グローバル盤 オレオレ詐欺を仕事にて経験する

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はじめに

私は最終的にはお金を振り込んでいないので、
厳密には【オレオレ詐欺を経験した】とは言えませんが、
もし振り込んでいた場合の結果はそうであることは明らかなので、
シェアすることにしました。

オレオレ詐欺メール到来

それは僕が、「日本の超閉鎖的な不動産市場をグローバル化したい!」

という突発的な理由で、不動産業界に入って2年目。
少々仕事にも慣れてきた頃でした。

私のお客さんは、平均月30万円位の家賃帯で
探されている外国人の方々が多いのですが、
その日届いた問い合わせメールは、
月家賃200万円のマンションのもので、
しかも「それをすぐに貸してくれ!」と。

通常、海外からの問い合わせには
相手の時間に対応して国際電話するという
スタイルを取っているので、まずは、
電話をすることにしました。

オレオレ詐欺者との対話

その問い合わせはロンドンにいる
お客さんからのものだったので、
ブリティッシュアクセントを期待していたら
アクセントがイギリス人ではなく、
完全にアフリカ系。。。

よく六本木で耳にする道ばたの英語です。

でもまあ、外国人がロンドンで
ビジネスをして成功していることは
良くある事でしょうし、そのまま話を進めました。

まず、お互いが何者でなど、簡単な
アイスブレイク的な自己紹介を済ませた後、
本題に入ってみても、正直ピンと来ないのです。

職場が何処になるからだとか、
日比谷線沿いに住みたいとか、
子供や家族が住みやすい場所が良いとか、
外国人が住みやすいエリアとか、
食洗機は絶対これがいい、

なんてことは一言も言わず、相手はただ
「これをすぐ貸してくれ」と言うだけ。

いつもの流れだと、
ここで 必ず出て来るこだわりやニーズ、
というような、マンションを借りる
ポイントが全く出るのですが、
何も伝わって来ないのです。

それでも、こんなVIP客に沿った対応を
しなければと思い、僕は特に反論もせず
次のステップを踏むことにしました。

怪しい身分証明書


そのお客さんは、まだ日本に来ていないため、
外国人登録証のかわりに、パスポートをスキャン
したものをメールでリクエストしてみました。

すると、1日くらいで返信が届き、そこには
文書ファイルが添付されていました。

「Wordの文書?」

おかしいなと思いつつ、ファイルを開いてみると、
あきらかに誰かのパスポートらしきスキャン画像の
上に、誰かの 写真が貼付けられている!

その写真は白人系の方のものでしたが、
動かしてみると、下から出て来たのは
黒人系の方の写真・・・(汗)

試しにWordのキーボードショートカットの
Command + A を使用して、データ内を選択
してみたら、どうでしょう、そこに表示された
画像の殆どが切り貼りされたものでした!

その時ようやく私は相手を本気で疑い初め、
調査を始めることにしました。

FBI的アクションで下調べ


まず、国際電話をかけている電話番号の
国番号から国を割り出し、WEBの問い合わせ
経路で国を割り出してみた結果はトーゴ。 

ロンドンに近いタイムゾーンである事は
間違いありません。

相手の勤務先をGoogleしてみても
Websiteは見つからず、姓名を
GoogleとFbで探してみても、
勤務先と合致する結果はありません。

これから、こちらも本格的に動き出し
相手の本気度を探る事になります。

手付金で、相手の本気度をチェック

まず、申し上げておきますが、
手付金を請求するのは違法ではありません。
しかし通常、私がお客様の本気度を
確かめるために、それを請求することは
ありません。

しかし、今回はあまりにも
相手が怪しすぎるため、後々のトラブルを
防ぐために、手付金を1ヶ月分請求してみました。

すると相手からは、あっさり返事が
帰ってきてオーケーとの事なので、
請求書を作成し、PDFで送りました。

その2日後、相手から以下のような
内容のメールが届きました。

「取引先の銀行から送金を止められた。
マネーロンダリングやマフィア資金の
流出ではないかと銀行から怪しまれたようだ 」

確かにアフリカ系の人間である
このお客さんが、ロンドンで
怪しまれるのも無理は無いかも、
と思いながら読みすすめると、
メールの最後の方に、

【銀行から直接、私に連絡をさせる】

と書かれていました。

有名銀行からのヤフーメール


その後。


それなりに名の通ったヨーロッパの
銀行員を装ったメールが

”ヤフーメール”にて届きました。

(会社のメールアドレスからじゃ無いのかよ!?)

