キミは「レオナルドダヴィンチ」ではない!

キミは「レオナルド・ダヴィンチ」ではない!

  何かを得るためには、何かを捨てなければいけないことがあります。これから手にいれようとするものが自分にとって価値があるものなら、失うものへの名残惜しさも小さいはず。              (スティーブ・ジョブズ)
         
 私がここで何かを書いても、ほとんどの人は
「けっ!田舎の塾講師ごときが何をほざく」
 という反応をする。だから、私はしばしば有名人の言葉を引用する。日本人は、有名人の言葉に弱い。
 上記のスティーブ・ジョブズの言葉も同じ理由で引用させてもらった。もう少し、有名人の例を利用させてもらいたい。中学生や高校生でオリンピックに出る子も多いが、彼ら、彼女らの日常生活はどうなっているのだろう。
 スケートの選手なら、毎日の生活は食べるものから練習までほとんど全てがスケート中心に組み立てられているはずだ。スケートの練習のために、多くの中学生や高校生が行っている受験勉強やクラブ活動は生活の中心ではない。
 本人はそう思っていないかもしれないが、スケートのオリンピック選手になるために勉強やクラブや、時には恋愛も好きな食べ物も諦めなければならない。捨てなければならない。
「スケート」の画像検索結果
 ところが、学校の教師は「クラブと勉強の両立」という、きわめて面白いスローガンを掲げる。一流のアスリートや、一流の漫画家、一流の音楽家、一流の学者をめざす子なら、あまり掲げない目標を押し付ける。
 なぜなんだ?
 ここ三重県では、校内の学力順位を本人に教えない。競争をあおるからと説明をされる。しかし、言うまでもなくオリンピックも、受験も競争だ。相対評価だ。どんなに頑張っても、自分以上の得点をとる人がいたら、負ける。
 学力順位を否定し、偏差値を否定し、業者テストを否定するから、受験者数が激減し、三重県で唯一だった受験者の多い業者テスト「三進連」が昨年(2016年)倒産してしまった。生活がかかっていただろうに、教師のせいだ。
 教師は、視野が狭い。大学から学校に赴任する人が多いので、学校以外の世界を知らない。だから、社会では「何かを得るために、何かを捨てる」ことが常識なのに、何もかも必要だと教える。バランスが大切だと教える。クラブと勉強の両立が必要だと教える。
 そうだろうか。
 競争心をあおると、敗者が可愛そうだ。順位をつけると可愛そうだ。助け合いが大切だ。そう主張する。そんな社会が、世界のどこにあるのだろう。歴史上、そんな社会が存在したのか。
 
 私の塾生の子たちは賢いので、そんな教師の妄想にはつきあわない。きちんと自分の学力順位を調べ、過去問の正解率を調べて受験に備える。そうしないと、落ちてしまう。親に経済的な負担をかけてしまう。
 今年も、保護者から
「うちの子はA校を受けても大丈夫ですよね?」
 といった相談を受けた。教師は、責任を回避するためにも
「A校で大丈夫です」
 とは、絶対に言わない。そこで、塾講師にお鉢が回ってくる。無謀な受験を勧めたら、落ちるのは生徒なのだ。泣かせるわけにはいかない。
 しかし、
「あなたの学力ではA校は無理です」
 と諦めさせるとのは至難の技なのだ。例年、A校は学年で2人前後しか合格していない場合、順位が分かっていると
「10番では、過去に合格した子がいない」
 と言える。しかし、順位が分かっていないと
「私の息子(娘)をバカにした!」
 と、お怒りになる保護者もみえる。だから、トラブルを避けるためにも、奇跡的に合格したら合格実績が上がるので
「大丈夫です」
 と言っておいて、落ちたら
「残念でした」
 で済ませる。

 私は、反論されたら黙る。説明しても怒らせるだけだから。しかし、反論されない方には現実を伝える。
「欲しいものを手に入れたければ、何か(大切にしている)ものを捨てるべき」
 とか
「学校で80点以上を連発しても、それ以上の子がいたら落ちる」
 と、ハッキリ告げる。必要なら、クラブは退部する。生徒会はやめる。友達とつきあうのも制限する。
 こんなことは、成績上位の子たちには説明の必要がない「当たり前」のことなのだ。だって、中学3年生であれ、高校3年生であれ、受験に真剣になったら、学校が強制的にクラブを引退させる。生徒会を後輩に任せる。
 私が指導していたA子ちゃんは、私が何も言わなくても上記の生き方を実践していた。なぜなら、母親に経済的な負担をかけないということが最優先だったからだ。真剣だったからだ。
 A子ちゃんのこと


  京大や国立大学の医学部をめざすような子は、教師にだまされたりしない。そういうリアルな現実を見つめる子たちだけの間で、競争する。それが、難関校に合格する競争なのだ。
 数学の問題や英語の問題を京大合格レベルまでやりながら、生徒会をやりながら、趣味や恋愛を楽しみながら、食べたいものを食べながら、オリンピックをめざす子などいない。
 こう書くと(言うと)、すぐに
「いや、Bくんはクラブも生徒会もやりながら京大に合格した」
 という反論をする人がいる。そりゃ、いますよ。世の中は広い。でも、問題は
「それ、キミに当てはまりますか?」 
 ということ。
 もちろん、私は先に書いたように、こんな議論はしない。反論されたら、黙る。正確に書くと、見捨てる。そんな甘い認識をしている子には、難関校の合格は無理ですもん。
 甘い人というのは、感情的な方が多く、すぐに怒る。トラブルはごめんなので、距離をとるしかない。
 
速報! 2017年度 合格者数
中学3年生クラス
 16日午後6時現在判明分
 四日市高校3名、桑名高校2名、川越高校3名、暁6年制(特待生)2名、
高校生クラス
 京都大学「工学部」、京都大学「経済学部」、九州大学「医学部」、東京医科歯科大学、大阪市立大学「医学部」、昭和大学「医学部」、京都工芸繊維大学、

   私は「夢」を否定するつもりはない。ただ、鳥になりたいと崖から飛び降りたら、100%死ぬ。そのような愚かな行為や、それを勧めるかのような人には反対するだけだ。
 鳥のように空を飛びたければ、不可能な身体構造であることを受け入れる。そして、物理や化学の法則を学び飛行機やヘリコプターを作る道を選ぶしかない。長い時間と、情熱と、お金と、才能のある人が必要だ。
 徹底的にリアリストにならないと、墜落死するだけだ。
 受験に向き合って、偏差値や業者テストを受け入れて、選抜制度を攻撃するのではなくて、そこを勝ち抜く決意のある子でないと、夢など実現できるわけがない。それを否定する教師の言うことなど、拒否しなければならない。

 キミには、その決意があるだろうか。

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