転職大魔王伝「オレ、結婚相談所に就職。」1

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taichijungleです。
音楽とWEBの仕事をしている41歳です。
10代後半から20代前半は絵描きを志して職を転々とし、20代中盤から20代後半は人生に迷って職を転々とし、30代以降はキャリアアップのために職を転々 とした結果、就職7回・アルバイト29種類・起業2回という落ち着きの無さの為、周囲の仲間に「転職大魔王」というありがたい称号をいただきました。
その中でそこそこ印象に残っているものを、順不同で憶えている限り綴っていこうと思います。



結婚相談所のカウンセラーになった話。


20代の後半だったでしょうか。
理由は全く覚えていないのですが「結婚相談所スタッフ募集」の求人に応募してしまいました。
きっと何かしら変わった仕事がしてみたかったのと、表記されてた待遇が良かったんでしょうね、(その表記は嘘だったけど)
当時未婚のオレが何をカウンセリングするだって感じですが、そこそこ面白い結果が生まれたんでそのお話しを。
尚、15年以上前の話しなので業界の現状は大きく変わっていると思いますし、この会社に居たことがバレたくないので一部ボヤかして書きます。




オレ、先生になる。


※15年以上前の情報です。

知ってました?結婚相談所のカウンセラーは「先生」と呼ばれるんです。
結婚相談所ってとにかくたくさんあって、規模もバラバラなんです。
近所の世話焼きおばさんが個人経営しているところもあれば、CMガンガンやってる大企業もあります。
でも、どこにいっても「ウチは5万人の会員がいるんです。」という話しが出てきます。

たしかにオー●ットやツヴ●イなどの大きい資本が入っているところは、そこの会員だけで3万人とか4万人とかいるんで、その中だけでのマッチングが可能なのはわかると思います。でも、世話焼きおばさんとこや小さなところにそんな会員がいるとは考えにくい。その狭いネットワークの中でおばさんに無理矢理くっつけられちゃうんじゃないの?って話しじゃないですか。


ところが、この業界には「日本ブライダル連盟」と「日本仲人連盟」という団体がありまして。ほとんどの結婚相談所はそこに加盟してます。
そこに加盟することによって、他の加盟店に登録している会員情報も団体を通して共有できるシステムになっているのです。
だから、世話焼きおばさんの相談所も株式会社が経営している相談所も、

「ウチには5万人の会員がいる」ということになるんです。



それで「先生」のくだりに戻るのですが、例えばオレの相談所に登録している男性会員が、その5万人のデータベースの中で会ってみたい女性を見つけたとします。そうすると、オレが「その女性会員が登録している結婚相談所」に交渉するんです。


オレ
○○○相談所と申します。私共のNo.12345の男性会員が、先生のところのNo.67890の女性会員様とのお見合いを希望しているのですが、お引き合わせをお願いできませんでしょうか。
世話焼きおばさん
No.12345の男性ですね。うーん、ちょっと年収が低いですねぇ。。
オレ
いやいや先生!真面目で将来有望な方ですし、人柄は保証致しますので是非!

みたいな。



というわけで、オレも「先生」と呼ばれていたのです。
世も末ですな。





オレ、猛烈に戸惑う。


カウンセラーといっても、お見合いやパーティーのセッティング等の会員フォローだけが仕事ではありません。
というより、メインは「新規会員の獲得」です。営業です。

そこそこタフなオレが何度も逃げ出したくなるほど地獄だった研修期間を乗り切り、実務に入った時にオレを戸惑わせたのは、男性会員の意識の低さでした。



当時の営業スタイルは主にテレアポ。
オペレーター(アルバイト)に高校等の卒業名簿を渡し(たぶん今は犯罪)、ババババっと電話でアポイントを取らせるんです。(テレアポは1日1時間程)
そして来店した方を我々スタッフが無料カウンセリングし、入会促進をするという流れでした。

テレアポの成功率は非常に低く、100人かけて1人アポイントが取れるかどうかという感じでした。
それでも、店舗まで出向いてくれる方は少なからず「結婚したい」という意識はあるわけですから、そこから先の成約率はそんなに悪くはなかったです。


が。


あまりにも、、、あまりにも結婚への…...いや、恋愛への…...いや、出会うということにおける準備の意識が低い人が多くて、もうキョトォーーーンでした。

オレがいた頃の業界は、会員の男女比が8:2。
うち、男性の年齢分布は30代半ば〜40代前半が約80%。
うち、女性とちゃんと付き合ったことが無い人が約80%。
うち、「母親と相談する」と言って結論を持ち帰った人が50%。

まぁこんな感じ。



で、来店してもらった時にまずはプロフィールと希望の相手の情報を書いてもらいます。
(オレはこっそり「カルテ」と呼んでました)

----------プロフィール
氏名、年齢、現住所、学歴、職業、年収、貯蓄額、家族構成、女性との交際経験、趣味、両親の職業、両親の居住地など。

----------希望条件
希望の女性の年齢層、居住地、外見のタイプ、初婚/再婚(子供有/無)、学歴、職業、年収、結婚後の希望(専業/共働/不問、親と即同居/将来的に同居有/同居無し)など。


こういった情報を見てカウンセリングしていくのですが、、、
まぁ困った人の多いこと多いこと。


↓困った人の一例
----------プロフィール
年齢40歳、高卒、年収250万、両親と同居、女性との経験はあまり無い(こういう時は大抵経験無し)。


ちょっと苦戦しそうなスペック。でもこれは仕方ない。それでもちゃんと仕事をされているから立派な方ですよ。

しかし、問題なのは次。


----------希望条件
10代後半から20代前半の背が低い可愛いタイプで絶対に初婚。学歴不問だが、年収は自分と同等か上。結婚後は今の実家に即同居。



オレ
ふぁっ?!ふぁっ?!ふぁっ?!

戸惑うオレ。何度も見直すオレ。また戸惑うオレ。


そして・・・・・


オレ
おいコラ。
オレ
おいコラ。
オレ
おいコラこんにゃろ。
涌き上がる別の感情。




そして、ここからオレのカウンセリングという名の大説教タイムがはじまるのです。

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転職大魔王伝「オレ、結婚相談所に就職。」2

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