ここまで来て、私はようやく自分が

遊ばれている事に気づきましたw

ただ、こっちも最後の〆を、

ハッキリしたかったので、
とりあえずは向こうの言い分を

聞いてみることに。

有名銀行からの”ヤフーメール”には

以下のような内容が記されていました。


「この送金先が、マネーロンダリングや
マフィアの資金流出では無い証拠を取る為に、
このメールの通りに手順を踏んでください。

まず、あなたから500アメリカドルを
以下の口座に振り込んでください。

着金確認次第、●●様が行った送金を
すぐ解除し、送金致します。」



一瞬、振り込もうかと思いましたが、

冷静に時間をかけて考えてみると、

内容的に、おかしい所だらけです。


すぐさまメールで振込は出来ない事を伝え、

振込が完了してからでないと動けない旨を

伝えました。


携帯攻撃@24時間


それから昼夜問わず、

相手からの携帯攻撃が始まりました。


押しの連絡が半端ない。

もちろん彼の目的は、
500ドルをゲットすることです。


そして、その言い訳というのが、


「あと3日で振込んでもらわないと、
警察に捕まり200万円が没収される。
そんなことさせるのか」

とか

「これが失敗すると、
現在予定している日本やヨーロッパでの
ビジネスができなくなる」

とか、巧みな話術で押してきて、

頻度も半端ない。

でも毎回、同じ事しか言わないため、
電話がかかってくる度に、相手が

何を言うのかがわかるようになりました。


また、この期間のコミュニケーションは、
向こう側からかかってくる電話のみで、

一方的な話が一分くらい続いた後に

切れるというものでした。

私も、そろそろ疲れてきたので、
この際ハッキリもう無理ですと言って、

細かい理由を伝えようとするのですが、
いつも通話の途中でブツッと切れるのです。

何かがおかしい。。。

そこで思いついた仮説が、


「アフリカから日本への国際電話、

超高いんじゃない?」


電話代がかさむから、

いつも途中で切れるんじゃ。。。


さすがに夜中の4時に鳴る電話は

すべてピックアップしてから

放置、という究極の手段に出ました。


(誤解の無いように言いますが、

この話の内容や状況からお分かりの通り、

通常ビジネスという状態ではないので

普段こんな手段はとりません!!)


銀行からの最終連絡


やがて、いつもとは違う番号から

電話がかかってきました。


そこに出たのは、銀行の者だと

称す、アフリカ系のアクセントで

話す人物でした。


そして、受話器の向こう側からは

めちゃくちゃ大自然な感じが

伝わってきました。

そこから聞こえてくるのは、
たくさんの鳥や、聞いたことがない

動物の鳴き声。。。



みなさん、くれぐれも変な送金請求には

気をつけましょう。


詐欺のメール例

それ以降メールは引き続き届くのですが、良い例なので紹介します。
ポイントは、会社名とメールアドレスのドメインです。

Sir/Ma,
My name is Mr. B Radimir, the managing partner to DBSG Finance United Kingdom.
Its my pleasure to submit this business offer to you, for your kind consideration. I have a client, one of the Family member to Late Mr. Shukri Mohammed Ghanem from Libya, the former Oil Minister and owner of Zulaytini International Contracting Co. Ltd and I was his company's finance adviser. More information about my client please view the links below: 
http://en.wikipedia.org/wiki/Shukri_Ghanem
My client is looking towards an investment in a lucrative business with minimum tax in any nation, so he ask me to look for a foreign partner, who will be trustworthy and reliable to handle the investment in any lucrative venture. This is the reason why I contacted you and if its of interests to you, we will have face to face meeting with regards to this project and also to reach an investment agreement before the funds will be released to you for the investment. As you may know, my client has decided to use this medium to achieve this project for security reasons.

Please if you are interested and capable to handle the investment, write back to me with your full contact details for further clarification or if you not willing or capable, please ignore this letter.

Best regards,
B. Radimir
boris@dbsg-uk.net
borisr@dbsg-uk.net
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先日、インドの財閥からの融資云々とかいう話が転がり込んで、怪しすぎて警察に通報したらやっぱり他に被害者がいたようでした。こういう手法もあるのだとわかって助かります。ありがとうございました。

どこにでも悪い奴はいるものですね

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