22歳の女の子が現場監督として働いて見た、建設業の現実と問題 8

このエントリーをはてなブックマークに追加
19

Aさんからの嫌がらせが始まって

1ヶ月以上


この時の私は精神的にボロボロで



「ただ頑張ってるだけなのに

なんでこんな目に会わなきゃいけないんだろう」


「女性として生まれてこなければ

こんなことにならなかったの?」


「女性に生まれてこなければよかった」


そんなことを自問自答をする日々が続いていた。




女性だからって珍しがられることは別に問題じゃない


女性だから色目を使われることも仕方がない


ただ、メールを返す・返したくらいの

くだらないやりとりと

仕事での扱いを一緒にされたことに腹が立った。



上司や先輩に相談しようとも思ったが

他の社員からしてみたら

悪口のように聞こえてしまうのではないか

という恐怖感で誰にも相談できず



現場で泣き顔は見せたくないという

信念があった故

行き帰りの電車でうつむいたたま涙を流し



家では心配かけまいと

親には何も言わなかった。





ただ私は仕事を頑張りたい。


早く施工図を書きたい。


そしたら現場の仕事をしなくて済むから

Aさんからの嫌がらせだってなくなる。


それだけが私を動かす唯一の原動力でもあった。



だが、そんなたった1つの希望を

打ち砕かれる事件が起きた。



私は、配属当初言われていたように

CADオペレーターの仕事をする予定だった。


しかし配属後一切させてもらえず

ずーっと体力勝負の現場作業。


いつかCADを触らせてくれるだろう。

そう人事の言葉をずっと信じていた。



が、ある日仕事振り分け表を上司からもらった。


そこには現場作業の割り振りと担当に私の名前があった。


なぜ?


私はCADオペレーターじゃないの?

現場作業はやらないって言ってたよね?


その旨を工事長に尋ねた。


が、工事長から出たセリフは


工事長
そんな話聞いてない。



目の前が真っ暗になった。



本社の上層部の言ってることが

現場の上司たちに伝わっていなかったのだ。




もう、無理。


私の中で何かがプツンと切れた。



CADを触らせてくれる、

施工図を書くという条件で現場に来たはずが


その仕事をやらせてもらえず


ましてや会社内で伝達もできてない。



いつまでたっても

希望の仕事をやらせてもらえないのに

嫌がらせを耐えてまでここにいる必要はあるのか?





そして私は人事部に電話した。




もう辞めたい。

そんな言葉を口から出そうだったが


ぐっと我慢して


言ってることとやってることが違う。

説明して欲しい。



と連絡した。


そして私はすぐに人事部に呼び出された。




コスプレの強要


上司からの嫌がらせ


仕事内容の相違


今の状況を涙を流しながら全て吐き出した。




それを聞いた人事は顔色を変え


人事部
これは、立派なハラスメント、

就業規則違反だ


そして、会社で策をとると話してくれた。



これでAさんから離れられる。

施工図も書ける。

これで、望んでいた仕事での生活が送れるようになる。



心からほっとした。




が、

私の予想とは裏腹な結果で

会社の策は取られたのだった。




それは、


"私を現場から外し、内勤に異動させる"


いくつもの責任者にもなっているAさんを現場から外すのは

非常にリスキーだったため


女性ゆえ、力仕事も一人前にできない

要はこの現場のお荷物のような


若手の私をこの現場から外すことが

最善の策と考え


私はすぐに

現場から異動することになった。






女性活用という世の中の流行に乗って

建設業も女性の総合職を受け入れはじめたと思う。


だが、所詮は見よう見まねでしかなく

上層部がどれだけ女性活用を推進しようが



結局一緒の職場で働く人たちが


女性を活用する意味


どんなメリットがあるのかを


ちゃんと理解できずにいたら意味がないのだ。



だから、女性を採用するだけして

とりあえず現場に出してみて


うまくいかなかったら

「じゃあとりあえず内勤にするか。」

で終わり。



こんなの何度やっても意味がないし

ただ辛い思いをする女性が増えるだけだ。



建設業で働く女性の人生は

会社の実験のためにあるわけじゃない。




そして内勤に異動した私だったが

ここでも問題は発生するのだった。





読んでよかった
このエントリーをはてなブックマークに追加
このストーリーをブログ等で紹介する

井上 美結

過去に現場監督として働いた経験から そこでのハラスメントや嫌がらせをきっかけに建設業の働き方に疑問を抱く。 建設業で働く女性がストレスなくより働きやすくなるために 建設業女性に特化したマッチングサイトの運営を準備中。

井上 美結さんが次に書こうと思っていること

|

井上 美結

過去に現場監督として働いた経験から そこでのハラスメントや嫌がらせをきっかけに建設業の働き方に疑問を抱く。 建設業で働く女性がストレスなくより働きやすくなるために 建設業女性に特化したマッチングサイトの運営を準備中。

井上 美結

過去に現場監督として働いた経験から そこでのハラスメントや嫌がらせをきっかけに建設業の働き方に疑問を抱く。 建設業で働く女性がストレスなくより働きやすくなるために 建設業女性に特化したマッチングサイトの運営を準備中。

井上 美結さんの他のストーリー

  • 22歳の女の子が現場監督として働いて見た、建設業の現実と問題 9

  • 井上 美結さんの読んでよかったストーリー

  • 強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話