商社マンだった僕が、アドラー心理学に基づいたコーチングを始めたわけ

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「・・・・・・・・」

 

 

 

沈黙、

 

重い空気、

 

少し効きすぎているエアコンの風、

 

 

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

ポツ、ポツ、と車の屋根をたたく雨音、

 

軽く握ったこぶしに、じんわり感じる汗、

 

顔を上げられず、何となく落とした視線の先にみえる車のダッシュボード、

 

 

 

「コンコン」、  

 

「コンコン」、

 

再び、助手席にいる僕の横から、窓をノックする音が響く

 

でも僕はそっちを向くことが、どうしてもできない・・・・

 

 

 

「コンコン」、  

 

「コンコン」、

 

いったいこんなにも長くて、重い時間を過ごすのは何回目だろうか?

 

いや、時間にするとせいぜい1分か、そこらなんだと思う。

 

だけど、本当に、本当に長く感じる・・

 

 

 

ようやく意を決して、窓の外に目を向けると、

そこには、雨に濡れた小学生くらいの物売りの少女が立っていた。

 

彼女が片手に抱いている、はだかの赤ん坊は弟だろうか?

もう片方の手には、ちょっとした土産品みたいなものをぶら下げている。

 

 

ここはマニラ市街へと向かう大きな道路。それまではそれなりに順調に走っていたが街に近づくにつれ、車が混んでくる。

車が列をなして止まると、どこからともなく、彼女たちのような子供たちがたくさん出てきた。

担当が決まっているかのように、それぞれの子供たちが、車の窓をノックしたり、窓ガラスを拭いたりし始める。


 

 

はじめてこんな場面に出会ったときは、何も考えずにこの子たちから何か買ってあげようと思った。

すると、現地のドライバーにこう言われた。

 

「あなたがお金を払うことで、この子たちはこの ‘仕事’ を続けていくでしょう、そして、多くの子供たちが毎年事故に遭って、亡くなることも多いのです・・」


 

 

 

「コンコン」、  

 

「コンコン」、

 

窓をノックする音を聞きながら、いつも感じること。

 

 

 

「猛烈な怒り・・・」

 

何なんだ! こんなの絶対に何かが間違っている!!

 

でも、いったいだれが悪いのか?

 

何がいけないのか? 何が間違ったのか?

 

いったい何に対して怒っているのか?

 

それすら、よくわからない・・・

 

 

 

「無力感・・・」

 

この子に対して、僕ができることは無いのか?

 

本当に何もできないのか?

 

こんなにも無力なのか?

 

本当にゴメン・・・

 

 

いつも、こんなことを感じながら、重く、長い時間がまた過ぎていく・・・・

 

 

 

商社マンとしてアジア各地を飛び回っていた僕は、これに似た光景をアジアのいろいろな場所で見てきた。

 

接待を終えホテルへの帰り道で通ったバンコクの深夜の飲み屋街、マニラのキラキラする繁華街… 

裕福な人たちが楽しそうに歩いていく脇で、物乞いをしている、たぶん5歳以下くらいの子供たち、

プノンペンでもジャカルタでも、たくさん、たくさん・・・・

 

 

当時、入学前だった僕の子供たちと変わらない年の子供たちもたくさんいた。

生まれた場所が日本であったこと、貧しい地域であったこと、たったそれだけなのになんでこんなことになってしまうのだろう??


 

こんな体験を重ねていくうち、このまま自分や家族、会社の豊かさだけを追い求めて行くような人生に、僕自身が死ぬ、その瞬間に本当に納得できるんだろうか?との思いが募っていきました。


 

本当は、自分は何がやりたいんだろう?と自問自答し、

その時その時で、「こうしたい!」と感ずるままに意を決し、転職をしたり、仲間と起業したりしました。

 

そして数年後、水処理装置の会社に入った僕は、カンボジアの農村への給水システムの事業化への調査を担当し、3年間に渡ってカンボジアのとある村に何度も出入りすることになりました。


 

そこで見たのは、商社マン時代で見てきたアジアのどの国々よりも貧しい光景でした。

これまでもタイや中国の山奥などで、似た様な光景は目にしてきましたが、出張中にただの通りすがりで見てきたに過ぎなかったことを痛感しました。


 

途上国であるカンボジアの農村部はとても貧しく、衛生状態も悪い。

そもそも衛生に対しての知識も乏しい。

 

