欧米人とつきあうためののキリスト教の基礎知識(3)
欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(3)
私の通っていた四日市の教会は、四日市駅の近くにある立派な建物だった。教会に集うメンバーは貧乏そうだったから、とても土地を買ったり建物を買ったりする経済力はなかったはずだよ。
つまり、私がお世話になったプロボのバンフリートさんとか、ローガンのブレアーさんたちの献金からお金が出ているはず。
よく日本の人たちは
「宗教なんて、怪しい教祖の集金マシーン。メンバーは頭が悪い」
と言う。確かに、そういう怪しい宗教は多い。私も最初は、疑っていたんでね。でも、私は今どうしてこの文章を書いているのだろう。お金にならないよ。時間と労力はかかるのにね。
それに、モルモン書には古代アメリカの民族の歴史が書いてあるだけ。正直に言うと、30年読んでいるけどよく分からない部分も多い。そりゃ、そうだよね。4000年前のノアの箱舟から、2000年前のイエスの出現まで2000年。
イエスが処刑されて、さらに2000年。書かれている内容が本当なんだと分かるまで、1000年単位の時間経過が必要らしいんですよ。
私は、京都大学を7回受けて、数学は7割正解です。普段は、数学を指導している理系講師です。証拠のないものなんぞ信じませんよ。でも、そんな私が聖書を信じるクリスチャンなんです。
やっぱり、これはみんなに知らせておいた方がいいと思うんです。聖書の中身ね。欧米人と接する機会が増えているから。ちょっと、引用してみましょうか。
19 そこでわたしニーファイは、 兄 たちの 心 がかたくななためにひどく 悲 しんだ。すると 兄 たちは、わたしが 悲 しみだしたのを 見て心の中で喜び、わたしのことでうれしく思ったほどで、このように言った。
「おまえに 船 が 造 れないのは 分 っていた。 分別が足りないからだ。おまえには、そんな 大仕事を成 し遂げることはできない。20 おまえは、心に浮かぶつまらない 空 想 に 惑 わされた 父 によく 似 ている。まことに、 父 は 我々 をエルサレムの 地 から 連 れ 出 し、 我々は 長年の 間 荒れ野 をさまよってきた。そして、 我々の 妻 は 身重の 体で身を粉にして働き、 荒 野 で 子を 産 み、ただ 死 ななかっただけであらゆる 苦しみに遭 った。 妻 たちは、このような 苦 難に 遭うくらいなら、エルサレムを 出 る 前に死んだ方がましだった。
2000年前のエジプト付近で起こったことらしいのですけど、まさに現代日本でも起こりそうな兄弟喧嘩ですよね。でも、ただの兄弟喧嘩なら、どこにでもある話。だれも読まない。
でも、このニーファイ第一書には、エルサレムが破壊されてユダヤ人は散り散りになるとか、異邦人に教えが渡り、それがまたユダヤ人にもどってくるような記述がある。
実際にユダヤ人が世界中に散らばって、第二次世界大戦後に今のイスラエルが建国された事実を私たちは知っている。聖書の記述がその事実を指すのか違うのか。
私にはよく分からない。私は大都市エルサレムで安楽な生活があったとしたら、父親が「荒れ野に行く」とか、弟が「船を作るぞ」とか言ったら
「何をバカなことゆーてんのや」
と反抗する兄のように振る舞いそうです。
70年以上戦争がなくて、平和ボケしているといわれる日本人。もし、今の生活を捨てて砂漠をさまよう提案をされたらどうですか?あなたも、レーマンと同じではないですか?
考えてみれば、プロボで私を同居させてくれたバンフリートさん。ローガンで私を同居させてくれたブレアーさん。日本と戦争をしていた世代の人たちでした。どうして、敵国だった日本の青年を同居させてくれたんでしょう。
そこには、「自分さえ良ければ」という感覚と違うものを感じました。日本で塾経営をしていると、毎週のように不愉快なことが起こります。無謀運転に、いたずら電話。ワガママな塾生や保護者の言動。
ところが、アメリカでは怒ること、不愉快なことがほとんどありませんでした。それは、
「怒る人より、怒らせる人が悪い」
という教会の教えのせいだと、しばらくしたら気づきました。
イエスの教えのとおりに生きる人たちの社会がどういうものか、実物を見てしまったんですね。2000年後に、こんな社会ができることを聖書を書いている人は見えていたかのようです。
これは、どういうことなんだろう?クリスチャンの人は、みんな考えているはずなんです。時間に追われている現代日本人の人たちの多くは、荒れ野で8年間もさまようなんて、悪夢ですよね。たとえ、それが神様の命令であっても、
「冗談じゃねぇ」
と叫ぶんじゃないですか?私も、そっちの人間かもしれない。でも、神様の御心は計り知れないんですね。私の短い経験を振り返っても、大失敗やら、ムダな時間と思っていた時期があとで重い意味を持ってたと思えることが多いんです。
でも、私はブログでは書いても、こういう話はごく一部の生徒にしかしません。日本では、宗教について語ることが、なぜかタブーなんです。
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