【2】痛みと温度が同居した日 ~ブラウン管の向こうに想像した世界~

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当時10歳のわたしにとって現実は残酷なモノにしか映っていなかった。

学校でのイジメ、両親からの愛を感じられない日々
また 三姉妹の中で一番できない子、という自らが押した烙印。

現実は色味も味気もなく 閉鎖的でした。

子供にとって親というのは 自分の命をつないでくれる存在。
親は数々の選択肢があれど、子供にとってみたら
家の中、そして学校での生活 それ以外の選択肢はなかった。
必死でした。
「嫌われないように 叱られないようにしなくちゃ」って。

なぜそんなにも自分を追い込んだのか。
今ならよく分かるのだけど
わたしはその時から今も変わらず モノガタリを描くのが好きだというコト。

平面よりも立体的に 自分の世界、そして外の世界との関わりを
より ふかく より 人間らしく 彩りたかったのです。

なぜなら 時として現実ではない世界が目の前に広がることがあったから。

目には見えない世界が時折 わたしの中に顕れました。

大人が何を思っているのか、その本心を見抜く力があり
大人の嘘が 不思議に思えていた。大人になるってイヤだなって思った。
また 寝ていると体から自分が抜けて自分を見下ろしたり
近所の様子が映ることがあったり。

現実とゆれるようなその世界とが入りまじり
地に足のつかない日々が わたしにとっての日常だったのです。
そして 当時はその日常に 絶望していました。

だから 
見たことのない世界を見せてくれる ブラウン管の向こうに映る映画の世界は
わたしにとって 希望を与え 可能性を示してくれる唯一の居場所だったのです。

映画は 想像力を与えてくれました。
色気も味気もないわたしの世界は 一変してカラフルになったのです。

映画を観る度に ブラウン管の向こう側に自分を観るようになっていき

セリフや時折 ウタを口ずさみながら
もしも自分がこの役を演じるのだとしたら
こんな風にその世界に立っているだろうな~と。

ワクワクしました。

空想する度に わたしのこころは潤っていったのです。

そして思ったんです。

いつか わたしも ブラウン管やスクリーンの向こうの住人になりたい、と。

そう この時はまだ願望だけだった。
でも その願望はある日、決意に変わったのです。


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中村 麻美

15歳のトキ映画「ファザーファッカー」で主演デビュー。その後、数々の映画にたずさわる。 現在は潜在意識に関するカウンセラーもやっていますhttp://www.humanwaltz.com/

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