客室乗務員教育担当が教えてくれた。学校では教えてくれない授業 〜良い第一印象になるには〜

第一印象の重要性


会員制の高級クラブで働いていた時、元ホテルマン出身の部長が、キャストのお辞儀がなってないと、ある日、突然スチュワーデスを育成しているコンサルタントの先生が特別講師としてやって来た。


先生は、見た目は小太りで40代くらいのおばさんだった。


だが、喋り出すと一変した。


タヌキみたいなおばさんだけど、何かに引き込まる魅力がある。


そんな、先生から教えていただいた、学校でさ教えてくれない接客に使える礼儀の授業について書きたいと思います。


◆お辞儀の仕方

お辞儀は、背中に長い物差しを入れた感じで、ゆっくりと頭を下げること。

お辞儀の時間は2秒から3秒。そしてゆっくりと頭を元に戻す。

上半身で傾けることが綺麗なお辞儀で、決して首から上だけを下げないこと。


そして、その角度は45度。


意外に浅い。今までは深く頭を下げすぎていたことに気づいた。


◆立っているときの姿勢

耳と肩が一直線になるよーに立つ。

そして、手は、左手を上にして、右手を隠し、おヘソより上に手を添えない事。

右手を上にすると、ケンカしますよっと言う意味があるらしく、右手を左手でおさえる事が重要らしい。

また、だらーーんっと下げすぎてもいけない。

ちょうど、おヘソの少し下あたりに手を添えて姿勢を保ちながら立つ。


◆椅子の座り方。

座る前に、後ろのスカートの裾を見ながら、お尻からサッと裾に手を撫で下ろし、裾がはだけないようにして、椅子に座る。


◆座ったときの姿勢

背中は、椅子にもたれず、浅く座る。

また、その時も耳と肩は一直線を心がける。

手は太ももの上に。

足はお客様の足方向に膝を傾け、足先はお客様の逆に流す。


また、挨拶には順序があると言うこと。


◆語先後礼(ごせんごれい)

挨拶をするときのタイミングである。

たとえば、

「ありがとうございました。」と同時に頭を下げてはいけない。

正しくは「ありがとうございました」と相手の目を見てからお辞儀をする。

語先後礼は、全ての挨拶で応用すれば良いと教えてくれた。


そして、先生に教わって、もっとも、勉強になった事は、話し方だった。


先生いわく、初対面で、相手が自分の話しに興味を持つか持たないかは、話し方が80パーセント占めているといっていた。話の中身は、それ程、重要でないらしい。20パーセント。


ボソボソと小さな滑舌の悪い声で話しをしたら、とても興味深い話でも、相手が話しに聞く耳にならないと言っていた。


実際に先生が実演して、その差は一目瞭然だった。

話す内容も確かに重要だと思うが、それ以上に話し方が重要だったのだと、判明した瞬間だった。


先生は、滑舌の良くなるために、私達に声の発声方法を教えてくれた。

頭の上から声を出すイメージで、発声しなさいと言っていた。

そして、一語一語、お腹に力を入れて話す事。

声は、普段より明るく話し事を意識させられた。

明るくハキハキ。

元気にハキハキ。

例え顔が見えない電話口の相手にも、笑顔が届くような声を出す事。

大きな声を出せば良い訳でなく、明るく発声するのだ。

声に音符をつけたら、少しわかりやすいと思う。

いつもドで話すなら、ソで話といいとアドバイスもされた。


そして、聞き取りやすく、話す事。


ボソボソと小さな声で、気力なく話しては、誰も聞く耳を傾けないんだと、わかって来た。


最後に先生、大切なことを私達に教えてくれた。

「みなさん、人の出会いから、最初の15分で、90パーセント決まると言われております。

第一印象、それは、皆様の名刺のようなものです。

みなさんは、沢山のお客様に接客をいたしますね。

初対面の方には、最初が肝心だと言うことを常に覚えておいて下さい。

これは、仕事でなく、皆様のライフスタイルにも、とても重要なことだと私は思います。

皆様の人生が明るいものでありますように。」

とニコッと笑った。


最初、話すまでは、タヌキ婆と思っていた、私の先生に対する印象を見事に、素晴らしいレディと印象付けたのだ。


先生は、それからも、髪のかきあげ方とか、たくさん教えてくれたが、残念ながら忘れてしまったことも沢山あります。

ただ、これだけは、私が最も心に焼きついた、学校では教えてくれない授業でした。

これからも、第一印象を大切にと心がけたいと思います。

読んでいただきありがとうございました。



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