IT資格ハンター

会社で技術資格の取得で金一封出る制度があった。大体ベンダー資格ってのは下位から取得しなくてはいけなくて、段階的に上位の資格を取っていく。金一封は下位から順に3万、5万、10万、って感じででることになっていた。その制度が会社にあることを知って、私は取得することにした。2006年から2007年のことだ。

私はプロフィールで公開している通り、高卒だ。IT業界に入ったのは2005年のことで、27歳の時だった。SEって響きがいいな、と思ったのが動機で何をやるのか知らないまま、未経験採用の客先常駐型のIT会社に潜り込めたのは、運が良かった。
入社して最初にアンケートのようなものを書いた。
「エクセルを使ったことがありますか。」
「パワーポイントを使ったことがありますか。」など。
私は全部に×をつけた。
「こんな奴初めて入ってきたよ。」  
新人担当の上司がそういった。
それから3ヶ月間の研修でjavaを覚えたんだか覚えてないんだかの状態で現場に行った。この頃の時代は、プロジェクトがやばくなったら人いれればいいって風潮があったから、新人でも需要があった。今は選ばれるから未経験新人が入るには難しくなっていると思う。

それで資格の話に戻るが、私は2週間に一回のペースで資格を取っていった。どうやったかって、電車の往復時間でルールを決めた。
どんなに疲れていても、参考書を開くところまでは絶対やる。ってことだ。
当然疲れているときは一ページも読めないが、そういう姿勢が重要なのだ。
それと試験日を2週間おきに設定していった。
ケツに火がつくと人間は結構力をだせるもんだ。
それで、気がつくと10の資格をとり、会社で一番資格を持っている者になった。
それから、同僚からの質問が増えたり、守備範囲が広がったことで新しい技術の習得も非常に楽になった。
どうやったらそんなに資格とれるんですか?って質問をなんども受け、丁寧にルールの話をしたが、誰一人聞いてきて本当に資格を取った奴がいない。
継続は力になり自信になり責任感に変わっていく。

だが資格を持っているというのは、IT業界で飯を食っていくのに必要かといわれれば、別に必要ない。報奨金を取りすぎたのか会社が金一封をやめたので、私も取得するのをやめた。そんなもんだろ。
良かったと思うのは資格取得で守備範囲が広がり、それによって新しいスキルを早く身につけることができるようになったのと、他者に情報を展開する機会が増えたことだ。
教えるってことについてはなかなか長くなるから、今度書くとして転職のときになにが一番評価されるのかを考えてみると、実績だ。
実績といっても漫然と関わってた開発のことではない。仕事とは別に個人的に作っているもの。これがかなり評価される。ものがあるってのは強い。
だから、IT業界に入ろうと思ってる学生なんかは、サイトなりアプリなり、まともなものを作っとくといい。

ほぼ実力主義だから、若かろうが学歴とかあんまり関係なく、できる人はできるしできない人はできない。
大学行って見聞広めろとかいうひといるけど、別に大学行かなくても見聞広めれるしね。むしろ、生きた現実に直に触れ合うわけだから待ったなしですよ。
待ったなしの状況を克服して行ったりしてるうちに色々見えてくるものがあるし、アンテナの張り方を覚え、一般的じゃない人間とのコンタクトも上手くなる。
別に大学行くことを批判してるわけじゃない。大学でしか学べないこともあるだろう。だが、大学に行かなくても学べるものはあるってことだ。
資格を2週間ごとに取るなんて、誰でもできる、ケツに火がつけばね。

新卒がいっぱいいるだろう。仕事にある程度なれてきたら、資格取得制度があるなら無心でやることをお薦めする。その後、個人的にサイトやアプリなどサービスを構築してみるのもいいだろう。そうした経験が後に生きてくる。
漫然と仕事をこなすだけではもう生き残れない時代に突入するから。

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