「京都大学の英語で8割を越える」ための一考察(2)

京都大学の英語で8割を越える」ための一考察(2)

1、問題意識

   私が、Z会を8年間やり続け、京大模試とセンター試験を10回ずつ受け、京都大学を7回受けて得られた知識と勉強方法を、塾生の子に教えたら、本当に京大、旧帝、国立大学の医学部の合格者が増えるのだろうか。

  講師の特殊な経験と知識を塾生に正確に伝達できるのか。指導が合格に結び付くのか。

  これが、この考察の主たる目的である。

2、研究方法

  以下の2点を比較検討する。

1、名古屋の7つの予備校、塾で14年間の、難関大合格者数、自分で塾を開設してからの難関大合格者数と、

2、京大を7回受けた経験と知識を生徒に指導し始めた後の、難関合格者数


3、調査の実施

  名古屋の大規模予備校、塾の私の担当クラスから、京大や旧帝レベルの合格者はゼロであった。また、自分の塾での難関大合格者数も「2012年度」まではゼロであった。

  その後、通信生を募り、通塾生とともに自分の持つ知識と経験を生徒に伝え始めた。その結果は、以下のようになった。

2017

京都大学「工学部」、京都大学「経済学部」、 九州大学「医学部」、東京医科歯科大学、 大阪市立大学「医学部」、昭和大学「医学部」  

2016
京都大学「医学部」、京都大学「理学部」、大阪大学「人間科学部」、名古屋大学「経済学部」、名古屋市立大学「医学部」、神戸大学「経済学部」。御茶ノ水大学「理学部」
2015
京都大学「経済学部」、京都大学「総合人間学部」、東京医科歯科大学、大阪大学「外国語学部」、東工大、名市大「薬学部」
2014
京都大学「医学部」、大阪大学「医学部」、京都大学「工学部」、三重大学「工学部」
2013京都大学「経済学部」、名古屋大学「医学部」。京都大学「医学部」

4、結果の分析と考察

   上記の26名のうち、通塾生は7名、通信生は19名だった。2010年度までの指導で、「人口5万人程度お三重県の田舎では、旧帝レベルの生徒はほとんどいない」ということが分かったために、別の道を考えるしかなかった。

  それで、生徒の様子を観察していたら高校生にスマホが普及し始めていた。それで、家庭学習中の質問を写メで塾に送信してもらうサービスを始めた。中学生は5科目、高校生は英語と数学に対応できた。

  すると、これが好評だった。それで、「このサービスなら、北海道から沖縄まで同じシステムで指導が可能だ」と気がついた。そこで、Youtube、ブログ、ホームページなどで、通信制を募った。これが、当たった。

5、結論

 つまり、指導方法が良かったから難関大の合格者が劇的に上昇したというより、通信生の増加が合格者数の上昇につながった面が大きいのかもしれない。ただし、当塾の退塾率は不特定多数を指導している頃は9%程度だったのが、学力上位の子が集まってきた頃に、7%程度に落ちた。現在は、通塾生も通信生も途中でやめる子は、2%程度になっている。

 ほとんどの生徒の方は、当塾の指導で満足されていることを数字が示している。これは、私の指導が功を奏しているというより、生徒の方の平均学力があがったためと言える。

 ただ、逆に言うと、「高学力の子だから、私の経験を受け取ることが可能となっている」とも言える。

 当塾の現在(2017年4月)の通塾生「高校コース」では、47%が四日市高校の生徒だ。地元の公立中学校では、四日市高校は上位の3%程度しか合格できない。

 残りの53%は、暁6年制、桑名高校、川越高校の生徒だ。これらの高校は、地元中学校の上位15%程度に入っていないと、合格できない。つまり、当塾の生徒の学力構成は上位層に偏っている。

 結局、私の特殊な経験を理解して役立てられるのは、学力上位の子でないと無理なのだと思われる。授業は、生徒と講師が作るのだから、当たり前な結論になった。

  地元の中学校では、学年で上位3番くらいまでにいないと四日市高校は合格できない。そんな四日市高校でも、360人の定員のうち上位の50番くらいまでにいないと(上位14%)旧帝レベルの大学には合格できない。

 つまり、3%のうちの16%だから、ここ「いなべ市」に住む中学生の場合は、0.03×0.16 ということで「200人に1名」だ。

 こういう事実さえ知らない方が多い。そして、事実を語ると、なぜか怒る方も多い。夢も希望もない言い方に感じるかららしい。きちんと現実に向き合わない方には、勝利の女神は微笑まない。

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