厳しいオトナの世界の話

以前 僕は地元のテニスサークルに入ってました
ある日 平日に会社の休みが取れた僕は 平日のテニスサークルに参加しました
普段参加する休日のサークルには 男性も女性もいるけれど 平日のサークルに参加しているのは 40代〜50代の主婦の方が多く 男は僕1人でした
30才になったばかりの僕は 参加されている主婦の方の呼び方に迷いました 「おばさん」と呼ぶのは気がひけるし 主婦だからと言って「奥さま」も変だし かなり迷いました
迷った挙句「お姉さん」と呼ぶことにしました
普段「お姉さん」と呼ばれる機会が少ないのか 主婦の方々は 僕に「お姉さん」と呼ばれると笑顔になりました そして 初参加の平日テニスサークルにも馴染み 和やかな雰囲気になってきました
そんな和やかになってきた頃 リーダー的存在の 言わば『お局さま』のような方が 僕に向かって こう言いました
「私たちのことを お姉さん って呼んでくれるけれど 私たちは あなたのお母さんに近い年齢なんだから お母さん って呼んで良いのよ♪」
とても雰囲気が良くなってきたし それならお言葉に甘えようと思い
「お母さん!」
と呼んだところ 今まで満面の笑みを浮かべていたお局さまは 一瞬にして鬼の形相に変わり
「ホントにお母さんって呼んだわね!!」
と僕に怒鳴りました
一瞬 テニスコートの中の時間が止まり ピーンと張り詰めた空気が立ち込めました そして数秒後 僕は身の危険を感じて反射的に
「すみませんでした」
と お局さまに深々と頭を下げました 
その後のテニスサークルは 全く楽しくなかったのを覚えています
よく世の中は理不尽だと聞いていたけれど こう言うことなんだなぁと 身にしみて感じました
オトナの世界は とても厳しい…

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