22歳の女の子が現場監督として働いて見た、建設業の現実と問題 6

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Bさんからのメールを返さなくなって数週間


ある人の態度に少し違和感を覚え始めた。





そう、それは上司のAさんだった。



いつも明るく元気に挨拶をしてくれるAさんから

突然挨拶がなくなったのだ。


最初は聞こえなかったのかもしれないと思って

何も気に止めてなかったのだが


少しだけ嫌な予感がしたのを覚えている。





そんなことを悟り始めたある日

現場の飲み会が開催された。


飲み会と言ってもすごく大掛かりなもので

現場の敷地内にBBQ会場を設けた

野外フェスのようなものだ。






特設ステージもあったりと

現場内は大きなお祭り状態で


その日はいつもより仕事を早く切り上げて

職人さん、上司たちとみんなで楽しんでいた。



その時


職人さん
あのー。



と見知らぬ職人さんから声をかけられた。



聞くと、Aさんから伝言を頼まれたので

ついて来てほしいとのことだった。


その時Aさんは特設ステージのような場所で

ビンゴ大会の司会を行なっていた。


よくわからなかったが

とりあえずついていくことにした私。


連れていかれた場所は

職人さんたちの更衣室兼休憩所だった。



そしてそこで


職人さん
これをAさんから預かって来ました



と袋を渡された。




中身は



制服だった。





そう、いわゆるコスプレだ。



一瞬何のことかわからなかった私


ただ、状況や雰囲気を読むと


Aさんはこの制服を着させて

ビンゴ大会のプレゼンターか何かにさせたいのだろう

と悟った。


だがさすがにノリのいい私でも


いきなりこんなことを頼まれて

何百人の知らない男性の前でコスプレを披露するなんて

すぐに承諾できるわけもなく



無理です!できません!



と何度も断ったのだが



職人さんたちが囲んでくる圧迫感

Aさんがこっちに向けてくる厳しい視線


新入社員の私には拒否権がなかった。




渋々更衣室に入り


涙を浮かべながら

私はその袋の中の制服を取り出した。


そしてあることに気づいてしまった。



このスカート短すぎない?


コスプレの服の丈はこれが常識なのかわからないが

普通に着てもちょっとでも

しゃがんだら中身が見えてしまう

それくらい短いスカート。


しかもその日は、風が強く

すぐにめくれてしまうのが目に見えてわかるほどだった。



え?

本当にこれを着るの?


混乱しかなかった。


そして気づいた。


これはAさんからの嫌がらせだと。




頼みごとなら

私よりもっと親しいCさんにいつもするはずだ。


それをあえて私にしたのは


大勢の人が注目する中

コスプレをさせて

あわよくばパンツが見えて恥ずかしい思いを

させたかったからだろう。



どうしよう。


でも着ないという選択肢はもうない。


でもこんなの着たくない!



混乱と焦りと悲しみが渦巻いていた。



そして私は扉を開けた。



読んでよかった
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井上 美結

過去に現場監督として働いた経験から そこでのハラスメントや嫌がらせをきっかけに建設業の働き方に疑問を抱く。 建設業で働く女性がストレスなくより働きやすくなるために 建設業女性に特化したマッチングサイトの運営を準備中。

井上 美結さんが次に書こうと思っていること

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井上 美結

過去に現場監督として働いた経験から そこでのハラスメントや嫌がらせをきっかけに建設業の働き方に疑問を抱く。 建設業で働く女性がストレスなくより働きやすくなるために 建設業女性に特化したマッチングサイトの運営を準備中。

井上 美結

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