社会人になって漏らした話 第三回

前話: 社会人になって漏らした話 第二回
次話: 社会人になって漏らした話 第四回(最終回)
地下鉄は走り出す。



ここで最初の後悔がはじまるのだ。
予想していたラインの3mmくらい上のウェーブが襲ってくる。
たった3mmのウェーブだろ? だなんて簡単にとらえちゃいけない。


それは素人の考え方だ。


しかし耐えるしかない。
『2駅前 →運転中』←イマココ
ここで耐えられれば、つかの間の平穏を手に入れることができることを経験上知っている。
それは、ハンニバルとの同盟を結んだ古代マケドニア王国のようなつかの間の平和だ。

そう、歴史が証明しているのだ。



なんとかUMとの同盟を結び、1つ目の波を乗りこなし、
『運転中→ 1駅前』に近付くにつれ、収まるUM絶対王政。



RPGさながら経験値獲得の音楽を脳内で再生し、
小さくガッツポーズ(もちろん心の中で)。




『1駅前』に地下鉄は僕を運ぶ。

「さぁ、次の選択をするがよい as you like」
あたかもそう言っているかのごとく、ドアという両腕を広げる地下鉄。

新たなる選択が与えられた。



Y/自分を信じて耐える
N/速やかに降車、トイレに駆け込む



そう、同じだ。一見すると前回と同じ選択肢だ。
だが状況は違う。

かたや一つ目の波を乗り越え、経験値・戦闘力をUPさせている自分。
かたや、2回目の波を恐れる自分。その波を乗りこなした漢(おとこ)は自分史上まだいない。


冷静と情熱の間を行き来し、ものすごいスピードで逡巡するも、
漢(おとこ)に与えられた時間は少ない。



思考回路はショート寸前だ。
助けてマモちゃん。
そんな雑念がどんどんと入り込んでくる。
ハンニバル同盟はいつ崩れるかわからん!
ハンニバル法典とかあったなぁ、目には目を的な、てーきーなぁ!?(ザキヤマさん風な感じ)



雑念しかもう入ってこない。


無情にもドアは閉まり、ドアは悲しそうな表情で僕に言う。
「that's too bad...(お気の毒に、、、)」


Y/自分を信じて耐える


の選択を余儀なくされた(余儀なくした)僕は、
新たなる自分への挑戦の旅に出ることになった。



5分後、ザキヤマさんを呪うことになるとはつゆ知らず・・・

続きのストーリーはこちら!

社会人になって漏らした話 第四回(最終回)

著者のますだ かづきさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。