デートでマックに行ってはいけないと言われた事件

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カナダの公立高校のESLクラスの授業は、本当によく出来ていたと思う。 8科目中1つがPEと言う体育の授業 (physical educationの略) で、後の7科目は机上の学問になる。


そしてこの7つの内の1つは机上と分類はしたが、社会勉強が中心の時として外出も辞さない現実的なクラスに設計されていた。

この7分の1である社会勉強の様なESLの授業は、新米カナディアンを想定して、早くカナダ人の一員とすべくの要素があったのかも知れない。 この有難いクラスの記憶に残る教えは以下である。




国歌であるO’Canadaの歌詞を学び歌う 

(非常に難しい英語で作られているが先生は意味を優しく解説してくれる)




カナダ全部の州と州都を覚える 

(当時は10個の州と、2個の準州を覚えたが、現在は準州が3個になっている。 尚、カナダの州はアメリカの州であるstateとは言わず、Provinceと言う)


小切手の書き方

(小切手が持てるcheckingアカウントの利用が多く、当時は公共料金の支払いや家賃の支払いに小切手は非常便利で重要だった。 $12.55の小切手の書き方は、数字と共にtwelve dollars and fifty five centsと文字でも書かないといけないし、文字が間違っていると返却されてくる事もあり、誰かにどこかで一度きちんと教わらないと最初はちゃんと出来ない文化である)


交通標識の見方

(万国共通な要素が多く常識でわかるでしょ?というのが大人の視点だ。 だが、様々なバックグラウンドを持つ移民の家族である未成年の子供で、ましてや外国人の子供にしたら、誰かが一度正しく基本の交通ルールを教える必要がある。 因みに、日本で見た事が無いカナダの標識で驚いたのは、Soft Shoulderだ。 え? 柔らかい肩? という一見意味不明の道路標識は、道路の両端が弱くなっているから気をつけてというユニークなものである)


お買い物の練習

(社会見学の一環で、クラスの皆で外に出てマーケットで買い物をやってみる。 当然、お金やコインの名称も覚える)


 


この授業以外で、私が大好きだったのは、ESLで社会科を教える髭もじゃの教師だった。

彼は本業の社会科を教えるだけでなく、生きていく上で必要というか、誰かが教えなければならないという知識を先輩カナディアンとして話してくれる先生であった。

一生懸命ESLの生徒の為に、ESLの生徒に向けて何かと小話にして話してくれる愉快な先生であった。


中でも印象的だったのは、ある日teenの我々に教えてくれたこんな事だ。 日本語で私なりに訳させてもらうと、


 


「いいか、男性諸君、君達はカナダで女性をデートに誘う際に、マクドナルドに連れて行ってはいけない。 きちんとチップを支払うレストランにお連れしなさい!」


 


である。


 


冗談なのか本当なのか、非常に斬新なカルチャーショックであった。

日本でマクドナルドは若いカップルも楽しそうに訪れるし、例えデートでマック(or マクド)に行っても罰当たり男子になるという意識はなかった。


もちろん私の世代でも当時から、マクドナルド派ではなく、モスバーガーがデートにオシャレ! という派も居た事は居たが、日本でマクドナルドは若者のデート御用達ともなれる、広く受け入れられているスーパーブランドだったと思う。




おそらく、マクドナルドが北米外では少し違うポジショニングを取っているからであろう。 デフレやBSEや鶏肉事件が語られる以前の時代の話である。


日本、中国、香港、台湾、東欧、これらの国々から来た移民の生徒にとって、マクドナルドはすごいブランドで、学生として、立派にデートで使えるレストランと認識をしていたと思う。




だから、ESLの生徒達は男女を問わず皆が、




「へぇ」




という感じでこの教師の話を聞いていた。 なんやかんやと、皆真剣にこの話を聞いていた気がする。


代表格の様にマクドナルドという固有名詞をここで使って申し訳ないが、例に使って許して頂きたい。 

ポイントとしては、チップをお支払いしないセルフのレストランは女性をエスコートするデートには不向きでダメだよ、というのがこの先生のポイントだったのであろう。


もしカナダで女性とデートする日が私に来るならば、チップをお支払いする仕組みの無いファストフードにお誘いしては行けないのだ。。


よくわかる様でわからない教えだったが、とにかく、これは非常に重要な情報だと、私はしっかり頭に刻み込んだ。


 


全てが学びの世界で、全ての学びが楽しい日々であった。




"kanata" と呼ばれた大地で

007号: デートでマックに行ってはいけないと言われた事件


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