子供の頃に教育を受けられず、毎日の生活に精一杯な親たちは、生きていくために子供たちに働くことを求め、小学校に通うこともままならない子供たちも多い。


学校を出てない子供たちが就ける仕事は限られ、貧困から抜け出せないで、自分が親になった時には、結局、自分の親と同じことを子供にするしかなくなっていく・・・


 

いろいろな問題が複雑に絡まっていて、何か一つだけをどうにかすれば良い、ということではないことは、村に通って見聞きし、村を長年支援する人たちと話をしていくうちに分かっていきました。

また、村の方に無理を言って泊めて貰い、村の人の生活がどんなものなのか? 自分なりに体験してみたりもしました。


 

こんなことをしながら、カンボジアの村のように、さまざまな問題が絡まっていることを解決していくには、多くの時間が必要となることだろうし、また、よく言われるように「教育」が長い目で見るほど、大切となってくるのだ、ということをおぼろげながら実感していきました。


 

そんな中、現地のとある有力者と村への給水システムの設置のことで揉めたことがありました。


その人の考え方が、全く村の人のことを考えずに、自分や自分の組織だけしか考えていない態度に、あの時の車の中で感じた、あの「猛烈な怒り」 がよみがえってきました。


 

「それじゃ、なんですか? 村の人には未来永劫、きれいでまともな水を飲むなってことですか??」

 

思わず口にしていました・・・・

 

 

 

こんな体験もしてきて、僕がたどり着いたひとつの自分なりの答え。

 

それは、途上国のさまざまな問題の根幹には「教育」があって、この「教育」とは、「 ‘人の考え方’ が伝えられてきたもの」。それは、その時代や場所によって大きく関係し、その時代・場所に住む人々の人生に大きく影響する、ということ。


で、あるなら、この「人の考え方」が、

自分や自分の周りだけを大切にするのではなく、その環を、自分と同じ地域に住む人、自分と同じ国に住む人、自分と同じ地球に住む人・・・と拡げていくことができればいい!

 

これは、以前本で読んだことがある、アドラー心理学で言っていた、「共同体感覚」を広げるってことみたいだな。

まず、「共同体感覚」を広げられる様なことにするには、どうしたらいいんだろう?

・・・そんなようなことを考えるようになりました。

 

 

 

そんな時に出会ったのが「コーチング」でした。

 

‘コーチング’とは、コーチとのコミュニケーションを通して、

 「自分では気づいてなかった、本当にやりたいこと」とか、

 「こんなやり方があったんだ!これならできる!」 

と、いったことを見つけて、その人の人生への変化を手伝っていくことだそうで、そのコーチングにもいろいろあって、その考え方や目的とするところもだいぶ違うようでした。

そんな中、運良く出会えたのが、アドラー心理学の考えを基軸としている

「プロコーチ養成スクール」というところでした。

 

僕にとっては、まさにこれだよ!というほど、ぴったりの考え方を基にしたコーチングスクールでした。

 

この4月から始めたばかりですが、想像以上にすばらしく、最高の師匠と先輩、仲間たちに囲まれ、最高の環境で幸せを感じながら、学びの日々を重ねています。

 

もし、こういう考え方をもったコーチやトレーナーがアジアの各地に広がって、そこでコーチングを受けた人がすこしずつでも「共同体感覚」が広がっていったら?

それを彼らの子供たちにも伝えて行ったら? 

 

これができればきっと、「子供たちが夢を追い続けられる世界」になっていくはずだ!

そうなったら、いつの日か、あの少女みたいな子供たちはいなくなっていくだろう。

 

 

僕が描く夢の実現には、僕が生きてる間に実現するのは無理なのかもしれません。

でも、何かのきっかけや土台となってくれたら、自分の人生に満足できそうな気がしてます。


 

コーチングの仕事を通じて、相談にきてくれた方がすっきりした笑顔になって、自分自身の人生の主人公として、再び元気を取り戻して歩き始めていく・・

そんな姿をたくさん見られた先に、アジアの子供たちの未来を変えていくことにもつながっていくかもしれない。


 

いま、そんな想いを持って、コーチになることを目指しています!

 

最後まで読んで頂き、どうもありがとうございました!!

 

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かじさん、感動しました。こんなに深い話があったのかと思いました。これからも応援してます!

根本にある想い、志、本当にステキだと思いました!!(^ ^)

梶 博之

アドラー心理学を基にしたコーチングを勉強してます。実践経験を積むため、現在期間限定で無料コーチングを実施中。ご希望の方はメッセンジャーにてご連絡ください^^

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梶 博之

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