夫にちゃんと伝えられればいいなと思うこと


幸せです感謝



2017年6月、私は仕事を辞めて求職中。育児休業以来の専業主婦に甘んじておる。


今日はモヤがかかった梅雨時の晴。


子どもは学校、仕事が休みの夫は家でゴロゴロしながらネット、眠くなったら眠ると好きにしている。夫は寡黙までは行かないが言葉数少ない人だ。


天気予報では明日から曇りと雨が数日続くと聞いて私は朝から洗濯機を3度回して干した。


天気の日に掃除と洗濯をして干すのは一番好きな家事。やわらかい幸福な光に包まれている感じがする。


洗濯ものが午前の日の下でゆれるのを自室から眺める時間。カーテン越しの午前の太陽光。素敵だ。仕事をしているときは一週間に一度しか味わうことができなかった。


 この時間があるのは夫のおかげだな。

次の仕事に就くまでの間、「金銭的には心配ないぞ」というような態度だったのでこれはこれで甘んじてしまう事にした。

夫がいなければこういう日々を一生味わうことはなかっただろう。

夫には「家族は俺が養う」という思いがどっかに見てとれる。

家族で支え合ったり、夫が経済的に支えるのはこの日本ではまだごくありふれた日常かも知れない。でも私にそんな夫がいるなんて夢のような事に思える。


 つい先日まで、休日に寝てばかりいる夫に私は怒り心頭。一緒に住んでいるのに私はほったらかし。でも、あるセラピストのセッションを受け長年考え続けてきた問題を2つクリアする仕上げを手伝ってもらったところ、幼児期からの願いを思い出し180度感じ方が変わった。



私の幼児期の願い

幼児期の私
家族が帰ってきたらお母さんが笑顔で待ってたらいいなー。
今私
そんな願い忘れてた。
あら、今叶えられるじゃん。私が笑顔でお帰り言えばいいだけじゃん。
幼児期の私
そうだよ。何で今まで無視したの?
今私
ほったらかしてたのは私で怒っていたのは幼児期さんの方?!


この凄くありふれた願いを思い出したら充足感がうまれ、感謝が沸き上がり「感謝」の言葉の意味を初めて感じた。全く怒りが沸いてこない。実は怒りの原因は夫では無く、私が幼児の時の母親が原因だった。


夫は仕事の休みの日に思いっきり寝る。夫は休みの日は沢山眠ることが自分のなかで一番大切な事だと以前に言い放った。 だから、これは私も大切にしたい。

 なんて、以前は思わなかった事。


昼近くに3度目の洗濯ものを干している時に結婚前に夫が言った言葉が頭に浮かんだ。

若かりし夫
子どもができたら、俺が責任取るから。
あの時、夫は真剣に私の事を考えて付き合っていたんだな。
若かりし夫
気づくの遅いよ・・・(10年経ってるよ)


一人ベランダで遠い目で甘い気分になった。



 でも、言われた当時の私は一人で生きていく事しか想像できなくて、結婚の「け」の字も考えていなくて人生で頼りにできるのはお金。そのためには仕事が一番大切だった。奴〈若かりし夫)が言っていることが本気かなんて事も分かる必要なくて、妊娠しないように婦人科でピルを処方してもらって普段から飲んで避妊をきちんとしてた。無月経で通院経験があるので全く婦人科には抵抗なかった。万が一妊娠が分かったら速やかにおろそうとも考えていた。(今思うと色々とつっこみを入れたくなる。)

未婚で妊娠して騒ぐのも嫌だったし、自分が子どもを幸せに育てる自信もない。何より奴が逃げるかもしれない。

(※ピルで避妊できる事は経産婦さんだったら指導をうけるので知っている方も多いですが、義務教育期間中に男女ともに教えるべきだと思う。飲んでおけば生理も安定して避妊もできる。育てられないのに妊娠をするという悲劇を減らせると思う。なんでも無くても女性が婦人科に何度か行く機会を設けるべきだと思う。)

ピルのおかげで妊娠の確率は至極低い事も奴に伝えていたが、理解できないらしく度々奴は言った。

若かりし夫
子どもができたら俺が責任とるから

楽しそうである。むしろ、できてほしくらいの雰囲気があった。結婚がしたいとしきりに言っていた。

若かりし夫
30歳過ぎの、いい大人ができちゃった結婚とかどうなんだろー♬
・・・。
(起こってもいない事妄想して楽しそうだな。)

結婚という選択肢を全く持っていなかった私に事あるごとに「結婚」の単語を浴びせかけた。その努力の甲斐あって夫は私と結婚した訳である。それと、私の潜在意識に埋もれた幼児期の願いが一致していたから結婚したんだと思う。


無意識の中でこういう事になって結婚した。

幼児期の私
お嫁さんになりたい!!
結婚前の私
よく分からんが結婚してみよう。
うまく行かなかったら離婚すればいいし。
幼児期の私
わーい(*´▽`*)お嫁さんだー!
嬉しいなー。


 話を戻そう。

しかし、当時の私は摂食障害が小康状態で心がほとんどの部分凍結していた。人の心とか言葉に乗せた感情を信じない、心が存在するのかを疑っているような人間だった。言葉なんて形式的なもの、どんな感動的な言葉も物語も心には届かなかった。こんな人間に若かりし夫の「責任取る」の言葉はピンとこない。

そして、吹雪が吹いているくらい凍えた心の中で

結婚前の私
ピル飲んで避妊してるからできないって言ってるのに「できたら」なんて何を言ってるんだこの人は。


結婚まえの私
それに、この世の幸福の存在を疑っている私が母親になったら、生まれた子どもは生きること自体を辛いと思いながら生きなきゃいけない。

もう一つ小学校一年生のある日から思い続けてきたことがある。

小1の私
こんなに太い脚で私が悩んでいるから生まれた子どもも脚が太くなって可哀想。
  だから絶対子どもは産まない。

好きだと思っている時期は一緒に過ごしたらいい。妊娠したらおろすし、結婚しない。


・・・・・・・・・・・


 お試し気分ではないが、夫以外に私に結婚してくれという男性がこの先現れる気もせず、人生の勉強と思って結婚を決意した。そして、結婚生活が始まると以前と変わらない暮らしをしているにも関わらず幸せ感が山頂近くの湧水みたいにチョロチョロ湧いてくる。

そう、無意識の中の幼児期の私が喜んでその喜びが幸福感につながっていたのだろう。

そして、産まないと思っていたのに今では子どもを一人授かって育てている。


 夫に出会ってから10年になろうとしている。今の私は結婚前に想像だにしなかった幸福感に包まれている。理由は心の囚われを一つずつ外しているからだ。

この「責任取るから」を思い出して今噛みしめていると、当時は全く甘さを感じなかった夫の心からの言葉が味わえた。私にかける夫の言葉は少ない分、優しくて反芻すると、じんわり暖かい。

今日、私の当時凍結していた心の中でフリーズドライ果物みたいに、長期保存された言葉が時を経て解凍されて甘さとおいしさそのままに蘇った。

心の氷が溶ける度に一つずつ出てくる言葉。

 

 夫はほとんど自分から喋りかけてこない。私の名前を呼んだこともない。家にに居ればグースカ寝て、甘くも辛くも、祭りもない生活を維持している夫。感謝した。

夫と一緒になってからの人生はその前とはくらべものにならないくらい幸せだ。

年数が経つほど幸福度が上がっている。

前よりも夫が好きで感謝がいっぱいだ。


この幸福感、夫に分けてあげたい。

夫に伝えよう。


著者の堺 良枝さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。