国境を越えて求められる看護人材

※医療系とは全く異なる出身畑からの投稿になりますが、何かのお役立てれば幸いです。
私は、いわゆる開発コンサルタントをしています。
もともとは、公務員・金融・システム・ITがバックグランドですが、現在はご縁があり医療・福祉関係に携わっています。
(チームで取り組むプロジェクトなので、その一部を担当しています。)
私自身にとってみれば、医療機関は非日常の世界です。
風邪すらひかないので病院に行くことも実は稀です。
ですが、現役看護師、元看護師共に友人には多くいる環境です。

海外で求められる日本人看護師

看護師については主に女性の職域であり、多くの女性労働力を吸収する職場です。医療業界はいわゆるサービス業です。
結婚しても働き続けられる、子育てのために一度離職しても比較的復職しやすいなど、地域に密着してその役割を果たしてきました。
しかし、医療をとりまく環境の変化や、世界の医療事情の変化に伴い、特に海外において日本の看護師が必要とされる領域が増えてきています。
一つ目は、医療ツーリズムの普及です。
海外でしか使用が認められていない薬や治療法を求めて、日本の患者が海外で治療を受けるケースがあります。
医療ツーリズムにおいては、やはり母国語での対応に強いニーズがあり、日本人患者を積極的に受け入れる海外の病院で日本人看護師の求人もあるようです。
二つ目は、2015年に統合されるアセアンでは、障壁解消のための相互承認がすすんでおり、看護師資格の相互承認が決まっています。
アセアン統一資格を取得することで、国をまたがって看護師業務ができるようになる可能性があります。
三つ目は、開発途上国において衛生指導などを行う国際協力業務があり、看護師が採用されています。
衛生観念が普及していないことから、病院の手術室の環境などが驚くほどずさんなケースがあります。また、資格を持つ助産師が少ないために、いわゆる昔ながらの産婆さんが、昔ながらの方法で出産に立ち会うことから事故が発生するなどのケースがあります。
たとえば、カンボジアでは母子保健制度の導入を日本が主導するなど、日本の医療・看護の知識・技術は世界で求めらているものです。
四つ目は、一つ目の医療ツーリズムとも関連しますが、リタイヤ日本人向けの長期滞在・福祉施設が海外のリゾート地に建設されることも増えています。このような施設でも日本人向けの医療は一つの課題となっており、常駐看護師のニーズなどがあります。
主に看護師そのものの海外での職域について、思いつくことを記述してみました。

医療・看護教育を受けた方の活躍場所

「看護業務」は実践の業務です。もう一つ、補足として伝えたいことがあります。
人のカラダの痛みを知り、心の痛みを知り、相手の立場に立ってこそ、(それはいわゆるホスピタリティだと思いますが)本当の看護業務ができるのではないか、と思います。
看護の教育現場には知識を知識で終わらせず、即日実践で活用できるよう身体に教え込むノウハウがあります。
そして、失敗の許されない仕事です。
机上の仕事を主に行ってきた自分ですが、いくら帳簿の数字を間違っても人が死ぬことはありません。
しかし、注射でさえ打つ場所を間違えば、命が失われることもあるでしょう。
だからこそ、看護師・医療の職場には、失敗をさせないための多くの仕掛けがあり、それは医療以外の現場でも応用可能な貴重な知恵です。
医療系の教育を受けた方の活躍の場は、もっと増えていいと思います。

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