考え方、価値観の変化 - (1) 考え方の変化

生きていると、考え方や価値観が変わっていく

25年間も生きていると、ふと気付いたら以前と考え方や価値観が変わっている事に気付く事が有ります。
私が気付いた中では、大きく分けて2つのバリエーションがあり、

■ 価値観の変化
■ 考え方の変化

の2つがあります。ここではまず、考え方の変化について記したいと思います。

考え方の変化

思考の種類

私達は物事を考えるとき、
1. 垂直的思考
2. 水平的思考
の2つの方法を織り交ぜながら思考していきます。
1. の垂直的思考は、思考の連鎖を意味して、A->B, B->C, つまりCであるというような、一般的な論理的思考を意味します。
仮説を立て、統計データ等を用い検証しながら、結論を出す。というのがここでいう典型的な垂直的思考です。
私の中では、高校生→大学生2年生ぐらいまでは、無意識的に1.の思考方法を利用して物事を考えることが多かったと自分では思っています。

垂直的思考 例:インターネットは凄い。今後共成長する

例えば、インターネットは凄い勢いで成長していくだろうなと、昔からよく思っていたのですが、その思考に至った理由は

1. 時間的、空間的距離を超えられる
2. スケーラビリティが十分に高く、1.のメリットを最大限に活かせる
3. ネットワーク外部性(利用者が増えれば増えるほどその価値が増大する事)により、自然に2. の規模が拡大していく
という3点からで、-> だからインターネットは凄い! という結論を導く事が出来ます。

もう少し言うと、上記3点はそれぞれ独立しているので
1. のメリットがある
→ 2. しかも、それ自体は広げていくことが出来る構造を持っている
→ 3. さらに、それ自体は自然に広がるインセンティブがある

というように、要素が流れるように連鎖する構造になっています。
これらは今となっては誰もが言っていることで、きちんと情報を整理して考えれば、誰でもある程度簡単に辿ることが出来るものですが、上記のように考えその結果に至りました。

水平的思考 例:資本主義は富の格差を、ソーシャルメディアは幸せの格差を生む

資本主義は富の格差を、ソーシャルメディアは幸せの格差を生む。
以前私が書いた記事ですが、これは水平的に考えることで思いついたものです。
資本主義とソーシャルメディアはそもそも基本的には全く関係ありません。また、構造も全く違います。
ただ、下記のような観点においては

■資本主義
1. ゼロサムゲームであり、価値を生まないという批判をされることがある
2. 富の格差が生まれる
■ソーシャルメディア
1. 承認欲求の構造により、幸せの総量はゼロサムである可能性がある
2. 幸せの格差が生まれる

という興味深い共通点があり、この2つの共通点を元に考えることで、さらに新しい概念を考えていく事が可能です。
私はこれを、『水平的思考』であると考えています。(定義は人によって異なるようです)

水平的思考という言葉を知った時

水平的思考という言葉を初めて知ったのは、高校生の時で、『ウミガメのスープ』というゲームがキッカケでした。
インターネットでウミガメのスープで検索すると、『水平思考推理ゲーム』というような形容がされ、様々な面白い話がヒットします。(もし宜しければ覗いてみると面白いかも知れません)

この頃は、まだこの言葉の本当の意味は分かっていなかったと思いますが、大学生になり、もう少し物事を深く考えるようになり、横井軍平さんの『枯れた技術の水平思考』という言葉を知り、ようやく意識してこういう物事の考え方をする事が出来るようになりました。

垂直的思考では、新しいモノは生まれない

誤解を恐れずに言うと、垂直的思考に大きな価値はないと私は考えています。
もちろん、これを素早く的確に行う事は非常に重要で、それ自体が1つのスキルであり、実際の会話やビジネスの現場では、息をするように行えなければ話にならない事も多いと思います。

一方で、程度の差はあれど、この方法は考えれば誰でも出来る事で、多くの場合は面白くもない、単調な結論が導き出されるだけだと私は感じるようになりました。

例えば、経営状態が悪化し、資金繰りが厳しく、なんとかコストカットをしなければならないという状況において
1. 他社のケースでは一般的にリストラクチャリングによる財務改善を行う
2. 収益性の悪い事業の撤退、見直しを行う

等を、御社の過去のデータを分析した結果・・・伝々言われても、『そんな事10年前から分かっとるわ!!』という感想しか出ないのではないかなと思います。

そうきたか!と思わせる水平思考

一方、たまーーに存在する、水平思考が得意なアイデアマンは、『そうきたか!』と思わせるようなアイデアを出してきます。
私がピクシブでアルバイトしていたとき、もやしさんと呼ばれる非常に面白い方がいらっしゃったのですが、その方が開発した小説機能は当時の私にとっては衝撃でした。

先ほどの資本主義とソーシャルメディアの例は、個人的にはその突飛さが気に入っていて、完全オリジナルなので他のブログ等でも見たことがない言説ですが、こういう発想が出来るのが、この思考法の良い所なのではないかな、と思います。
私は、ちょっと”おもしろい”何かを作ろうとしたら、必ずそこに何らかの飛躍が必要で、その間を担うのが水平的思考なんじゃないかな、と思っています。

結論

論理なんかゴミ箱に捨てよう!!

というよりは、水平的に物事を考えて、垂直的に深く掘り下げるのが、新しいモノを産み出せる考え方なんじゃないかなと思います。


続き -> 

著者の溝部 拓郎さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。