借金を残して自死した父③

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警察からようやく解放された父の遺体を連れて実家へ向かいましたが、急な死だったため葬儀をしてくれるお寺さんがいませんでした。

ようやく葬儀を受け付けてくれるお寺さんを見つけたのが夜8時くらいでした。

宗派は曹洞宗でした。

夜突然訪ねていきましたがお坊さんは優しく受け入れてくれました。

本当に有難かったです。

その日の父の死からはじめてようやく座ってゆっくりお茶を飲みました。

父の遺体には沢山の刺し傷があり、目も見開いていたのですが、警察から帰ってきた時は目を閉じでいました。

私は警察からの事情聴取や後片付けの時、何故か凄く冷静で

淡々とこなしていました。


父が亡くなった後、検視をした医師の開業する医院に書類を取りに行ったとき、受付の女性が怪訝な顔つきで私を見ていたのが印象的でした。


その日の夜までずっと片付けに時間がかかり、ようやく寝ようとしましたが、

余りの恐怖に3人で枕を並べて寝ました。

ただ、私達はそれまで沢山の試練を超えてきたはずですが、

3人とも父が亡くなった事を受け入れられず、兄は泣き続け、それを心配した母も一緒に悲しんでいました。

私はずっと冷静にしていました。とにかく明日は出棺し、家族だけで葬儀をしなければとそれだけ考えていました。


父が多額の借金を残していたのがわかったのは、二、三日してからでした。










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