欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(16)

欧米人とつきあうためのキリスト教の基礎知識(16)


 少し前にチェーン・メールで知った話を引用させてもらいます。

この話はベトナムで戦って、やっと帰ってきた一人の兵士についての物語です。

 彼はサンフランシスコから両親に電話した。

「母さん、父さん、帰ってきたよ。でも頼みたいことがあるんだ。連れてきたい友達がいるんだ。」

「勿論よ。」彼らは答えた。「私たちもその人に会いたいわ。」

「先に、知っておいて欲しいことがあるんだ」息子が続けた、「彼は戦場でひどく負傷してね。地雷を踏んでしまっ  て、片手片足がないんだ。
  彼はどこにも行けなくて、だから僕は彼と一緒に暮らしたいんだ。」

「それはかわいそうに、私たちがどこかに住める場所を探してあげられると思うわ。」

「違うんだ、母さん、父さん、僕は彼と一緒に暮らしたいんだ。」

父が言った。「息子よ、何を頼んでいるのかわかっているのか?そんなハンディキャップを負った人と過ごすなんて、私たちにひどく重荷になるだろう。自分たちが暮らすのが精いっぱいだというのに。さっさと家に帰ってきて、その人のことは忘れてしまいなさい。彼は自分で暮らす方法を見つけるよ。」

  その時点で、息子は電話を切った。両親はそれ以上、何も聞こえなかった。

数日後、彼らはサンフランシスコ警察から電話を受けた。彼らの息子はビルから飛び降りて死んでしまったと伝えられた。警察は自殺だと疑わなかった。悲しみに沈む両親はサンフランシスコに飛び、市の死体安置所に息子の体を探しに行った。そしてつきとめたが、彼らが知らなかった事実に戦慄した。彼らの息子は片手片足だった。

  私たちの多くは、きっとこの物語の両親と同じではないだろうか。私たちはハンサムや面白い人を愛するけれど、不便をかける人や不快な人は嫌う。健康でなかったり、醜かったり、賢くない人をむしろ遠ざけたいと思う。

ありがたいことに、私たちを決してそのようには扱わない人がいる。私たちがどんなに大失敗しても、永遠な家族として受け入れ、無条件の愛で、私たちを愛してくれる神がいる。

今夜、寝つく前に、神があなたに人々をそのまま受け入れる強さを与えてくれるように、私たち皆が、自分と違う人を理解できるように、小さな祈りを捧げよう。

 私たちは、美人やイケメンが好きです。頭のいい人が好きです。稼ぎの良い人を称賛します。オリンピックや甲子園では、アスリートたちがチヤホヤされます。逆に、身体障害者を嫌う人が多い。勉強ができないと、就職や結婚さえ難しい。運動ができない人も、運動オンチと陰口をたたかれる。

 日本人は、スローガンが大好きだから

「差別はやめよう!」

 と、叫ぶ以外のことは何もしない。でも、叫んだところで人間の中身は何にも変わらないんです。急いでいるのに、ATMの前でグズグズしている人にはイラつきます。口臭や体臭のキツイ人と隣り合わせに座るのは気分が悪くなります。

 人間だから、しょうがないんですよね。

 だから、はっきり認めて対策を立てないと、犠牲者が増えるだけ。ATMの台数を増やすとか、口臭や体臭をおさえるための石鹸や薬品を開発する。とにかく、あの手この手をやるしかないんだよね。

 学校のイジメ隠蔽みたいに

「なかったことにしよう」

 というのが、一番よくない。しっかりと現実を見つめて、対策を打つしかないんだから。

 ところが、日本では議論さえ許されないんだね。この世に、外見や学歴で人を判断するような人はいてはいけないような教育をする。だから、小学生も中学生も

「ボクは悪い人間なの?」

 と、自分の本音を隠すことが習慣になってしまう。でも、クリスチャンは、違う。聖書には、日本人ならダメダメ人間と烙印を押されるような人間がいっぱい出てくる。人間なんて、全員不完全なんだという前提で書いてある。

 先に引用させてもらったベトナム戦争の帰還兵の話も、本当に戦争の悲惨さ、人間の自分勝手さを見せつけていますよね。人間って、聖人君子なんていない。そこから話を始める。

 それが、日本人とクリスチャンの考え方の違いの1つだと思います。


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