欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(7)

欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(7)

 このニーファイ第二書には、ヨセフの話が書いてある。ヨセフというのは、旧約聖書に出てくる、イスラエルを飢饉から救った人物です。

「今のオレになんの関係があるんねん?」

 と、思いましたか?ヨセフの英語名は、ジョセフ。このモルモン書を神様から預かった預言者のジョセフ・スミスと同じ名前です。どうして、モルモン書に旧約聖書の登場人物が出てくるかというと、聖典というのは一つの流れだからです。

 旧約聖書、新約聖書、コーラン、モルモン書。信じるか否かは別にして、全て同じ神様の話なんだから、繰り返し同じ登場人物が現れる。そして、その名前を持った登場人物と同じ名前の上司や友人がそのうち出来るのでは?

 ちょっと、思いつくのだけ挙げても

 メアリ  (マリア) イエス・キリストの母親

 マイケル(ミカエル)大天使

 ピーター(ペテロ) 十二使徒の筆頭

 ジョン  (ヨハネ) 十二使徒の一人

 ポール (パウロ)ローマ帝国に布教

 ルーク (ルカ)  パウロの伴侶の医師

 マーク (マルコ) パウロの伝道に随伴

 どれも聞いたことがある名前ではありませんか?数え上げたらキリがないほど、聖書由来の名前は多いんですよ。それだけ、欧米人にとって、聖書は馴染み深い本なんです。

 マイケル・ジャクソンは、大天使だったんです。ポール・マッカートニーは著名な伝道者だったんです(笑)。

  日本は、第二次世界大戦前に欧米の植民地にならなかった稀な国です。植民地にならなかったのは、アジアではタイと日本くらいなもの。日本が欧米の世界観にすぐに馴染んだのは共通点があったせいもあると思います。

 たとえば、旧約聖書にある次の言葉。

「エルサレムでの王、ダビデの子、伝道者のことば。
 空の空。伝道者は言う。空の空。すべては空。日の下で、どんなに労苦しても、それが人に何の益になろう。
 一つの時代が去り、次の時代が来る。しかし地はいつまでも変わらない。日は上り、日は沈み。またもとの上るところに帰って行く。風は南に吹き、巡って北に吹く。巡り巡って風は吹く。しかし、その巡る道に風は帰る。川はみな海に流れ込むが、海は満ちることが無い。川は流れ込むところに、また流れる」。

 これは、まるで平家物語の冒頭の文章のような世界観だと思われませんか?私には、そっくりに思えたんです。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰のあらはすおごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

 私にとって、聖書の世界は小さい頃に見ていたアメリカのホームドラマの登場人物くらい馴染める世界でした。高校生の頃に読んでいた古典の世界でした。違和感があまりなかったんですよ。

 アメリカに住んでよけいに身近に感じました。

 最後に、改めて自己紹介しておきますけど、私は四日市高校を卒業して、名古屋大学で学び、サラリーマンを2年した後で、アメリカで教師をやって帰国。その後、名古屋の大規模予備校、塾、専門学校で非常勤講師をやりながら、自分の塾を経営してきました。英語検定1級、通訳ガイドの国家試験合格。京大を7回受けて英語は8割、数学は7割正解でした。

 決して、狂信的な信者じゃありません。そんな俗物の私が書いていることを知っておいて下さいね。 

 日本の社会には、難解なキリスト教の解説は山ほどありますが、どれも聖人君子が書いたもののような気がするんです。年表がズラっと並んで、2000年も前の聞いたこともないような人が何をしたとか、わけが分からない。

「そんなこと知って、なんになるの?」

 私は、そんな気がしていたんですね。

 だから、まったくの庶民の一人の私が普通の人目線でキリスト教について書くのは意味があると思ってます。ちょっと、落ちこぼれ気味のクリスチャンですけどね。

 欧米人の友達ができたのは、英語ができたせいもありますけど、クリスチャンに対する理解もあったと思うんです。だから、少しくらいは誰かのお役に立てるかもしれません。

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