東大生のリアルすぎる就活日記【第一話】

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まえがき

地方から出てきて大学に入ってサークル、バイトそれなりに楽しくやっていた僕。そんな僕の前に突然得体の知れない怪物が立ちはだかった。この得体の知れない怪物に一年もの間、悩まされ続けるなんて当時の僕には知る由もなかった。


僕の体験記

2016年6月1日。僕は東京大学に通う三年生。友達が行くというのでなんとなくインターンシップ合同説明会たるものにきてしまった。この時の僕はこれが長い就活というトンネルの入り口になるだなんて思ってもみなかった。


僕は開場時間よりも少し早くついた。一方友達は僕を誘って癖に寝坊して遅れてくるらしい。


早くきた人は入り口の前で待機させられていた。周囲を見ると僕も含めてみんな黒のスーツに身を包んでカバンも四角い黒のバッグを持ち綺麗に整列していた。鈍感な僕でもこの光景は異様に思えた。


これが世に言う就活なのか・・・



開場と同時に人が流れ込む。各ブースにいる企業の人も大声を張り上げている。会場の地図は事前にもらっていてある程度目星をつけていたつもりだったけど会場内は騒然としていて右も左もわからなかった。


歩いているだけでキレイな女性社員の人やパリッとした若手イケメン社員の人に声をかけられる。よく知らない会社でもこれだけ熱烈に声をかけられると根性がひん曲がった僕でも嬉しくなる。


この感じ何かに似てるなあ、と思った。


そう、大学生ならみんな経験しているはずの新歓活動そっくりなのだ。


とりあえず、話聞いていかない?とりあえずここに座って!


2年ほど前に受けた新歓活動のノリと一緒だ。




僕は2年前の新歓でキレイなテニサーのお姉さんの話を聞きたかったのに全く興味のない応援部やラクロス部のブースで体育会系のマッチョなお兄さんにすごく熱いお話をされてリアクションに困ったのを思い出した。




そんな風に戸惑いながらも僕は最初に外資系のコンサルティング会社のブースに行き席に着いた。なぜ外資系の戦略コンサルティング会社にだったかというと、横文字が並んでで強そうだったのと、戦略とかコンサルティングというのがカッコよさそうだったからというだけだ。コンサルティングとは何かなんてちっともわかっていなかったが社員の人もイケメンだし何だかすごい会社のような気がして説明を聞くのを心待ちにしていた。


周りを見ると最初は席にも空きがあったのだが、説明が始まる前に後ろを振り返ると何と立ち見の学生であふれかえっていた。全身黒ずくめの集団が揃ってモゾモゾ動いているのはたまに挙動不審になる僕から見ても気持ちのいいものではなかった。


説明ではイケメンの若手社員が丁寧に説明してくれたのだが、とりあえず社員はエリートっぽくてすげーということと世界的に有名な会社らしいというのはわかった。

また会社に入るにはインターンをとりあえず申し込めばいいらしい。説明が終わると、英語は必要なんですか?インターンの選考はどのように行われるんですか?などの質問が飛び皆持参した手帳に質疑応答の内容を書き込んでいた。

僕はというと手帳とかは用意していないものの流石に何にも書かずにぽけーっとしてるのもマズいと思ってカバンに入っていた汚いルーズリーフに汚い字でメモを描きこんでいた。



質疑応答が終わるとそこで解散となり、次の企業ブースを探す。色々な企業がブースを出しているが混んでいるブースと空いているブースは意外にもはっきりしていた。


混んでいるのは大体、大手通信会社や銀行、メーカーなど一度は名前を聞いたことがあるような有名企業だった。僕も御多分にもれずCMなどで聞いたことがある企業をあくせくと回っていた。説明の内容はどこも大体会社についての紹介とインターンシップの内容についてだった。ある会社のインターンシップではどうやら新規事業の立案を経験できるらしい。


