バンドのツアー:男ばかりでラブホテル(死語)に泊まるの巻

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1980年前後に私が参加してたバンド、クロスウィンドのお話...


●クロスウィンドは、こんなサウンドだったりして...


(この文章は1998年頃に自前ホームページのエッセイコーナー用に書かれたものを加筆訂正しています)


 バンドのツアーというのはだいたい貧乏旅行のパターンが多い。現在のようにレコード会社とバンドがガッチリ組んでプロモーションを行なうような場合には、そうじゃないかも知れないけど、総じて金無し旅行のケースがほとんどだ。


 で、当然東京のバンドが関西なんかに行った場合まず困るのが泊まる所。機材と人間の移動は楽器車でまとめてやるのでいいけど、ライブ終了後そのまま東京に帰ってくるってのは別として2〜3泊で関西方面を回るなんて場合にはなかなか大変だ。通常ホテルで一番安いのが簡易旅館みたいな所だろうけど、これはいくらなんでもバンドマンが泊まるにはつらすぎる。というわけで、多くの貧乏バンドに愛用されてるのがいわゆるラブホテルである。今でもラブホテルなんていう言い方すんのかどうかしらんが...


クロスウィンドの場合、関西に行くと神戸のチキンジョージの関連施設に泊めてもらうケースが多かった。チキンジョージの関係者のお父さんはどうやらその辺一帯の歓楽街で色々なお店を経営しているらしく、須磨の辺りにあったホテルファンタジーといういかにも、って名前のラブホテルも経営していた。そういう理由もあってツアーというとラブホテルにタダで泊めてもらう、というのが定着したのである。


 私とドラムのそうる透&彼のボーヤは煙草を吸わないのでたいがい一緒の部屋。当時のラブホテルはお風呂場の壁がガラスで中が透けて見えるというシカケになってるんだけど、はっきり言ってそうる透の裸なんざ見てもちっとも楽しくない!!!お風呂から上がって透君と話をしながら彼がゴロっと寝っころがってベッドの上のラック下に手を入れたら何かあったらしく「なんだこりゃ?」と言って引っ張り出してみると、コンドームの空き袋が!「ぎゃー!」と悲鳴をあげたりしました。ラブホテルには当然バンドメンバー全員で入るわけなんだけど、タイミングが悪いとホテルの中でカップルとばったりはちあわせしてしまったりする、そういう時はみんなで「オッス!」とカップルに向かって最敬礼する事にしていた。


 ただしラブホテルも土日はやはり稼ぎ時。土曜の夜にライブがあった日などはホテルが混んでいて泊まれないので、朝まで飲み明かし(飲めない私とそうる透は大変である)、そのまま昼近くまでライブハウスの前の路上でボンヤリと時間をつぶし、ホテルが空いた頃にゴソゴソと戻って行くというパターンを繰り替えした。そういう時に限って楽器車が故障して後ろのドアがしまらなくなるなんてトラブルが発生し(泣きっ面に蜂ってやつだな)しかたがないので大阪から神戸までの移動は冬だというのに壊れたドア側の窓を全開にして後部ドアの窓と前部窓をガムテープでグルグル巻きに固定して、高速道路を走るなんていう無謀な事をやった。


 バンドマンの生活というと昼近くになって起きるわけだけど、私とベースの小林君が二人でラブホテルから出たら路上で普通のサラリーマンとバッタリ出くわしてしまった。本当は他のメンバーも一緒に外に出たはずだったのにみんな裏切って出て来なかったおかげでサラリーマンには私と小林君がホモカップルに見えたらしく、200メートル位先まで歩いて行ってもこちらをふりかえっておられた。私と小林君は「いやー仕事でこんなとこ泊まるのも大変たよねー」と大きな声で誤魔化したけど、信じてもらえたかどうか...


 というような話を今になって結構有名なミュージシャンと話したりすると「ああ、俺もそういうのあったあった」と共感を得っちゃったりする。ま、みんなそれなりに苦労してるわけです。


ーーーーーーーーーー こちらも、よろしく〜 ーーーーーーーーーー

それ行けシンセ女子!


こちら声優探偵団



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安西 史孝

うる星やつら、Basara、はなまる君、ボンバーマンビーダマン、あらしのよるに、なんかのアニメの音楽を書いてる音楽家。 元 Jasrac 評議委員

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安西 史孝

うる星やつら、Basara、はなまる君、ボンバーマンビーダマン、あらしのよるに、なんかのアニメの音楽を書いてる音楽家。 元 Jasrac 評議委員

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