高校の時の「自己中」発想が、今の自分に役立っている話

KDDI勤務5年目の野本と申します。会社では海外の通信事業者と共同して、企業向けの専用通信回線を作ったり、それが故障したら迅速に直す為に手を尽くす業務をしています。(そうした業務の支援システムや従業員向けスキルアップシステムなども手がけています)
(画像出典:KDDI公式 新卒採用HP)
一方、上記の画像にも有るように、私が近い将来やりたい仕事は「教育改革」です。プライベートでは学校教育を通信やIT技術でどのように変えるか、という事をずーっと考えています。実はこのルーツは、高校生の時の持っていた「自己中発想」でした。
私は高校生時代は相当な落ちこぼれでした。理系なのに数学に全くついていけず学校に行くのが嫌になった。勝手に欠席したり、教科書を開くのも嫌になっていたほどです。
しかも、タチの悪い事に自分が数学が出来ないことは担当教員のせいだと決めつけていました。なぜなら、1年生まではそれなりに苦労しながらも数学ができていたのに、数学担当が2年生になって変わったとたん、分かりにくい、課題を出さない、出来ない事を否定するなど散々で、一気に成績が下降したから。生徒側が教える先生を選べないのは理不尽だ!とずっと思っていたのです。
また、当時ネット上でFlashを使った「動く教材」で、これまでの疑問や不明点が一気に氷解するという経験もしました。こうした経験から教育は「出来ない人の目線でデザインされるべきだ」「そのためにITを学校はもっと活用するべきだ」と信じて疑っていませんでした。
もちろん、これは自分の努力不足による所が大きかったのですが、それよりも「同じような不満から受験を諦めたり、苦労している人はきっと居るはずだ」と考えて、それを解決する手段として情報通信に目をつけ、2年浪人する事にはなってしまいましたが、受験を諦めずに大学に入学。情報学を学び、プログラミングや教育支援ソフトの研究を行いました。このとき、明確な目的意識をもって大学で勉強した事が今の支えになっています。
結果として、社会人になって暫くすると、同じような志をもった先生達がiPadを一人1台持って授業をしている中学・高校を動かし始めたり、教育に様々なIT機器を活用している先生たちが現れました。私はそういう先生に実際に会いにいき、取材をして、その活動を無料で記事にして公開し続けました。ある程度分量が溜まった後、その活動をまとめた電子書籍(http://www.ipad-zine.com/b/2072/)を無料でリリースしました。すると、多くの学校の先生や企業から声がかかるようになり、最近では大学やセミナーで講演をして、日本の教育をこうやって変えていくべきだ、という私の話に多くの人が耳を傾けてくれるようになりました。
ただ、皆さんが耳を傾けてくれる内容は、元を辿ると高校生の時に自身が持っていた「自己中発想」に行き着きます。これを高校生の時や、浪人の時に回りに言っても、だれも耳を傾けてはくれませんでした。しかし、「おかしい!」と思った事を、心の中にとどめて生きていくと、それはどこかで大きな動きを作るかもしれません。おそらく、私はこうして色んな人と交流をする中で、今後も教育のより良い姿を追求していくと思います。
ちなみに、私は当時日記でそういった想いを記録してあったことが、後になって振り返る時にとても役に立ちました。身の回りで感じているいろんな「おかしい!」ということは、必ずしも自分の考えが「普通とは違う」という決めつけをしないで、自分の言葉で書き残しておくと、いいかもしれません。今は「普通である事」が良い事かもしれませんが、「普通じゃない事」が価値になる日はきっと来ますので。

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