第2章 集合 イスタンブールから夜行バスに揺らて約束の地へと向かう~自転車ヨーロッパ横断4600kmの奇跡~僕たちが越え続けた死線の先にあるもの~

前話: 第1章 葛藤 広大と別れた勇馬は、満員列車の中で揺れている。
次話: 第3章 出発 七夕に願いを込めて~自転車ヨーロッパ横断4600kmの奇跡~僕たちが越え続けた死線の先にあるもの~
7/5 朝 トルコ イスタンブールから夜行バスに揺られること10時間、ブルガリアの首都ソフィアへと辿り着いた。旅のお供はトルコカッパドキアの丘の上で偶然出会った
イスラエル大学へ交換留学中の大学生の関野崇君。(右端)
なんだか意気投合して一緒に行動することになり、自転車旅のスタートを見送りにまで来てくれたのだ。
勇馬は、数日前にリーダー星野広大からのFacebookのメッセンジャーで受け取った。

From Kodai Hoshino.
ヨーロッパ自転車仲間へオレとシュウ、本日自転車を購入しました!35,000円ぐらいです!あと、必要なキャンプ道具を揃えています!テントは小さいのが1つ、中くらいが1つあります。寝袋、マットは各自で!あと、調理器具を揃える必要あります!あと、シゲくんが一緒に自転車をしたいということで、4人体制になりました!シゲは明日ソフィアINで大丈夫かな!?ユーマはソフィアINの日程が決まったら教えてね!
From YUMA HAMAYOSHI
明日の夜発 5th July朝着を目標に向かいます。まだ見ぬ仲間の皆様よろしくお願いします。
From Kodai Hoshino.
ゆーまへ 本日、シゲの自転車を購入しました!ユーマは、5日の朝到着後、一緒に自転車を買いに行きましょう!その他必要な物資を購入して、自転車に荷物をパッキング。軽い方がいいから、不必要なものは、日本に送り返しましょう!オレも送り返します!そして、7日朝からスタートしたいと思います!集合場所は、ソフィアの宿は、 ホステル・モステルっていうところで!人気宿みたいなので、一応予約とってから入って会いましょう!3人の用意が出来次第、ルートを相談しながらスタート!

この時私は、トルコ観光真っ最中


素晴らしい景色に髪を引かれながら

私たちは、広大の指示通り、集合場所のホステル・モステルを目指す。

場所や行き方は事前に隣にいる秀才崇君がリサーチ済み、なのだがブルガリアはなんとブルガリア語である。一国の首都にやってきたので英語も通じると高をくくっていたのが失敗であった。標識ひとつ読めやしない。早朝のバスターミナルで早速路頭に迷った。
リサーチでは、路面電車に乗るのだが切符の買い方やどの電車に乗ればいいかも分からない、しかし、我々は今まで散々そんな経験を経てやってきた。通りかかったおばちゃんに声をかける。

言葉がさっぱり通じない。

メゲズニオーバーな身振り手振りで説明するが余計わからないようである。横で崇は笑っている。少しして電車がやってきたので、崇が駅のおじさんに聞きにいった。

どうやらすんなりと通じたらしい。

どうやら問題は相手ではなく勇馬にあったようだ。

集合場所のホステル・モステルは、入口は分かりずらいが中に入ると大きな広場と2階建ての清潔でおしゃれなロッジ風のホステルが現れた。事前にブッキングを入れていたので朝早かったがレセプションでベット空いているか?と確認にいく。まだベットが空いていないので、荷物をこちらで預かるのでロビーで

朝食でも食べながら寛いでていいよと言っている。



皆くつろぎすぎでしょ。

フレーク、ハム、スクランブルエッグ、ヨーグルトに、フルーツまである。日本のホテルの朝食のようだ。何とも嬉しいお・も・て・な・し・でお腹を空かせた私たちはブルガリアが好きになった。
勇馬と崇は、朝食をがっつりと頂く、まわりにはまだ日本人の姿は見えない。
幾度となく、お代りをし、食後の珈琲タイムを楽しんでいると、一人の日本人が近づいてきた。

Shu
「おはようございます、もしかして勇馬さんですか?自転車一緒にやる西原周です。よろしくお願いします。」
「おはよう、浜吉勇馬です、よろしくお願いします。」「こっちは、トルコで一緒になった崇君。」「広大君は?」
Shu
「まだ寝ています、シゲさんもまだですね。」

海外で出会う日本人とはなぜか同志のような気がしてすぐに仲良くなることが多い。
日本にいて二十歳の青年と三十歳のお兄さんがゆっくり話をする機会なんてそうないのではないだろうか。
YUMA
「周はどんな旅してんの?」
Shu
「大学休学して、1年間世界一周中です。」「フィリピンで語学留学しててそこで、広大さんと出会いました。」「アジア回ってそこから今って感じですね。」勇馬さんは?
YUMA
「仕事辞めて西回りで世界一周してて、アジアからスタートしたよ。」「広大とは、ネパールで同じ宿だって、自転車について熱く語られて、俺もやろーって決めたんだ」「素人だけど、宜しくね」周君は、日本を自転車で縦断したってきいたけど、まじ?
Shu
「はい、無茶つらかったっす。もう自転車乗るのやめようって思ってましたからw」
YUMA
え。でも今ここにいるよね?
Shu
「日本では、一人でやったんですよ、今回は仲間もいるしヨーロッパを自転車で回るなんて簡単には出来ない挑戦だからいいっかって、でも辛いと思いますよw」
YUMA
やっぱ辛かった?
Shu
「はい、辛いってもんじゃない。風にやられて、飲み物なくなったり、大変でしたよ。」

経験者からのリアルな苦労話を聞いて、今からのチャレンジを後悔したり、辞めようかなぁと思ってたりしていた。

その時、
「おー勇馬、久しぶり、ありがとう!」
と破竹の勢いで駆け寄って手を差し伸べてきた。
彼の後ろにこれまたボサボサの男が立っていた。
「初めまして、突然参加することになりましたが、よろしくお願いします。シゲトです。」と丁寧に西澤シゲトは挨拶をした。
勇馬はボサボサの容貌のシゲちゃんと丁寧な挨拶をするシゲちゃんをキョロキョロと見渡した。面白い、が大丈夫か?体力...
広大は、無事全員が集まったことに安堵の笑みを浮かべた。

「勇馬さっそく自転車買に行こう!他の皆は同じ自転車を買ったから勇馬も同じのにすればいいよ!」

とそのまま、自転車屋さんに連れられて同じ自転車を購入、ハンドルグリップとサイドバック用のガイドを前後に取り付けてお買い上げ。価格はなんと約30,000円
これで準備は整った。

続きのストーリーはこちら!

第3章 出発 七夕に願いを込めて~自転車ヨーロッパ横断4600kmの奇跡~僕たちが越え続けた死線の先にあるもの~

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