専業主婦を夢見た事務職OLが、夫婦で起業した話 その3

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転職に成功して、やっと憧れのウエディングの仕事を始めて


10ヶ月ほど経った頃のことです。




朝起きたら、体が動かない。


会社に行かなきゃいけないのに、体が動かない。




「会社に行きたくない…」






突然、会社に行けなくなってしまいました。






私は今まで、誰にも弱みを見せられない人間でした。




愚痴や悩みを言ったところで、相手は迷惑じゃないか。


ネガティブなことを言ったら、嫌われるんじゃないか。




家族にも、彼氏にも、友達にも、同僚にも、


ネガティブな自分を一切見せず、


嫌なことがあっても自分で全部溜め込んできました。




甘えちゃいけない。弱みを見せちゃいけない。


頑張らなきゃ。もっと、頑張らなきゃ。


そう思っていました。






仕事は忙しく、帰りは終電近くに。体力的な疲れももちろんあります。


明らかに許容を越えた仕事量と、お客様からのクレーム。


大好きだった上司の突然の異動と、当時の彼氏からの突然の別れ話。




それぞれは、大したことなかったかもしれない。


でも、ストレスを解消するのがヘタで我慢で自分を保っていた私に


ひとつずつが音を立てずに積み重なって、


気づいたときには心が壊れていました。








のちに適応障害と診断された私は、


数ヶ月間の休職後、退職を余儀なくされました。




当時の心境をうまく説明ができないんだけど、


仕事のことを考えるとひどく落ち込んで、


お客様の前に立つのが怖くなってしまったんです。






ほんとに辛かった。


自分に自信をなくして、楽しい未来なんて想像できなかったです。




みんなは頑張ってるのに、なんで私は頑張れないんだろう…


自分の意地のなさはただのワガママなんじゃないかと、自分を責めました。




何より、やりがいのある仕事をしたいと前向きな気持ちで働いていて、


自分がやりたいと思った仕事ができていたはずなのに、


それですら続けられずこんな形で辞めることになって、ショックでした。




「夢を持って仕事するなんて、実際はムリなんだ。


好きなことを仕事にできたら、そりゃあいいだろうけど、仕事は仕事。


好きなことを仕事にしてお金をもらうなんて、フツーの人にはできないんだ。」




夢はあくまでも、夢なんだ。


もう、仕事に期待するのはやめようと思いました。






「やりたいと思ってることすら続けられないくらいしんどいなら、


もう働きたくない。これ以上辛い思いはしたくない。」




本気で思いました。




痛みを避けて楽がしたい。


ただそれだけの後ろ向きな理由で、専業主婦を夢見るようになりました。




つづく

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