。となにかイソイソと進めてる。



オンナ
「私も飲み物いいかな」



と聞かれたので、(勝手に飲めばいいのに)と心の中でまたつぶやくが、彼女はなにか飲み物を注文したようだ。すべて座ったままで、黒い服を着た店員が聞きに来る。本当に黒服だ。



そう、女性の飲む飲み物は男性の負担だと知らなかった



改めて乾杯と、グラスを充てるので周囲を見渡すと、全部で5人で来たのだが全員が視線をキャバクラ嬢一直線で回りを見ている雰囲気はない。なんだこれは!?!?!?




見ず知らずの女といきなり見つめ合って会話する理由が自分には見当たらない。



めんどくさそうな雰囲気を察しているのか、いきなり聞いてきた。



オンナ
「あの、お仕事ってなんですか?」



この時はすでに探偵業に片足入ってたので




「探偵」




と答えるといきなりこのオンナは



オンナ
「えー!すっごー!私もなりたかったんだー!」



と後はマシンガントークで聞いてくる。

探偵になりたかったのか。そーか、そーか。でもコナン君みたいに殺人はねーぞ?




「どんな調査が多いんですか」「相手に見つからないんですか」


「女性の依頼が多いんですか」「でも高いんですよね」


「何人ぐらいでやってるんですか」「どんな車でやるんですか」


「事務所はどこなんですか」




よく聞いていると、話の節々にスペックを聞き出す会話が混ざっている。ふかしても面倒なので、「一人」「儲かってない」「超貧乏」「暇、仕事ない」「浮気調査ばっかり」とか適当に答えた。我ながらタチが悪い。


オンナもプロだ。喋らなければきっと自尊心にかかわるのだろう。

必死に食いついてくるが、残念ながらこっちはオンナになんの興味もない。




ここでファイナルウェポンが放り込まれてきた。




オンナ
「私、実は18歳なんですよー」





・・・だからどうした?



なぜこのオンナはわざわざ自分の年齢をアピールするんだろうか。18歳、それはこの間まで女子高校生だったと言いたいのだろうか。若けりゃいいってもんじゃない。私は少なくとも30歳超えた社会経験も積んだワンクッションおいた会話のできる色気のある大人の女性が好みだ(募集中)



「という事は酒飲めないんでしょ?」
オンナ
「うん、でも時々店でも飲んでるんだー」
「だめじゃん(笑)」


と、適当に相槌を打つが、不法行為を堂々と「テヘッ」という感じで言ってる雰囲気にもイラつきを覚える。ちなみにここで30分ぐらいしか経過していないと思う。



部屋が急に暗くなった。なんだ?停電か?防災訓練か?怖いぞ!?!?

おおよそ検討はついたが、その子が耳元でささやいてきた



オンナ
「サービスの時間なんですよ。上にまたがっていいですか?」
あぁ、はい。

さすがに見知らぬ、しかも18歳のオンナを膝の上に乗せるには抵抗があるが、ここで断っては男がすたる。仕方がない、耐えよう。





上にオンナがまたがって乗ってくる






・・・重い、なんで全体重かけてくんの!?



・・・全然楽しくないんだけど~!

興味のない女性を膝の上に乗せるこの苦痛、いやほんと楽しくない。これは何をする時間?

体重を支えるのにふとももに全力で力を入れて、急に流れ出した80年代のビートの効いた音楽をひたすら無心で聞きながら耐える。太鼓の達人のバチを叩くように頭の中ではドラムの音が正確に刻まれる。





オンナ
「触ってもいいんですよ?」





と言ってくるが、たしかに若い女性の身体に興味がないといえば嘘になる。しかし、酒も飲んでおらずシラフで我を忘れて


うひょひょひょひょ、うひょ


と触りまくるほど弾ける歳でもない。俺は無理だ。
みんなもそうだろ?(→主にエンジニア勢)な?


と、周囲を見ると「やだ、うふふ」みたいな声が漏れる中、触りまくってる。
ちょっとアンタら!オタク勢ちゃうの?Loveはソースコードとか萌えじゃないの!?




くっそ、くっそ、俺は何をしてるんだ。




と、一人メリーゴーランドしているうちに時間が過ぎた。

内心ホっとした。と同時に膝の生暖かい感触がすっと引いて軽くなる。寝転がっていたら猫が上に載って寝ていて急にどこかに行った後みたいだ。





オンナ
「もう少しここに居ていいですか?」






と聞かれたので、




「いいんじゃない」




と答えると、ありがとうございます。と言って二杯目を注文する。

私も聞かれたので二杯目を頼んだ。


後から知ったが、「ここに居ていいか」というのは追加料金の事らしい。



こわい、怖いよキャバクラ





少し冷静に考えてみる。この店のどこが楽しいのか。




酒?女?




いや、意味がわからない。

何度も会う訳でもないし、お互いに理解しあうための会話があるとも思えない。


生産的な会話があるわけでもないし、口説いて付き合えるとも思えない。性行為に至るまでに相当の散財する事を考えると割が合わないし、この流れならTPPによる北見のビート農家のダメージと別事業について語り合うか、もしくはGitの成長やオープンソースとライセンスについて語り合う方が俺はよほど楽だ。(相手が苦痛かどうかは知らない)どんなにくだけた話題でもVRが魅せるエロの未来について語り合うぐらいだ。早く帰ってDMMを閲覧したい。



・・・ここは俺の居場所じゃなかった。自分の心の闇に気が付いて目をつぶる。



首を傾け、天井を仰ぐ。



オンナ
どうしたんですか?



いや、なにもない。君たちにはまったく関係のない僕の問題だ。


そうか、


そう、ここには何もない、が正解なんだ。




うーん。真面目に考えるだけ無駄だという事に気が付いた。

自分が来る場所ではない、という事だけだ。



そして時間がやってきた。ゲームオーバー。

ゲームに例えるならクソゲーだ。ッチ




キャバクラ、恐ろしい。

18歳が酒を飲み、オンナが上にのっかてきて、興味のない話題をしなければいけない苦痛。俺には無理だ、これは合う人と合わない人がいると思った。たぶん20代の頃なら行けたと思う。





最後に





お会計2万円超えてました。たっか!(笑)








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Izumi Shinichi

色々経緯があり、今は探偵業をやっています。 元はエンジニアでWebサービス開発です。 ブログ https://blog.sapporo-tantei.net/

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