ベルリンで事業主ビザ取得プロセス

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自分が経験した中で起業する際のビザと登記について、この2つに関して日本語(あるいは日本パスポート条件下)の実体験からの情報がほぼ無かったので自分で書いてみることにする。多分こちらで日本人で自分で会社設立が極端にすくないのと、(既存企業が支社を作るケースは逆に沢山ありすぎて一般的かと)このプロセスでドイツ語バリアを使って稼いでいるMarketがあるからと予測してます。本当にどこに行っても通訳/翻訳の人がいる。まずビザから

ビザは大きく分類するとEUブルーカード(EU Blaue Karte: 優遇された現地企業のサラリーマンビザ、年収学歴が一定値をクリアするともらえるカード)、普通の従業員ビザ、事業主ビザ(起業、個人事業主、Selbständig)フリーランスビザ(Freiberufer)アーティストビザ(Künstler)永住権ビザ(Unbefristet)、研究職ビザ、駐在員ビザ等がある。もちろん他にも特殊なものは沢山あるだろうがだいたい日本パスポート所有者が検討する(あるいは選択肢にあがる)ものはこれらが一般的だと思われます。

自分は1年半ほど現地企業でEUブルーカードビザで滞在していた。年収学歴制限あるといっても全く高いものではなく、年によって変わるがだいたい50K€税引前の年収とH+学士号以上(下に記述)、怪しくない普通の職歴と英語と基礎的なドイツ語もしくは学ぶ意欲があればOKというものなので、ぶっちゃけ、全く大したものではない。ただベルリンでは未だに外国人就労者というと安い労働力という見方が強いので、就職する場合はある程度の質の担保と差別化にはなるもよう。EUブルーカードのメリデメについてはここでは書きません、これは日本語で書いてる人が僕の友人でも何人かいます。米国や英国のように国内の労働市場より世界のトップタレントを優遇して、っていう状況までまだ来ていないように見える。(というか自国民に甘い。もっと外人管理職や高度技能者を増やすべきと思う。余計なお世話だろうけど)

日本の大学はドイツの学歴調査データベース、Anabin Database http://anabin.kmk.org/no_cache/filter/institutionen.html

でトップ大学も無名大学も、大抵が最高評価のH+を獲得している(!要はなぜか東大も無名大も同じ評価。ある意味だれも興味がないのかも)ので100年前の日独関係がこんな所でレガシーに生きているのでとりあえず日本で学部は卒業した人は使わない手はない。逆に欧州のトップMBA大学院の一つ、スイスの名門IMDが専門学校扱いになっていたり、要は企業系大学院や歴史がないところはグローバル名門校であろうと下がるという謎のジャーマンベンチマークが働いている。まあでも国外で評価高ければビザごときでなにかが進まないということは実際ないだろうけど。

さて、私はEUブルーカードから事業主ビザに切り替えたのだが、主な条件は1.事業計画書(ビジネスプラン)2.キャッシュフロー計算書(ミニマム1年あるいはもっと。担当者の気分)3.PL 4.今の銀行貯金残高(キャッシュ)5.ドイツで有効な保険 6. 起業に値する学位があるか(ビジネス系のBS/BA、あるいはMBA,DBA等)7.残りがそれなりにあるパスポート等がある。これはおのおのの個人の状況によって違うのと、担当者の判断で左右されるので、いずれにせよ正しいソースを確認したほうがよい。1.の事業計画書には”なぜベルリンなのか”というのを書けと言われた。そこはまあ、向こうの立場としてはリーズナブル。自分はドイツ語40ページくらいのスライドを書いた。英語でも可能だが、この判断は担当者による 2.のキャッシュフローはテンプレートがベルリン商工会議所のウェブサイトに落ちているのでそれを使うと、ドイツ語で簡単にかけて便利(なかなか良くできたExcel)。4.貯金残高は多いにこしたことはない。ここはシビアに見られるところ。6の学位はドイツ人は重視する。どの学校と言うよりどの学位か。例えば、名門校卒であっても文学部卒で起業します、だと引っかかることも普通にある。

フリーランスビザとの違いはフリーランスの場合取引先からの紹介状をみられるらしい。あと事業計画書がいらない。あと学位やスキルがやってることとマッチしているか。美術系の学位持ってない自分が、”絵描き”を名乗ったらたぶん、突っ込まれるだろう。

どのビザが簡単でどれが難しいというのはない。例えばよく取りやすいと言われるフリーランスビザだが、手に職がない自分は個人で制作物が出せないので実はハードルが高い。仕事をいろいろな組織や人と進めることに慣れているし、プレゼンも場数踏んでいるしMBAもあるので、むしろ会社という箱があったほうがハードルが下がるので、会社を作ってそれに合うビザにした。

蛇足だが、ドイツは人の経歴や見た目ですごく判断する国だ。役所もタクシーもスーツ来ていくのとよれよれのかっこで行くのとでは天と地の対応の違いがある。あと学歴で労働局みたいな役所は場所を区別する。いわゆるがキレイなところかそうでないか別れている。これは正直微妙だが、割り切りがひつようだ。しかも労働者は”俺たち言われたことやります”、マネジメントは”俺たちエリートだぜいうこときけよ”、でお互い納得しているので平和に共存しているというかんじ。職場も部屋がくっきり別れている。日本てある意味そのへん曖昧で、上昇志向つよくていい国だと思う。こっちは階級的というか、なんでだれもこの点についてほとんど日本語で書いてるひとがいないのか、個人的に謎。

ちなみに自分は外人局に直接やり取りはせず、Berlin PartnerのBusiness Immigration Serviceにブルーカードのときにお世話になった担当者がいたので、いろいろ聞くことができたし、もう、ムカつくくらいアポが取れない外人局との調整も内部ルートでやってもらえた。

するとどうだろう、3ヶ月先の予約も埋まっているはずが、1週間後に”パスポートと写真とお金だけもってきて”。やっぱりここは、裏ルートの国だと思う。あとメールじゃなくて電話だ。ひたすら電話。メールみてないので。会社登記につづく

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矢野 圭一郎

東京からベルリンに移住し起業しました。日々チャレンジがある中で思いついたものを書いてみます。

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