デザイナーが好き勝手に語る、グラフィックデザインのお話し。(デザイン、ってそもそも何でしょう。)

先は明るい。


こういった話しは本来、焼酎でも飲みながら。日頃モンモンとしていること、でも、先は明るいよね、って信じること。好き勝手に語るのがいいんでしょう。絡めて、絡めて、まぁ結局、すべてがデザインだよね。と締めることになる。


Facebookで、誰々と飲みに行きました! とアップしている人たちをモニタ越しに眺め、私は私と対話するのです。せっかくなので今は、目の前のあなたと語らせてください。実務的な考えと感覚的な想いをツラツラいきます。先に伝えておきますが、デザインの考え方に、正解も間違いもありません。あくまでも、私の考えなので……と逃げをつくりつつ、はじめます!



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デザインは、目的を形にすること。


そもそも、なんで人はデザインを必要とするのでしょうか? なんとなくカッコイイから? キレイだから? デザインを行う、目的・効果を意識するんです。


例えば、自ら立ち上げたブランドを告知する時。例えば、オーナーさんが飲食店を改装する時。いずれも、もっと認知されたい、売上げを伸ばしたい、というシーンに沿った目的を持っています。人が何かを行う時、必ず目的があるのではないでしょうか。


デザインには、「目的を形にする力」があると考えます。つまり、「人の目的(=こうなったらいいな、と思うこと)を達成させる力」。それこそが、デザインです。



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デザインの力は強い意思に宿る。


デザインをする上で大事にしていること。お店をこういう雰囲気にしていく、といった、「目的を形にすること」と伝えました。絶対達成するんだ! というクライアントさんの意思が強いと、デザインも強くなっていく。デザインの力を信じている方と共に仕事をすることで、より良い相乗効果が生まれると思います。


デザイン費やディレクション費、実費を含めた予算感が合わない度、頭ごなしに断っていたら、クライアントとデザイナーがいつまでたっても分かり合えない。だから、受注の有無に関わらず、「デザインを取り入れる効果」「具体的な工程と費用」については、自分の考えをしっかり伝えた上で決めてもらっているんです。


単発工程による表面的なデザインで完結するのではなく、クライアントさんの達成したい目的を明確にし、しっかりとしたデザイン構築を進行させる。その先のお客さんが別の方に紹介したくなる気持ちまで届かせ、循環させる。そんなデザインを心がけることが大事なのではないでしょうか。



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表現とコミュニケーション。


専門学校で講師をしていて、よく学生にも言うのですが……何かを伝えるときは言語だけに頼らず、視覚的にも伝えることを意識しています。加えて、丁寧さも。ホテルマンのように相手から言われなくても、自ら気づき、動く姿勢。とても勉強になりますよね。デザイナーも常にそういう姿勢であるべきだと思います。結果、より良い表現が、ジワジワだったり、ポコッと生まれることにつながるっちょーわけです。



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デザインの効果って?


1つの例として、オープンしたてのカフェが、「デザインを取り入れる目的」を書き出してみました。カフェの1番の目的:「新しいお客さんを増やし、リピーターを増やしたい!」。その目的達成のためには、以下3点が大切だと考えます。


・ まだ来店していない生活者に、「行きたい」と印象づけること。
・ 一度来店した生活者に、「また来たい」と印象づけること。
・ 一度来店した生活者に、「誰かに教えたい」と意識させること。


デザインを取り入れ、それを見た生活者が、「行きたい・また来たい・誰かに教えたい」という感情になる。結果、お客さん、リピーターが増える。そういった、「デザインを取り入れる人(クライアント=カフェのオーナー)と生活者(カフェのお客さん)との良い循環」が生まれた! つまり、「デザインの効果」があった、ということになるわけです。



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良いデザインって?


