借金を残して自死した父④
前話:
借金を残して自死した父③
次話:
借金を残して自死した父⑤最終話
葬儀の後、あちらこちら見知らぬ人から電話がかかってきました。それは、サラ金と言うヤクザな世界の方でした。
亡くなった事を新聞にも上げなかったのに、知人から連絡があり自死だったかと問われました。
そういう死に方は、おそらく世間ではまだゆるされないのだと痛感しました。
父が残したのは、様々な機関から多額の借金でした。
例え自死でも相手はそう簡単には許しません。
自死だからと言って借金を免れようとしても決してゆるされない金額だったのです。
父は私が高校の時、母と離婚後一度再婚しています。
しかし、寂しさからお金を人に貸すことをしていたようでした。
沢山の人にお金を貸して自分のお金がなくなったら、
借金してまで相手の要望に応えることを繰り返してい
たようで、
父の心の叫びを聞いた気持ちがしました。
未だに父が残した感情を手放せない時がありますが、
こうやって文章にしたり人に聞いてもらう度に、
身体からその手放せない感情が抜けていく気がします。
著者の前島 貴子さんに人生相談を申込む
著者の前島 貴子さんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます