コンタクトレンズ

私は視力が悪いので、コンタクトレンズを付けている。

ある日、街中を歩いていると、強風が吹いて、目の中にゴミが入り込んだ。

コンタクトレンズを装着している状態で、目の中にゴミが入ると、とてつもなく痛い。

私はコンタクトレンズを外そうと、近くのデパートの洗面所にかけ込み、鏡の前でコンタクトレンズを外した。

強い痛みで慌てていたせいもあって、手元が狂いコンタクトレンズを落としてしまった。

使い捨てのコンタクトレンズではないので、無くしてしまうのは非常に痛い。

なので、私はコンタクトレンズを必死に探した。

すると、洗面所の排水口の銀色の栓の上に乗っかっているコンタクトレンズを見つけた。

「助かった」と思い、私はゆっくりと手を伸ばし、慎重にコンタクトレンズを取ろうとした。

が、蛇口が自動だった。

伸ばした手にセンサーが反応し、水が勢いよく流れ出した。

コンタクトレンズは私の希望と共に、排水口に流れて行った。

鏡にはボヤけた自分の顔が映っていた。

文明の落とし穴を実感した。

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