フレッシャーズ最初の関門【飛び込み名刺交換】の思い出②

前話: フレッシャーズ最初の関門【飛び込み名刺交換】の思い出①
次話: フレッシャーズ最初の関門「飛び込み名刺交換」の思い出③

担当エリアはジャンケンで決まった。


『飛び込み営業研修』と書かれた例のプリント。

オモテ面は研修の概要と注意事項。

裏面は対象エリアの文字と、都内の路線図。


誰がどのエリアを担当するかは、ジャンケンで勝った者から順番に選ぶことができた。

なお、担当エリアを途中で変更したり交換したりすることは認められない。


これは、究極の選択だった。

生まれも育ちも大学も地方だったわたしは、東京のことを知らなすぎたのだ。

しかも、めちゃくちゃ方向音痴ということもあって、ここでのミスチョイスは、決して許されない状況だった。


通勤で使う新宿、会社のある渋谷、就活でよく乗り換えていた秋葉原。


何とかやれそうかな?と思ったのがこの3エリア。

それ以外は、基本的に駅に降りたことすらなかった。


…そして、ジャンケン。

奇跡的に、2番抜けをすることができ、渋谷エリアの担当になった。


その日の帰り道、わたしは会社から渋谷駅までの道のりを、ドロボーのように、注意深く観察しながら帰った。


わたしに、ちゃんとできるのだろうか?

まだ、前日だというのに、不安と緊張で、頭がいっぱいになる。


結局その日はよく眠れぬまま、いつの間にか翌朝になっていた。

著者の五十嵐 宏美さんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

フレッシャーズ最初の関門「飛び込み名刺交換」の思い出③

著者の五十嵐 宏美さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。