ここもカフェで1例を。「良いデザイン」の条件。つくったデザインによって、カフェが「生活者に認知され、印象に残った!」。その条件達成のためには、以下3点が大切だと考えます。


・ デザインから「認知」してもらうべき情報を伝えることができた。
・ デザインで与えたい「印象」を与えることができた。
・ デザインでお店の「独自性」を伝えることができた。


「認知」は、伝えるべき情報。お店の名前はもちろん。お店の特徴や売りって何? 住所や連絡先なども。しっかりと理解し、認知してもらう見せ方を考えましょう。「印象」は、与えたい感情面。カッコイイ、かわいい、キレイ、洗練……色々とあるけど、第1位を決めましょう。完成形のデザインをパッと見た時、その「印象」が感じられますか?


「独自性」は、「お店の特徴・売りを、視覚的に表現」すること。例えば、“開放的な店内” が売りであれば、青空イメージにつなげたり、“笑いと美味しいコーヒー” が売りであれば、コミカルなコーヒー豆キャラクターをつくったり。お店のオリジナリティを具現化する、といった感じでしょうか。


もし何かをデザインする時、この3点を意識すると良いんではないでしょうか。「印象・認知・独自性」、どれをどれくらい振るのがベストか。もちろん、「目的」によって変わってきます。意図を明確にし、最適なデザインをつくっていけるといいですね!


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デザインの価値って?


より豊かな生活につながる、「なんかいいな。」だと思います。何かを見た時に芽生える「なんかいいな。」という感情。友達と笑い合ってる瞬間だったり、好きな人と一緒にいると「この時間、なんかいいな。」って思うじゃないですか。


「なんかいいな。」の価値観は人によって全然違う。無限にある。だから、面白いんです。これは直接会ってヒアリングしないと分からない。同じ言葉でも話すニュアンスの違いがあるので、それを汲み取るコミュニケーションも含め、大切なデザインなんですよね。そういう時間を丁寧に取ることもデザイン、というわけです。


「超いい!」でもなく、「これでいいや…」でもなく、ふとした瞬間に感じる、「なんかいいな。」という気持ちや想いを具現化していく、そんなイメージです。


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デザイナーのイメージ、どうでしょ?


私の個人的な考えになってしまうんですが、世間から見たデザイナーのイメージって格好つけてる、と言うと語弊があるかもしれないけど、お洒落な洋服を着て、お洒落な街に住んで、お洒落なお店で食事をして、何かこう……敷居が高いというイメージってあると思うんですよ。私はそういうイメージを少しでも変えていきたい、と勝手に考えています。自分が “お洒落” になれない、ということもあるけど(笑)。そう、コンビニの菓子パンが大好き。すき家でアイデア出しだってしますよ。


はじめて、デザインを取り入れる方々を増やし、生活をより豊かにしていただく。デザインの間口を拡げていきたいんですよね。「へ〜、こんな人もデザインやってんだ。」と、デザイナーに振り幅があることを知ってほしい。例えば、アングラ〜サブカル路線をいったりきたりしているミュージシャンがメディアに出たとき、トークが凄く面白かったりするじゃないですか。あの感じがとても好きなんですよね。


「自分の仕事をしっかりとやった上、くだらないことも言える人」が理想としてあるので、私はそういう立ち位置のデザイナーでありたい。そんなことを考えながら、しっかりと形にするため、日々生きています。なんつて(笑)。



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私はM。これからも。


デザインって、興味あるけど、ちょっと近づきがたいよね。一部の人だけ理解があるけど、その他の人には関係ないよね。……最近はデザインが受け入れられるシーンも増えてきましたが、まだまだこれから。この語りはそんなデザイン業界を “S” と捉え、“M” 側として変換した形でもあります。


そうです。私は極度の “M” です。何かマズイことが起きた時、それを “おいしい” と変換できる力を持っています。まさに、デザイン。ここの語りも、言語的に伝えるデザイン。ほらほら、結局、すべてがデザインだよね。で締まるんじゃん。くぅ〜!


よくわからないしゃべりにつき合ってくれて、ありがとうございました。もし興味があったら「グラフィックデザインで独立するまでのお話し。」、そして、デザイン入門書「デザイナーになる。」(Amazon)も読んでいただけると嬉しいです! みなさんの、なんかいいな、が日常の中にあふれますように。本日も心より願ってます。それでは、日常の中でお会いしましょう。


グラフィックデザイナー
アトオシ 永井弘人











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