握手会を選ばなかったご当地キャラクター。生みの親として、今、語りたい。

握手会を選ばなかったご当地キャラクター。生みの親として今、語りたい。

  2013年。

 イラストレーターを始めて、5年。今年、私は、会社を設立したことをきっかけに、一人のキャラクターを産みました。

その名前は、あおでんさん。
防犯用の青い街灯を見て、産んだキャラクターです。


 キャラクターの活動と言えば、着ぐるみがいて、握手会や撮影会のイベントに出るのがメインです。
 そして、グッズの販売に発展させるのが、大半です。ぬいぐるみや、缶バッチ。
ファイルなどの品々へとキャラクターは、モノへと展開されます。

着ぐるみを製作して、キャラクター語を話す。
それは、私が望んでいた方向だろうか。
それは、私らしいだろうか。
自分に深く、問いかけました。


 私は、私らしく、キャラクターを育ててあげたい。


 そう考えた私は、キャラクターの活動に必要不可欠な着ぐるみの製作はしませんでした。

 そして、SNSなどで、キャラクター自身のアカウントで、おしゃべりすることもしていません。敢えて、私個人のアカウント1つで、今も変わらずおしゃべりをしています。

 グッズは、2つありますが、販売用は、ようやく1つ作ることになったものです。
もう1つは、子供たちに無料で、何かグッズをと考えたものです。
 無料でダウンロードできる、ラッピングペーパー。

 色も、家庭用プリンターを使って頂くことを考えて、モノクロのものを用意しました。

私とあおでんさんは、活動を頑張っていても、それは、他のキャラクターのように、歓迎していただける場面ばかりではありませんでした。

「地元に貢献していないので、ご当地キャラクターではない」
「イベントに出てこないなんて、やる気がない」
「企業のプロモーションのことだけ考えている」
「趣味だろう」
など、なかなか理解はしていただけませんでした。


 なぜ、私が、他のキャラクターと同じ道を選ばなかったのか。

 それは、キャラクターを通して、大人として、子供たちに、なにかひとつ伝えられるものもあるのではないだろうか、と考えたからです。
 私個人の考え方や、仕事への姿勢、そして、キャラクター。
そこから、今から歩いていく子供たちへ伝えたい、と強く思っています。

 例えば、大人も悩みながら、頑張っているんだよ、ということであったり、戦争をすることは、あなたと、あなたの愛する人を傷つけるんだ、ということを、空も飛ばないし、武器も持っていないし、技も出さない、私のキャラクターは、私の内面にあって、言葉にはしないけれど、伝えたいことを、ストレートに伝えてくれています。

 キャラクターでもあるし、私でもある。私がいて、キャラクターがいる。
2人で一緒に歩き始めて、始まったから、選んだ道。


 悩むことも、たくさんあるけれど、イラストレーターである私は、かたちは見えない幸せを、たくさんの人からキャラクターへの応援をしていただけることで、実感しています。

 ありがとう。

将来を、もっと見てみたいと思えます。


dotstar 大野清香





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