何も考えていない両親に、家計の状況を聞いてシミュレーションしてみたら、老後破産まっしぐらだと分かった話

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介護破産や老後貧乏といった特集を見ると、前もって家族間でよく話し合いましょう、といった解決方法が書いてあります。


ただ、実際に、家族会議で親の老後のことを聞いたらこうなった、というのはなかなか見かけないので、お盆に帰省したときの(夫の両親との)家族会議の一部始終を書いてみようと思います。




1、家族会議をしようと思ったきっかけ



私(妻)の祖母が亡くなり、私の母から、祖母の家の土地は借りているから、家をどうしたらいいか、と相談がありました。


相続すると、月々2万円の地代を支払い、家の固定資産税1万円を年1回支払い、しかも家の管理もしなければならない。さらに、地主に対して原状回復する義務があり、家を取り壊すには100万円以上かかる、という状況にあると分かりました。


祖母は資産がほとんどなかったため、母は相続放棄をすることになりました。




私の祖母が亡くなったことで、私たち夫婦とも祖父母はもういないのですが、次は、親の老後が待っています。


祖母の相続放棄の一件から、老後の問題は他人事ではない、親の老後について今から考えておかないと、自分たちまで破産しかねない、という危機感が一気にやってきました。


そんなとき、ちょうど帰省のタイミングだったので、(夫の)両親の老後について根掘り葉掘り聞いてこよう、ということになりました。



2、実家での家族会議 -聞き取り編-




家族会議について書く前に、(夫の)両親の状況を簡単にまとめます。


父:65歳。収入は厚生年金。定年退職し、家事やモモ(ねこ)の世話をしている。


母:60歳。収入はパートの給料。国民年金は65歳からもらう予定。


資産:築30年の自宅と、車2台あり。貯金と借金については不明。




実家に着くと、夫はすぐ本題に入りました。

話題が飛び飛びで、まとまりないですが、話の流れは、だいたいこんな感じでした。




夫「この間、涼子さんのおばあちゃんが亡くなって、涼子さんのお母さんが大変だったんだって。それで、ウチはどうかなと思って、いろいろ聞きたいんだけど」


母「なんで教えてくれなかったの?香典とか、何かしないといけないんじゃないの?」


私「いえ。母に聞いたら、お返しも大変だから、何もしないでほしいって言ってました」


父「大変だったって何が?」


夫「おばあちゃんの家は、土地は借りていて、家だけ自分のものだから、どうするのかとか。

  あと、お葬式の費用とか、いろいろ」


私「母から相談を受けて、私たち二人でいろいろ調べて、相続放棄という方法があると母に教えてあげました」


夫「それで、ウチは、貯金っていくらあるの?あと、借金ってあるの?」


父「ぜんぶお母さんがやってくれてるから、大丈夫だよ」


夫「いや、お父さんも把握してないとダメでしょ。で、いくらあるの?」


母「借金はないよ。家のローンも返し終わったから。あんた、財産を狙ってるの?」


夫「逆だよ、逆。何かあったら、自分がお金を出すことになるから、聞いてるんでしょ」


母「貯金は500万円だよ。あんたとお姉ちゃんを大学に出したから、お金ないのよ」


父「そうだそうだ!こんなこと言われるなら、仕送りしないで貯めておけば良かったよ」


夫「だから、一緒に老後のことを考えて、心配してるんでしょ。うーんと、聞きたいことがいろいろありすぎるから、一つひとつ聞くね。まず、生活費。毎月いくらかかってるの?」


母「家計簿付けてないよ」


夫「じゃあ、大体でいいから。どのくらい?」




まずは、毎月の生活費を大まかに確認しました。




夫「あと、この家の修繕費とか、何か大きな出費とかあった?それか、これから何かする予定あるの?」


母「この間、ちょうど天気が晴れてて、良かったのよ。外壁塗装をしてもらってね。100万円でやってもらったよ」


父「2年前に、俺が屋根を塗って、落ちそうになって、命がけだったんだよ。それなのに、この間、お母さんが屋根を見て「剥がれてるね」って言ったから、●●おじさんにやってもらったよ」


母「私が、ちょっと剥がれてるねって言っただけで、お父さん、すぐ●●おじさんに電話して、契約してきちゃったよ。でも、ちょうど晴れてて、塗装もすぐ乾いて、良かったよ。5日間で終わったよ。だから、あと10年は大丈夫そうね」


夫「なんですぐ契約するの?100万円でしょ?もっと安く出来なかったの?」


父「最初、130万円って言われてたんだよ。でも、●●おじさんが100万円で良いって言ってくれて…」




外壁塗装の話が延々と続くので省略します。




夫「外壁塗装の話はもう終わり。今、年金はいくらもらってるの?」


母「あんた、本当に私たちの財産を狙ってるんじゃないよね?」


夫「だから違うって。今、収入がいくらで、毎月いくら使ってるのか、収支を出さないと、老後がどうなるか、ちゃんと分からないでしょ。ねんきん定期便とか、あと、税金の納付書とかある?ちょっと見せてよ」




母に、ねんきん定期便、住民税、固定資産税の納付書などを出してもらいました。




夫「そういえば、車の買い替えとかどうするの?あと何年くらい乗るの?お父さんの車が、もう4年で、お母さんの軽が10年くらい経つよね?」


父「お母さんは仕事があるし、俺も使うから。80歳くらいまでは乗るんじゃない?」


夫「車検もお金かかるし、1台でいいんじゃない?2台も必要ないでしょ?」


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