なにそれ。かっこいいじゃん



他の会社ではどうやら会社のこれからの戦略を考えるらしい。



めちゃかっこいいじゃん



ある企業ではお金も出るらしい。一日8000円で5日だから4万円。



バイト減らせるじゃん



てっきりインターンというと机を与えられてバリバリ働かせられるものだと思っていた僕は説明を聞くにつれ段々テンションが上がってきた。カッコ良さそうで華やか。しかもスマホでググるとどうやらインターンから特別ルートで内定まで出ちゃうらしい。最高ではないか。





次に訪れた日系のコンサルティング会社ではITに関連したコンサルティングをしているらしい。コンサルティングもイマイチよくわかっていなかったがITと関連した、と言われてもさっぱりわからない。


パソコンを使って何か提案でもするのだろうか。そんな程度のイメージしか湧かない。またそこでの担当者はグローバルに働くならば、外資系の日本支社に所属するよりも日系の方がオススメだと言っていた。あれ、さっきと話が違うような。さっきの外資系の会社もグローバルな感じ出してたけどなあ。結局、コンサルティングもITもグローバルもとにかくカッコ良さそうだったのでどちらの企業もインターンにエントリーすることにした。




ブースを色々と回って、特には立ちながら説明を聞くのにも疲れた僕は空いているブースを見つけた。ブースの中の椅子に座っているとおばちゃんに声をかけられた。


「新聞て普段読んでいますか?」



「いえ、読んでないです」



そう答えるとおばちゃんは雄弁に就活における新聞の重要性について語り出した。


納得いく就活にするためには幅広い業界の情勢について詳しく知っておかないとね。


ふむふむ、確かに今日説明を聞いてもさっぱりわからなかった。


そのためには新聞はとてもいいツールなのよ。


ニュースとかネットでもなんとかなるような気もするけど確かにそうかなあ。


今ならすぐ購読できるわよ。


そうなんですか、ところでおいくら。えっ、月4000円うーん。4000円あれば一回合コンにだっていけるし漫画も何冊も買える。やっぱりいいです!


せっかく休憩できそうな場所を見つけたと思っていた僕はそう言って泣く泣く席を立った。


いよいよ疲れた僕は友達に連絡して会場を出た。しばらくする友達もかなり疲れた顔をしてきて出てきた。大体4、5時間はいただろうか。次から次へと訳も分からないまま情報の波に晒され、また人でごった返している会場はまさに戦場だった。




当時の僕に一言


テキトーに合説行くくらいならひたすらググれ!


恐らく、合同説明会に足を運ぶ人は就活を始めたばかりの人がほとんどに違いない。実際僕もそうだったし、今思えば企業側もそれをわかって細かい業務の話などはせずHPを見ればわかるような浅い情報を伝えていたのだと思う。


ただ、合同説明会にすごく満足している学生ってどれくらいいるのだろう。


大体の企業の説明は大雑把だし、足を運んでいるブースも今まで知っている企業が多い。僕のようなミーハーな就活生も多い。


もし、いい点があるとすれば今まで知らなかった企業で良さそうな企業が見つかる(ちゃんと興味のない企業まで見れば)ということと企業の人事担当者を直接見ることができるとかかな。


今でこその視点だけど企業も合同説明会に出展するために結構なお金を払っており、安くないお金を払っているので説明をする人は社内でもエース級を用意しているはずだ。実際説明している人はパンフレットに載っていたりする(笑)もし説明会で話している担当者がイマイチだということはその企業はその程度の会社だということだ。当時の俺、参加するならそれくらいの心意気で参加しろ。


しかし、合同説明会で得られる情報などはその程度なので、当時の僕にはとにかく先輩に話を聞くということと興味を持った会社のHPをくまなく見ろと言ってやりたい。


一つ目の先輩に関してはこの時期にもなると一つ上の先輩の中には内定を持っている、もしくは就活終盤の人がいるはずだ。先輩たちは長い人だと一年ほど就活をしているので持っている情報も多い。


特に優秀な先輩に話聞きにいかんかい。


二つ目のHPはこの時期に限らず、企業のHPというのは大体業務のこと、中にいる人のこと、(上場企業なら)財務のことなどが書いてあり情報の宝庫なのだ。説明会に行くにしても気になった企業のHPを見てから行かんかい。


当時のこんなミーハーな僕にはゲンコツをかましながらググレカスと言ってやりたい。

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