アルコール依存になりかけの話

このエントリーをはてなブックマークに追加
2

私はアルコール依存予備軍だ。大学時代には大学四年の最後の一年間で4回ほどアルコールの過剰摂取で救急搬送された事がある。吐いて潰れた時の事も含めれば、何回になるかはわからない。

社会人になった今でも、時折タガが外れるまで飲もうとする。休日の真昼間から1人酒することもある。そのことについて周りから非難される事もしばしばある。それでも止められない。止めなきゃなぁと思う事もある。それでも止められない。


お酒を飲むと、苦しいことを全部忘れられるからだ。何もかも、いつだって胸に巣くっている鬱屈とした感情が見えなくなって、高揚感に包まれる。「なんでこんなに駄目なんだろう」「人様に迷惑しかかけていない」「生まれてこなければよかったのに」「早く消えられたらいいのに」そういった言葉が霧散する。


そして、自分の望む「消えたい」という想いにギリギリまで近づく。お酒を飲んで救急搬送された時、周りが慌てる中私の心中はだいたい至って穏やかだ。

「ああ、やっと終わる」

ゆっくりと息を吐き、静かに目を閉じる。そして数時間後には生還してしまう。
一度だけ、搬送中に、暗闇の中に明かりが見えた事がある。小さいその明かりを消そうとしたら、救急車の中の機械が甲高い音を立てた。隊員の方に「息をしてください」と何度も声をかけられたので、きっとあれが、命の灯とかそういうものなのだと思う。


なんでそんなに飲むのかと言われたら、辛いからだ。生きるのが辛い。自分が生きている意味がよくわからない。そんな鬱屈とした考えになったのは、機能不全の家族を支え続けた学生時代からかもしれない。父は躁鬱病で、母は不治の病の多発性硬化症にその他病持ち、妹は川崎病に不登校だった。家族の面倒を見れる人間なんて私しかいない。その上、塾のお金を出してくれやら本を買いたいやら言えるような経済状態ではないため、必死にアルバイトをする必要があった。高校でそれが原因で一回心がぽっきり折れた。折れた心を薬で戻して行く生活になった。自分が情けなかった。


どうにかして大学に入ると、学費のためのアルバイト、サークル活動、親のカウンセリング、大学の勉強の4つを同時並行的にこなす生活になった。高校の時よか要領はよくなったが、それでも限られた時間の中でその4つをこなしていくのは非常にハードだった。サークルを辞めればだいぶ楽になる事なんてわかっていたが、環境を理由にしてやりたいことを辞めたくなかった私は必死に取り組んだ。そんな生活の終盤、大学3年の後半でもう一回心が折れるとまではいかないが疲弊しきった。薬ではなくお酒に逃げるようになった。もう何もかもどうでもよかった。


いわゆる駄目人間なんだと自分でも思う。「自分がなりたい姿」に近づけない自分に劣等感を抱き続けて、完璧主義をこじらせて、それでいて人に頼るのが苦手な上に要領が悪く、またそこから劣等感に苛まれてストレスをためる。そのストレスのはけ口を全てお酒に求めている。


今その負のサイクルは社会人としての生活に表れつつある。何を思ったか、まあ思う所は色々あったのだが、私は営業職に就いた。そして「人に頼るのが苦手」なんていう私は壁にぶち当たって、また悩んで酒に逃げようとしている。


いつか、老衰ではなく、死ぬのかもしれない。アルコールなのか飛び降りなのか何が原因になるのかわからないが、なんとなくぼんやりそう思っている。大学4年、社会人になる前、数少ない大切な友人や諸先輩方に言われた一番多い言葉は「死なないでね」だった。周りからもそう見えるほどに、私は不安定なんだと思う。


お酒に逃げる人なんていたら、私は止める。自分がこれだから間違いなく止める。ただ、いまだに自分は止められない。止められる瞬間が来るのか、それともこのまま坂を転がり落ちるのか今の自分ではとてもじゃないがよくわからない。


読んでよかった
このエントリーをはてなブックマークに追加
このストーリーをブログ等で紹介する

涼子 鈴木さんが次に書こうと思っていること

|

最近「読んでよかった」がついたストーリー

チアリーディング。それは、誰かに元気と勇気と笑顔を与えるもの。つまり、誰かを思いやること。それは、世界平和に繋がると信じて。

夢は、叶う。でも、自分の頭で想像しないと実現しない。

高校生の時、自分の未来が見えなかった。今は、毎日楽しく生きている話

第3話『原動力』 ⭐︎夢を諦めている人へ!コードも読めないアラサーの私がプロのジャズシンガーになるまで⭐︎

新卒で証券会社に入社して1年間で100件以上の新規開拓を達成し、3億円の資金を導入した話(17)

シンプルは豊かだな~としみじみ思う

過去世について

ウソみたいなホントの話 ~『メッセージ』が教えてくれたもの~

【THE九州男児な父へ】45年勤続した会社の最終出社日を迎えた父に贈った娘のお手製『私の履歴書』

劇団四季で学んだプロフェッショナルとアマチュアのほんの僅かな違い~生き残る人・消える人~11のポイント

ニューヨーク生活でみた、ニュースの世界と日常生活の違い

断捨離が行き過ぎて家まで無くなった話。

『心の扉が開くとき』 ~二十年来の悩みに解決の光が!~ 悩みを聞き、それらの出来事の意味を紐解いて見せることで、一人の女性が劇的に変わってしまった話

10ヶ所転移の大腸癌から6年半経っても元気でいるワケ(19)

大企業で働く元高校球児の営業マンがうつ病となり、初めて訪れた甲子園で元気をもらった話。

涼子 鈴木さんの他のストーリー

  • アルコール依存になりかけの話

  • 涼子 鈴木さんの読んでよかったストーリー

  • あいりん地区で元ヤクザ幹部に教わった、「○○がない仕事だけはしたらあかん」という話。