お金を儲けてみた話

2010 年はお金を儲けてみようと思いました。
そして、ちょびっと儲けて、儲けるために必要なことを学んで、飽きました。

生み出した価値

画家が絵を描いてそれが 1 億円で売れたならば、それは画家本人が明確に生み出した価値であり、議論の余地はほとんどないかなーと思います。
翻って会社組織では、同じ 1 億円の売上を上げたとしても、それが開発部門の力なのか、営業部門の力なのか、マーケティング部門の力なのか、よくわかりません。例えば僕がマーケティング部だったとして、僕自身が生み出した価値は測定可能でしょうか。この場合、生み出した価値は、関わったメンバーやその役割によって平準化され、もやっとなって賃金として支払われます。これでは儲けることはできないし、僕の肝臓の状況は更に悪化し、肝硬変で倒れます。

生み出した価値を測定する定規的なもの

ということは、儲けるには生み出した価値を正しく測定することが必要です。正しく測定するためには、最新の 360度評価とかそういう難しいものを導入しなくてもよくて、ゴールに対して、責任を持つ人を極限まで減らすことで、生み出した価値は測定可能になります。画家は、ひとりで頑張って絵の具を混ぜたり絵筆を振って、1 億円稼いで、それはもう画家、あなたの価値ですよとなるワケです。CEO だけが、全社の収益に対する責任をもっていて、それは測定可能であるために彼らはたくさんボーナスをもらったり突然クビになるのです。

測定可能になればいいのか

生み出した価値が測れること、はあくまで儲けるための前提条件に過ぎません。価値を生み出すプロセスにおいて、自分自身の決定が大きな力をもっている必要があります。頑張りが、そのプロセスにおいてふわっと消えてしまうものでは意味がありません。価値を創出するプロセスに大きな影響を与えられることで、初めて「自分で」儲けることができます。影響力がないのにたまたま儲かったとすれば、それはたまたま誰かが儲けてくれたオコボレにあずかっただけかなーと思います。

テコを手に入れる

これはすなわち、結果に対して大きな影響力を持つということです。測定可能にするために定規を使って、自分の頑張りが結果に強烈に影響するテコを手に入れるというか。とにかく、この 2 つがないと、儲けることって難しいのかなーと感じています。
2010 年は、ひとりでいろいろ仕事をしてみて、ひとりなので生み出した価値がわかりやすくて、自分で決めたことややったことがそのまま結果に影響するので、そこそこ儲かりました。
とはいえ、ひとりでできること、にはやっぱり限界があって、ひとりの航空会社はないし、ひとりの化粧品メーカーもありません。2010 年末からは、組織として、やれることを拡張してみようといろいろ試行錯誤をしています。3 年やってみて、なんて難しいものだと痛感しているようなところです。
ちいさなチーム、明確な目的、そしてちいさなチームがそれぞれの目標を達成することにより、大きな組織の大きな目標を成し遂げる。難しいですが、数年がかりのチャレンジということで。

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